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186 テイム、完了!

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 爆発で発生したモヤが晴れると、そこには体長1メートルほどのアースドラゴンがいた。

『おお、結構回復したようだな』

 ネコサンが腕組みしながら、その褐色の体を観察する。

「あひゃひゃひゃひゃ!? そんなに吸い付いちゃ、ダメなのねー!?」

 その横で、両手をくわえられたままのねこさんが、身もだえしていた。

『おい、おまえの新しいご主人が、困っているだろう』

 低い声でそう言うと、アースドラゴンは聞き分け良くねこさんを解放した。

『いい子だ』

「た、助かったのねー……」

 べたべたになった両手を洗いに、逃げるように台所へ向かう。

「! ぎゃう!?」

 その後を、必死に追うドラゴン。ねこさんを親か何かと思っているようだ。

『ふふ、微笑まし──』

「ぎゃーっ!? しっぽはやめて!!」

『……』

 ネコサンがそっと台所を覗くと、アースドラゴンがねこさんの尻尾に思いきりかぶりついていた。

 ────────────
 
『よし、ご主人の魔力が、全身にいきわたったようだな……と、とりあえず、名前をつけてテイムを完了させよう』

 なんとかねこさんから引きはがし、六畳間に戻ったネコサンが提案する。

「そうするのね……」

 しっぽを噛まれ、意気消沈のねこさん。

 恨めしそうに、じ、とアースドラゴンを見つめた。

『名は体を表すというからな。慎重に──』

「んー、この子はよく噛みつくから……ガブリンにするのね……」

『あ!? そんな名前にしたら──』

 ロボ猫の忠告も聞かずにさらりと名付けが完了してしまった!

 ぺかー、とドラゴンの全身が輝き、その額にねこさんとの契約印が浮かび上がる。

「よろしくなのね、ガブリン」

 す、とその頭を撫でようとした手を……。

 ばあくん!

「ぎゃあああっ!」

 思いきり噛まれるねこさんであった。

『はあ、安易な名前にするから、噛み癖がある固体になってしまったじゃないか……』

 だが、ネコサンの深いため息は、その悲鳴にかき消されていた。
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