39 / 218
37 新たな称号を手に入れた!?
しおりを挟む
「おはよーございまーす!」
今日もねこさんは、元気いっぱいに出社した。
「あ、ねこさんおはよう! 来て早々悪いんだけど、この書類にサインしてもらえるかい?」
「はへ?」
クロ主任に促されて椅子に座ると、その前に何やらむずかしそうな書類が置かれた。
「‥‥‥こ、これは‥‥‥?」
訝しむねこさん。何かやらかしたか? と思い返すが、最近はやらかしまくっていたので、正直どれの事か分からなかった。
「あ、あのう、クロ主任。こ、これは?」
「ああ、この前風船と一緒に飛ばされちゃったじゃない? しかも二回も」
ねこさんは穴があったら‥‥‥いや、掘ってでも入りたいと心底思った。
「す、すいませんでした‥‥‥なのね」
「いや、いいんだよ。そういう事もあるからね」
クロ主任、できた大人である。
「でね、申請していた労災がさ、認定されたからこれを読んでサインお願いね?」
はい、とボールペンを渡しながらもう一度書類を指さす。
「あ、そうだったのね」
怒られないとわかり、ほっとするねこさん。すぐに書類を手にして読みだした。
「え~、なになに? おめでとうございます! 貴殿は降りられなくなるまで登ってしまったので、新たな称号『ばかと煙は高い所が好き!』を獲得いたしました!」
「‥‥‥え?」
固まりながら読み進める。
「副賞として、スティックタイプおやつ三本が、贈呈されます!」
「く、クロ主任!?」
半べそでねこさんは抗議した。
「ん、何だい?」
と、指さしている書類を見る。
「ん? あ、あれ? ごめんよねこさん。書類を間違えちゃったね‥‥‥はい、こっちが本物だ」
「‥‥‥」
疑念の視線がクロ主任に突き刺さる。
「や、やだなー、ねこさん。これは以前私が運動会でもらった目録だよ。ほら、ここ見て?」
「う~ん? あ、クロ主任へ、って書いてあるのね!」
「はっはっは! いやー、あの頃私はとにかく高い所へ登るのが好きでねー!『降りられなくなるまで登れ!』と言う競技でぶっちぎりの優勝だったんだよ! で、この称号さ‥‥‥」
懐かしむように頷いていた。
「そ、そうなのね‥‥‥」
クロ主任、絶対ばかにされてるのねー。
そう思ったが、口には出さないねこさんだった‥‥‥。
今日もねこさんは、元気いっぱいに出社した。
「あ、ねこさんおはよう! 来て早々悪いんだけど、この書類にサインしてもらえるかい?」
「はへ?」
クロ主任に促されて椅子に座ると、その前に何やらむずかしそうな書類が置かれた。
「‥‥‥こ、これは‥‥‥?」
訝しむねこさん。何かやらかしたか? と思い返すが、最近はやらかしまくっていたので、正直どれの事か分からなかった。
「あ、あのう、クロ主任。こ、これは?」
「ああ、この前風船と一緒に飛ばされちゃったじゃない? しかも二回も」
ねこさんは穴があったら‥‥‥いや、掘ってでも入りたいと心底思った。
「す、すいませんでした‥‥‥なのね」
「いや、いいんだよ。そういう事もあるからね」
クロ主任、できた大人である。
「でね、申請していた労災がさ、認定されたからこれを読んでサインお願いね?」
はい、とボールペンを渡しながらもう一度書類を指さす。
「あ、そうだったのね」
怒られないとわかり、ほっとするねこさん。すぐに書類を手にして読みだした。
「え~、なになに? おめでとうございます! 貴殿は降りられなくなるまで登ってしまったので、新たな称号『ばかと煙は高い所が好き!』を獲得いたしました!」
「‥‥‥え?」
固まりながら読み進める。
「副賞として、スティックタイプおやつ三本が、贈呈されます!」
「く、クロ主任!?」
半べそでねこさんは抗議した。
「ん、何だい?」
と、指さしている書類を見る。
「ん? あ、あれ? ごめんよねこさん。書類を間違えちゃったね‥‥‥はい、こっちが本物だ」
「‥‥‥」
疑念の視線がクロ主任に突き刺さる。
「や、やだなー、ねこさん。これは以前私が運動会でもらった目録だよ。ほら、ここ見て?」
「う~ん? あ、クロ主任へ、って書いてあるのね!」
「はっはっは! いやー、あの頃私はとにかく高い所へ登るのが好きでねー!『降りられなくなるまで登れ!』と言う競技でぶっちぎりの優勝だったんだよ! で、この称号さ‥‥‥」
懐かしむように頷いていた。
「そ、そうなのね‥‥‥」
クロ主任、絶対ばかにされてるのねー。
そう思ったが、口には出さないねこさんだった‥‥‥。
1
お気に入りに追加
50
あなたにおすすめの小説
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる