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第五十九話 「真莉亜VS未来の真莉亜?」

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「ガブ!ガブ!ガブ!」
 
「ん~!このオムライス、サイコー!」
 
「あ!バカ王子!俺様のからあげ、たくさん取るんじゃないぞ!」
 
「うっさい!バカオオカミ!」
 
「んだとぉ?」
 
「けんかはやめてください、二人とも。まだあるから。」
 
未来の私が、からあげを乗せた皿をドーンと、テーブルの上に置いた。
 
「うお!サンキュー!」
 
ごめんね、さわがしくって。
 
「いいの。さわがしいのは、あんまり変わってないねっ。」
 
未来の私がにっこりと笑って言った。
 
「おかわり!」
 
「はいはい。」
 
「はい、あーん。」
 
「あーん。」
 
ネルさんはからあげを、ぱくっと食べた。
 
「どうだ?」
 
「ん~、まぁまぁ。」
 
「悪かったね!まぁまぁで!ところで、過去の私に質問なんだけど・・・・・・。」
 
なに?
 
「なんで未来にやって来たの?」
 
あ・・・・・・。
 
「ねぇ、教えて。早く。」
 
・・・・・・わかった。
私は未来の私に、道華のことを全部話した。
 
「え・・・・・・道華が?ヴァンパイア界に?」
 
うん。
 
「・・・・・・そう。」
 
どうしたの?
すると、未来の私が、元気がない表情で、スッと立ち上がった。
 
「・・・・・・いいのよ、これで。もう、あの人はもう、私の旦那さんじゃないから。」
 
それって、どういうこと!?
 
「見せたいものがあるの。」
 
見せたいもの?
私が首をかしげると、未来の私は歩き始め、それからしばらくして、なにかを持って来た。
 
「これよ。」
 
未来の私が、テーブルの上になにかを置いた。
ん?これって、まさか・・・・・・。
 
「そう、離婚届よ。」
 
「えぇ~!?」
 
ジュンブライトが、離婚届をパッと取った。
 
「ほんとだ!ここに離婚届って書いてある!」
 
「しかもサインまで書いてある!」
 
「真莉亜ちゃん、本当に、離婚するの?」
 
「えぇ。」
 
未来の私は、こくりとうなずいた。
 
「今から市役所へ届けに行くの。彼ももう知っている。」
 
そうなんだ・・・・・・。
 
「もう、決めたことだから、別にいいの。」
 
「じゃあ、道華は誰が引き取るの?」
 
「もちろん、ジュンブライトよ。道華なら、きっと、立派な王女様になれるわ。」
 
バカなこと、言わないで!
 
「えっ?」
 
私は未来の私を前にたおし、両手をぎゅっとにぎった。
 
「キャッ!ちょっと、なにすんのよ!」
 
「真莉亜!やめろ!」
 
「道華はね、あんたとジュンブライトにもう一度、仲良くさせたいと思って、過去(タイムスリップ)して来たの!あのね、道華はね、三人で暮らした方が、一番しあわせなんだよ!?それをわからないで離婚届を出すなんて、バッカみたい!出すならもう一度、二人で考えて出せっつ―の!」
 
「道華が・・・・・・私のために?」
 
そう!
 
「ゔ・・・・・・ゔぅ。」
 
未来の私が、顔を両手でおおいながら、泣き始めた。
 
「そうだね・・・・・・私がバカだったよ。もう一度、考えてみるわ。」
 
「じゃあ、一緒にヴァンパイア界に行く?」
 
「えっ?」
 
「そうだ。もう一度、主人と話してみな。」
 
「・・・・・・わかった。それじゃあ、一緒に行きましょうか。」
 
やったぁ~!
 
「では、皆様、準備はよろしいですか?」
 
「はいっ!」 「おう!」 「えぇ!」 「うん!」
 
私達がうなずくと、鏡がピカ―と光り出した。
そして、私達は鏡の中に入った。
道華、まっててね!
もう少しだから!
 
 
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