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「絶対にあの女の化けの皮を、瞳の目の前で剥がしてやる!」
夜中、突然柊哉の元に赴いた慧の剣幕に、柊哉はうんざりとした表情で慧を迎えた。
明日、休日と知っての訪問。
それも瞳の事が絡んでいると気付いた柊哉は、慧の怒りが鎮まるまで付き合わされる事にほとほと困り果てていた。
「夜中に来て何を言うとしたら。
いい加減、お前、鬱陶しいぞ、慧……」
半分厭味を含んだ柊哉の言葉に、慧は絶対零度の微笑を浮かべる。
相当、美夜に対して怒り心頭だ。
「穢れを知らない瞳を誑かして、まだ学生の身であるにも関わらず働かせ。
自分はのうのうと暮らしているとは、さすがあばずれ女の娘だ。
根性が座っている……」
「……」
「瞳をあの女から引き離すために、手段なんか選べない!」
壮絶な笑みを浮かべながら語る言葉に、柊哉は既に言葉すら掛ける気力が無い。
勝手に言ってくれと心の中で壮大なる溜息を付いていた。
「頼むから犯罪紛いな事だけは勘弁してくれよ」
「……、来月、瞳は16歳になるんだな」
ぼそりと呟く言葉に、不穏な匂いを感じる。
慧の目が血走っているのが窺える。
「おい、慧……」
「こうなれば強引に関係を結ぶまでだ。
自分の妻になる女性を保護するための手段だ。
手折って何が悪い……」
ふふふと地響きがしそうな程の低い笑い声に、柊哉は心の中でこいつには関わりたくない、と心底思っていた。
普段の慧はこんなに何かに執着する性格ではない。
何時も柔らかい笑みを湛え、穏やかな。
誰構わず微笑みを掛けるなんて自分には至難の業だ。
考えるだけで、疲れる。
無駄な労力だと……。
自分とは正反対な慧。
まあ、余り他人に対して感情的にはならないのは互いに共通するが。
(そういえば、叔母の比沙子が絡むと慧は異常に反応するな……)
今は瞳に集中しているが、根本は比沙子だと母親の言葉で妙に納得した。
これで恋愛感情云々はさて置いといて、だ。
「俺に絡むのはやめてくれ。
明日は久々の休みなんだ。
貴重な時間をお前の愚痴ごときに潰されたくない」
深い溜息を付きながら寝室に向かおうとする柊哉に、慧は冷ややかな目で見つめた。
「たった一人の幼馴染が、親友が傷ついているのに、お前は。
本当に冷血人間だな。
全く、これが親友の言葉か、嘆かわしい……」
「傷ついている?
お前がか?
勝手に感情に走っているだけだろう。
少し冷静になれ、お前らしくもない」
「……、感情に走りたくもなるさ。
お前には解らないだろうな、きっと」
一瞬、呟くように囁いた言葉が柊哉の耳を掠めたが、強い睡魔に朧気にしか聞こえない。
「頼む、寝かせてくれ」と言いながら寝室に向かう柊哉に向ける笑み。
その笑みが寂しさを含んでいた事を柊哉は知らない。
「一人で飲まさせて貰う」と言う慧に柊哉は手を振りながら返事をし寝室へと向かった。
「瞳……」
初めて直に触れた瞳を慧は思い出していた。
比沙子に良く似た容貌、なのに性格は全然違っていた。
ふと、触れると儚げなのに、なのに性格は自分の意思を強く持った少女であった。
言っている言葉の意味は正しかった。
自分の感情に負けてつい、柊哉には美夜の事を悪く言ったが。
嫉妬に己の感情が覆われている。
もう限界だと思った。
瞳が欲しい。
この心の渇望を瞳を得ることで拭いたい。
ずっと側にいて欲しい……。
自分の存在が全ての引き金になった。
比沙子の不幸も、瞳の不幸も、そして母を、父を狂わせたのも。
柊哉も、その両親も、誰も知らない。
自分の両親が既に何年も前から仮面夫婦だと言う事を。
情熱に負けて結ばれた父親と母親。
それが母親の計算だった事を誰が信じよう?
あの虫をも殺さぬ清楚な様を。
柊哉の母親すら欺いている久美子の本性。
そして父である櫂も、同じく、だ。
比沙子が死んでから狂ってしまった家庭。
いや、既に崩壊していた。
何時から父親は家庭に戻らなくなった?
何かあるに連れて、愛人の下に通うことになった?
母が何時から恋人を作っていた?
