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79 極寒のちゅーちゅるタウン
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ダンジョンまたたびは、ちゅーちゅるタウンの郊外にあった。あったのだが‥‥‥。
どこまでも広がる雪原の中に、ぽつんとその入り口があるため、それを探すだけでもかなり骨の折れる状況になっていた。
実際、意気込んで雪原に乗り込んだはいいが、何も見つけられず尻尾を巻いて逃げ帰ってくるトレジャーハンターが続出していたのだ。
また、最悪のケースが発生してしまう事もあり、最近では高ランクのトレジャーハンターや冒険者以外は近づかなくなっていた。
夜明けが迫っている。
白みだした東の空を見つめながら、ねこさんは震えていた。
「し、しまったのねー。防寒着、忘れちゃったのねー‥‥‥」
聖剣に急かされて出発した結果、軽いお弁当以外用意できずにいつもの装備で来てしまったのだ。
「とりあえず防具屋さんが開くまで、時間をつぶすのねー」
へぷし、とくしゃみをした拍子に、お鼻から一筋の鼻水が流れた。
「ティッシュ、ティッシュは‥‥‥え?」
アイテムボックスをがさごそやっていたわずかな時間で、ねこさんの愛らしいお鼻に見事なつららが完成していた。
「ち、ちべたいのねー‥‥‥」
お鼻がしもやけにならないか、そう心配するねこさんだった。
どこまでも広がる雪原の中に、ぽつんとその入り口があるため、それを探すだけでもかなり骨の折れる状況になっていた。
実際、意気込んで雪原に乗り込んだはいいが、何も見つけられず尻尾を巻いて逃げ帰ってくるトレジャーハンターが続出していたのだ。
また、最悪のケースが発生してしまう事もあり、最近では高ランクのトレジャーハンターや冒険者以外は近づかなくなっていた。
夜明けが迫っている。
白みだした東の空を見つめながら、ねこさんは震えていた。
「し、しまったのねー。防寒着、忘れちゃったのねー‥‥‥」
聖剣に急かされて出発した結果、軽いお弁当以外用意できずにいつもの装備で来てしまったのだ。
「とりあえず防具屋さんが開くまで、時間をつぶすのねー」
へぷし、とくしゃみをした拍子に、お鼻から一筋の鼻水が流れた。
「ティッシュ、ティッシュは‥‥‥え?」
アイテムボックスをがさごそやっていたわずかな時間で、ねこさんの愛らしいお鼻に見事なつららが完成していた。
「ち、ちべたいのねー‥‥‥」
お鼻がしもやけにならないか、そう心配するねこさんだった。
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