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○僕とおうちたんけん

◆69

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『それでは、そろそろお部屋に戻りましょう』

「ふぇっ!?」



 ぴょん太が無情にも言いました。

 僕、まだお外堪能してないですよ?

お月さま達とお星さま達に感謝の気持ちしか伝えてないです。

お空しかちゃんと見てなかったので、お庭とか森とか全然見れてません。

 僕はもっと森をよく見ようと、テラスの端っこまでタタタッと走りました。



『あっ! 駄目ですよ! 危ないです!』



 むっ。

危なくないです。

僕は良い子なので、そういう事はちゃーんと分かっているのですよ!

えっへん!



 ぴょん太の声を後ろに聞きながら、端っこまでたどり着きました!

僕の走るスピードは日々上がってますね!うむうむ。

重畳、重畳。

そのうち風になるかもしれません。

むっふー!



『ああっ! ドヤ顔も可愛らしいぃ……』



 ぴょん太が何か言ってますが、お声が小さくて聞き取れません。

でも今はそんな事より、お外です、お外!

早く堪能しなくてはっ!



「ふぇぇっ!?」



 な、なんて事でしょう……っ!

お外が見えませんっ!テラスの壁が邪魔をして、全く見えないのです……。

僕がもう少し大きかったら見えていたのに……。残念です……。



『しょんぼりしているユーリ様もお可愛いらしい……』



 ぴょん太も僕と同じくらいだからお外は見えないのに、しょぼんの気持ちが分からないのですね……。

可愛い可愛いうさぎさんだからお外が好きだと思っていたのに、ぴょん太は違うのでしょうか?

それともうさぎさんだからぴょーんっ!と、こんな壁越えちゃうんでしょうか?

 ぴょーん?ぴょーんっ!?

 そうです、そうです!僕もぴょーんっ!てしたらいいのです!

華麗にジャンプして、お外を見たらいいのです!

うさぎさんのぴょん太程高く跳べないかもしれませんが、それでもお外は見えるはずです。

 本当は、じーっとゆっくり堪能したいところですが、お時間が無いようなので仕方ありません。

さささっと確認したら、お部屋に戻りましょう。



 ぴょーん!



 ぴょーーん!



 ぴょーーーん!!



 なかなか高い壁ですね。

 ぴょん太のジャンプには劣るかもしれませんが、それでも高いと定評のある僕のジョンプ力をもってしても、お外が全く見えません。

 困りました……。
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