そ知らぬ顔で微笑みながら、情事を重ねる父と母。
そんな両親に吐きそうになる程の嫌悪を募らせて、家を出たのは大学に進学した時。
自立を理由に慧は家を出た。
関わりたくないと思った。
比沙子の犠牲で得た家庭は、真実の愛で言う言葉で成り立っていたのではない。
母親の緻密な罠に我を忘れた馬鹿な男が囚われただけ。
その馬鹿な男の心代わりに、本当に愛していた比沙子を永遠に失った……。
気付くのが遅かったと、比沙子が亡くなっていた時に、一人涙を流していた父親を思い出す。
そしてそれを見つめる能面の様な表情の母親。
これが真実。
情熱に負けて二人を許した慧の両親は、今では誰もが羨む夫婦の見本と言われている。
現実がこれだ。
これが慧の両親の実態。
「僕はそんな風にはならない……。
ただ一人、瞳だけを愛する。
僕は父親とは違う。
真実の愛に目を曇らせる事なんて決して、無い。
だから瞳、僕だけを愛して。
僕は決して君を裏切らないから……」
哀しい笑みが自然と慧の口元に浮かぶ。
瞳の零れんばかりの笑みを思い出しながら、慧はゆっくりとグラスを口に運んだ。
夜中、突然柊哉の元に赴いた慧の剣幕に、柊哉はうんざりとした表情で慧を迎えた。
明日、休日と知っての訪問。
それも瞳の事が絡んでいると気付いた柊哉は、慧の怒りが鎮まるまで付き合わされる事にほとほと困り果てていた。
「夜中に来て何を言うとしたら。
いい加減、お前、鬱陶しいぞ、慧……」
半分厭味を含んだ柊哉の言葉に、慧は絶対零度の微笑を浮かべる。
相当、美夜に対して怒り心頭だ。
「穢れを知らない瞳を誑かして、まだ学生の身であるにも関わらず働かせ。
自分はのうのうと暮らしているとは、さすがあばずれ女の娘だ。
根性が座っている……」
「……」
「瞳をあの女から引き離すために、手段なんか選べない!」
壮絶な笑みを浮かべながら語る言葉に、柊哉は既に言葉すら掛ける気力が無い。
勝手に言ってくれと心の中で壮大なる溜息を付いていた。
「頼むから犯罪紛いな事だけは勘弁してくれよ」
「……、来月、瞳は16歳になるんだな」
ぼそりと呟く言葉に、不穏な匂いを感じる。
慧の目が血走っているのが窺える。
「おい、慧……」
「こうなれば強引に関係を結ぶまでだ。
自分の妻になる女性を保護するための手段だ。
手折って何が悪い……」
ふふふと地響きがしそうな程の低い笑い声に、柊哉は心の中でこいつには関わりたくない、と心底思っていた。
普段の慧はこんなに何かに執着する性格ではない。
何時も柔らかい笑みを湛え、穏やかな。
誰構わず微笑みを掛けるなんて自分には至難の業だ。
考えるだけで、疲れる。
無駄な労力だと……。
自分とは正反対な慧。
まあ、余り他人に対して感情的にはならないのは互いに共通するが。
(そういえば、叔母の比沙子が絡むと慧は異常に反応するな……)
今は瞳に集中しているが、根本は比沙子だと母親の言葉で妙に納得した。
これで恋愛感情云々はさて置いといて、だ。
「俺に絡むのはやめてくれ。
明日は久々の休みなんだ。
貴重な時間をお前の愚痴ごときに潰されたくない」
深い溜息を付きながら寝室に向かおうとする柊哉に、慧は冷ややかな目で見つめた。
「たった一人の幼馴染が、親友が傷ついているのに、お前は。
本当に冷血人間だな。
全く、これが親友の言葉か、嘆かわしい……」
「傷ついている?
お前がか?
勝手に感情に走っているだけだろう。
少し冷静になれ、お前らしくもない」
「……、感情に走りたくもなるさ。
お前には解らないだろうな、きっと」
一瞬、呟くように囁いた言葉が柊哉の耳を掠めたが、強い睡魔に朧気にしか聞こえない。
「頼む、寝かせてくれ」と言いながら寝室に向かう柊哉に向ける笑み。
その笑みが寂しさを含んでいた事を柊哉は知らない。
「一人で飲まさせて貰う」と言う慧に柊哉は手を振りながら返事をし寝室へと向かった。
「瞳……」
初めて直に触れた瞳を慧は思い出していた。
比沙子に良く似た容貌、なのに性格は全然違っていた。
ふと、触れると儚げなのに、なのに性格は自分の意思を強く持った少女であった。
言っている言葉の意味は正しかった。
自分の感情に負けてつい、柊哉には美夜の事を悪く言ったが。
嫉妬に己の感情が覆われている。
もう限界だと思った。
瞳が欲しい。
この心の渇望を瞳を得ることで拭いたい。
ずっと側にいて欲しい……。
自分の存在が全ての引き金になった。
比沙子の不幸も、瞳の不幸も、そして母を、父を狂わせたのも。
柊哉も、その両親も、誰も知らない。
自分の両親が既に何年も前から仮面夫婦だと言う事を。
情熱に負けて結ばれた父親と母親。
それが母親の計算だった事を誰が信じよう?
あの虫をも殺さぬ清楚な様を。
柊哉の母親すら欺いている久美子の本性。
そして父である櫂も、同じく、だ。
比沙子が死んでから狂ってしまった家庭。
いや、既に崩壊していた。
何時から父親は家庭に戻らなくなった?
何かあるに連れて、愛人の下に通うことになった?
母が何時から恋人を作っていた?
そ知らぬ顔で微笑みながら、情事を重ねる父と母。
そんな両親に吐きそうになる程の嫌悪を募らせて、家を出たのは大学に進学した時。
自立を理由に慧は家を出た。
関わりたくないと思った。
比沙子の犠牲で得た家庭は、真実の愛で言う言葉で成り立っていたのではない。
母親の緻密な罠に我を忘れた馬鹿な男が囚われただけ。
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気付くのが遅かったと、比沙子が亡くなっていた時に、一人涙を流していた父親を思い出す。
そしてそれを見つめる能面の様な表情の母親。
これが真実。
情熱に負けて二人を許した慧の両親は、今では誰もが羨む夫婦の見本と言われている。
現実がこれだ。
これが慧の両親の実態。
「僕はそんな風にはならない……。
ただ一人、瞳だけを愛する。
僕は父親とは違う。
真実の愛に目を曇らせる事なんて決して、無い。
だから瞳、僕だけを愛して。
僕は決して君を裏切らないから……」
哀しい笑みが自然と慧の口元に浮かぶ。
瞳の零れんばかりの笑みを思い出しながら、慧はゆっくりとグラスを口に運んだ。
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