大人の不倫

初めまして

当時は考えもしなかった。
私の初めてはあなた。ウブすぎる私がいた。
あなたは私の身につけたネックレスとおろした髪を結んでくれた。
いつもホテルはあなたが入れてくれた入浴剤の香りに包まれひと時を過ごす。
あなたの大学時代、幼少期、車内はアメリカンミュージックか、サントラのみ。
あなたはホテルでラッキーストライクに手を伸ばす。

煙草の臭いが彼を連想させる。
彼がつけたブルガリブラック。お酒はあまり飲まないんだね。
帰り道、車内で話したあなたの大学時代の話。モンゴル800のドラムを文化祭で演奏したと教えてくれた。

偶然にも、17歳になった私も文化祭に向けて練習中だった。

あなたがピアノを習っていたこともまるで私と同じだった。