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特別編 「ウルフ一郎が主役!真莉亜と会う1か月前に起きた話!」

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ーそれは、ウルフ一郎が真莉亜と会う1か月前に起きた出来事。ー
好き、嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い、好き……!ん?あ……。
……嫌い。
ちっくしょ~!なんなんだよ!この花占い!
全然、「好き」が出ねぇじゃねぇか!
俺様と真莉亜ちゅわんの恋は、一体、どうなるのやら。

「兄貴ぃ~!」

ん?誰か、俺様を呼んだよな?
後ろを振り返ると……。

「ウルフ次郎!」

「なにやってるんッスか~?」

「ちょっとした散歩だよぉ~。」

「ったく、兄貴は散歩が好きなんだから。」

えへへへへ。ごめん、ごめん。
ところで、なんの用だ?

「母ちゃんが呼んでますよ。」

あっ、今行く~!


 
                                   ☆


好き、嫌い、好き、嫌い、あ!好き~……嫌い。がくっ。
つ~!なんで結果が、こんなんなんだよぉ~!

「よっ、ウルフ一郎。なにやってんだ?」

その声は……。

「ウル男さん!ウル次さん、ウル蔵さん!」

わぁ~。久しぶりですぅ~。

「元気にしてたか?」

はい!してました!
この三人は、俺様達兄弟があこがれている、オオカミ三兄弟なんだ。
ま、オオカミ三兄弟っていっても、この人達は、元祖オオカミ三兄弟だけど。
長男のウル男さんは、右目に傷があって、目は俺様と同じ、夜行性の目をしてる。
この人、しっかり者で、俺様達三兄弟に、優しく接するんだ。
次男のウル次さんは、右ほっぺにばんそうこうをつけているオオカミさん。
器用で、ウル次さんが作る料理は、いっつもおいしいんだ。
最後は末っ子のウル蔵さん。
めがねをかけていて、高校時代は成績優秀!

「花占いをするなんて、めずらしいなぁ~。」

「好きな子でもできたのか?」

あ……はい!人間の女の子ですっ!
とってもかわいくて、俺様のアイドル的存在どぅえ~す♡

「お前、おかしくなったな。」

「けど、花占いしても、全然、当たらないんです。」

「だろーな。」

「花占いはそーゆーもんだ。」

「好き、嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い……。」

「って、またやってるし!」

「花、何本持ってるんだよ。」

「……嫌い。まただぁ~!」

俺様は、頭をかかえた。

「アハハハハ。応援してるぜ、ウルフ一郎!」

アハッ、ありがとうございます!ウル男さん!

「ところでウルフ一郎。」

なんですか?ウル男さん。

「最近、どうした。やんちゃなこと、してねぇじゃねぇか。」

そ、それはですね、訳があって……。

「なぁ俺様達とまた、悪さをしよう。ウルフ次郎とウルフ三郎をさそってさぁ。」

そ、それはできませんっ!

「なんだと?」

ウル男さんが、俺様を見て、にらんだ。

「もう、悪さをしないと誓ったんです。じゃ、また明日!」

俺様は三人に手を振って、走って帰った。

「ちっ、裏切り者め。」


                                ☆


「えっ?ウル男さん達と、会ったんッスか?」

あぁ。

「会いたかったなぁ~。」

「ウル男さん達、なんて言ってましたか?」

元気にしてたか?とか。

「他は他は?」

二人がキラキラした目で、顔を近づけた。

「……また、悪さをしようぜって。」

「えっ……。」

「それで兄貴、どうしたんですか?」

「断った。」

「ですよねぇ~。」

「悪さは俺様達には、似合わないもんねぇ~。」

あぁ。

「さ、昼飯にしよう。」

「今日はなんッスか?」

「チャーハンだ。」

「やったぁ~!」


                                  ☆


カチッ。

「ふー。」

いい天気だなぁ。
ん?なんでみんな、俺様をいやな目で見てるんだろ。
ちょっと、気になるなぁ。
お!あれはこぶたちゃん達じゃねぇか!
声、かけてみよーっと!

「おーい、こぶたちゃん達~!」

ところが、こぶたちゃん達は、俺様を見て、スッと逃げた。
おい、どうしたんだよ。俺様達、友達じゃねぇか……。

「近づくなっ!」

え……。
どうしてだ!
俺様、なにも悪いこと、やってないのに!

「これを見るだ!」

ブタ一郎が、俺様に紙を見せた。
ん!?なんだこれ!
俺様は、その紙を、パッと取った。
う……うそだろ……。

『こぶたちゃんたちの、ぶあか!!ばーい うるふいちろー』

俺様、こんなこと、書いてない!

「うそつけ!」

「あきらかに、お前の字だ!」

ほんとだってばぁ!信じてよぉ!

「おい!ウルフ一郎!」

振り返ると、子供が泣いていて、その子供のお父さんが怒っていた。

「てめぇ、うちの子をいじめたなぁ!」

い、いじめてないって!

「ウルフ一郎!」

今度はコーヒー屋さん。

「お前、うちのコーヒーに、マスタードを入れたなぁ!」

い、入れてないって!

「ウルフ一郎!」

今度は花屋さん。

「あんた、うちの花の花びらを取ったね!最近、花占いにハマってるって聞いてるけど。」

俺様、そんなの、してない!
俺様は、パッと逃げた。

「あぁ~!まてーっ!」

ひぃぃぃぃぃ!追いかけられてるよぉ~!
あ!あそこに隠れよう!
俺様は、左に曲がって、壁に隠れた。

「見つかったか!」

「いいえ、全然!」

「ったく、どこにいるんだろ。」

「見つけたら、ただじゃおかないから!」

街の人々は、ぶつぶつ言いながら、向こうへ行った。
ふぅ、危なかったぁ~。
カチッ。
ふー。
ったく、誰なんだよ!俺様をハメてるの!


                              ☆
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