夫の親友〜西本匡臣の日記〜

2024年4月

4月11日

午後は東と仕事に行っていた佐々木君が帰ってきた。
一昨日の片岡さんの話になった。
今現在はやりたい事はないが、この仕事は嫌いではないが好きでもなく出来ることだからしていると、元気なさそうに言った。
俺の持論だが、やりたいことをしているのはごく一部で、多くの人はそうやって仕事をしていると思うと伝えた。
最初にこの会社に応募したのは、ドア開ける楽しみをお客さんに届けたいと思ったことが理由だが、今はその時の情熱はなく、組子障子を見た時もビビッと来たが今はそうでもないと、ぽつりと言った。
昔から何事も長続きしないとも。
熱しやすく冷めやすいのは、別に悪いことじゃないと思うが何事にも挑戦しないのはダメだと思う。
次にビビッと来たものにチャレンジしたらどうかと勧めておいた。

東に「片岡ちゃんなんかあったの？」と聞かれ、組子細工のランプシェード作りたいみたいだと話すと、自分も気になってたとスケジュール帳を捲っていた。
「今4月で、6月前には夏になるし、11月もまだ夏かも知れないしなぁ。1ヶ月だと厳しいし。」とぶつぶつと独り言を話していた。
しばらく考え込んだ後、前坂さんの実家ってどこら辺か知らないかと聞かれた。
何となく東北訛があるのでそちらではなかろうか。
「引退したあとは実家に帰るような話しをしていたけど、こっからだと結構あるから通うとなると無理だよなぁ。早めに教えてもらうのが正解なんだろうけど、時期悪いし。」と本気で悩んでいるようだった。
仕事の落ち着く5月から勉強に行けば良いのではと聞くと、前坂さんのところのエアコンが弱いからとちょっとと言いよどんだ。
確かに細身の片岡さんなら良いかもしれないが、ガタイのいい東には苦しいのかもしれない。

早瀬さんには乗田さんの話をすると、土日どちらでも出勤するのは構わないとのことだったので、乗田さんに電話した。
土曜日の9時頃にと約束を取り付けた。
ついでにキッチンにこども用のゲートを取り付けて欲しいと話していた。
孫があちこち動けるようになってと、嬉しいような困ったような声だった。
そんな感じだから、娘も疲れててうちで少しでもゆっくりして欲しくてと【母親】を感じさせられた。
大体のサイズを測ってもらい、いくつかの候補に絞った。
自分のことはあんなに主体性がなくイライラさせられたのに、子供のためなら何でも出来るというのは母は強しというやつだろう。
俺の妻も母親になってから強くなった気もする。