夫の親友〜西本匡臣の日記〜

2024年5月

5月3日

昨日は長男を寝かしつけ、リビングに戻り妻と手土産や仏壇へのお供えの話をして子供部屋に戻ると、長男はまだ起きていた。
眠れないのかと聞くと、早くおじいちゃんに会いたいからとしっかりと目が冴えた様子で話していた。昨日はクタクタだったので、いつもより早く布団に入ったが長男の相手をしなければいけなかった。
当然朝は起きれなかった。
お母さんが起こしてきてってと長女に起こされた。
目覚ましもなった形跡はあったが、自分では止めていなかったので熟睡していたのだろう。
長男を起こさないようそっと起き、朝食も食べずに長女と買い物に出かけた。
長女に菓子を選ばせて、帰ってきたときも長男はまだ寝ていた。
もうすぐ昼だったが、空腹だったので妻に何かないかと聞くと、さつまいものポテトサラダが出てきた。
アイツの好物だなと思いながら食べた。
食べ終わった頃に、明太子のうどんが目の前に置かれた。
妻の好物だなと思いながら食べたが、アイツがタラコや明太子を食べてるところを見たことがない気がする。
いくらは食べていたから魚卵は無理というわけではないだろうし、たまたまだったのだろうか。
タラコを食べることが出来なかったら結婚生活は大変だったのではないだろうか。
おにぎりやご飯のお供にも出されただろうし。
思い返せば、居酒屋でも明太子の卵焼きも食べなかったし、旅先に福岡を選ぼうとすると拒否された気もする。
今になって親友の知らなかった一面を知ってなんだか気恥ずかしい。
どうしてこんなにアイツのことを考えているのだろうと思ったが、今日はアイツの誕生日だった。
妻も覚えていてアイツの好物を作ったのだろうか。
なんとなく妻を見ると少し痩せた気がした。
ダイエットかと聞くと、疲れているのか最近食欲がないそうだ。
頭痛もそのせいかもしれない。
そのために大好きな明太子を買ったと言った。
ネットスーパーと満面の笑みで答えた。
また一人分のプリンを買ったのかもしれないと思うと、笑ってしまった。
食べ切れる量ではなかったので1、2回分余りそうだったから冷凍するか迷っていたがちょうど良かったそうだ。
妻と話していると長女も隣に来た。
話に混ざりたいのかと思っていると、右手に箸が見えた。
妻と同じようになめらかな手つきで俺のうどんを横取りした。
麺つゆで良いならうどんはあるよと、再び準備をしてくれた。

夕飯時には妻の茶碗のご飯の上には明太子が乗っていた。
俺の視線に気がついてとられると思ったのか箸を持った右手で茶碗を隠していた。
母娘2人で食い意地がはっている。