夫の親友〜西本匡臣の日記〜

2024年1月

1月30日

風が強く、うるさかったせいか夜中に長女がベッドに入ってきた。
寂しくなったのかと妻の声が聞こえた。
朝起きてから、長男は大丈夫なのかと思い見に行くとお気に入りのぬいぐるみに囲まれて寝ていた。

出社すると佐々木君が先に来ていた。
昨日はすいませんでしたと言ってるところに東が出社してきた。
「何やらかしちゃったのぉ？」とニヤニヤしながら佐々木君の顔を覗き込んでいた。
それを今から聞くところだと説明し事情を聞いた。
「ヨシオたちを家に送って行ったんですけど、ヨシオ車ないから隣の人が出かけるところだったんで、声かけて止めさせてもらったんですよ。ヨシオあの後も泣いててお父さんが支えて家に入って行ったんで、社長に連絡しようと思って車の中でメール打ってたんです。そしたら窓ノックされて顔あげたらお母さんで、ドア開けたら、ヨシオの部屋ゴミだらけで手伝って頂戴って言われて見に行ったらホントにゴミヤバくて。」と身振り手振りを交えて説明していた。
手伝ってて戻ってこなかったのかと聞くと違うと否定された。
東には「戻ってこなかったのかよ」と笑われていた。
「その後、片付けのためにごみ袋とか買いに行って、ヨシオずっと泣いてて、ペットボトルとお弁当とかカップラーメンの空とか片付いてちょっと休憩してたら、ピンポンって鳴ってヨシオ怯えだしてヤバいって思ったんですよ。」と疲れた戸言うように話した。
東が「ヨシオの会社の人じゃん」と続きを急かすように言った。　
ドキドキしていると佐々木君がつづけた。
「俺もビビったんですけど、ヨシオもっとビビってるんでスマホで録画しながら出たんですよ。そしたら45歳位のおばさんで、何の用かと聞くと大家さんで近所から苦情きてるからなんとかしないなら親に連絡するよって言われたんです。苦情って？って聞いたら借金取りみたいな人来てるって言われたんで、親いるからって入ってもらったんです。」とホッとしたように話した。
「45 歳はおばさんじゃない、お姉さん」と早瀬さんに言われていた所で、原田さんから電話がきた。
東が俺はいないって言ってと言いながら玄関の戸を開け、行ってきますと出ていった。
佐々木君の話をもっと聞きたかったが、電話に出た。
昨日、東に手伝ってもらったことに対するお礼の電話だった。
現場で揉めて、絶対必要なとこだけ東に先にやらせたとのことだった。
昼飯に俺と東に焼き肉でも寿司でも奢ってやろうと思って電話したと笑っていた。
東もう外に出たと言うと、それじゃまた今度だなと言い電話が切れた。