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第五十三話 「ウルフ一郎さんの里帰り」

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う、う~ん。
あ、あれっ?いつの間に、おとぎの国に着いちゃってるぅ~!
なつかしいなぁ。外国みたいな街並み。
動物さん達もいっぱいいるし、小人さん達もいるし、本当に、なつかしい光景。
ドッ!
キャッ!
私は誰かにぶつかった。
 
「大丈夫かい?」
 
「はい・・・・・・すみません。」
 
私は、熊さんの手をにぎって、立ち上がった。
 
「ありがとうございま―す。」
 
「おい!真莉亜!」
 
あ、ジュンブライト!
 
「ったく、調子に乗りやがって!手、つないでろっ。」
 
え~?子供じゃないしぃ・・・・・・。
 
「あまりのなつかしさで、興奮するにもほどがある!」
 
そ、そんなぁ~。
 
「まぁ、いいじゃないか、天パヤロー。だって、何カ月ぶりに、おとぎの国に来たんだもん。ね―、真莉亜ちゃん♡」
 
わかってくれるのは、ウルフ一郎さん、あなただけです。
 
「♪タラッタンタンタンタラッタンタンタンタッタッタラララーンチャッ、チャッ、チャーン♪」
 
まだはしゃいでるよ、あの人。
もう、迷子になっても、知らないよ。
 
「かわいいなぁ。はしゃいでるネル。」
 
ウルフ一郎さんが、ほほえんでる・・・・・・。
 
「なぁ、ミッキーマウスはいねぇか?」
 
「いねぇ―よ。」
 
「ねぇお母さん、お腹空いた―。」
 
え~?さっき、朝ご飯を食べたばっかりでしょ?
 
「お腹空いたって言ったら、空いたの!」
 
ゔぅ。わがままパワーにも、ほどがある。
 
「じゃあ、近くのジェラードのお店に行こうか。」
 
「ジェラード!?」
 
子供達は、目をキラーンと輝かせた。
 
「あぁ。とってもおいしいぞぉ~。」
 
「じゃあ、ジェラードを食べ終わったら、行きましょうか。」
 
はいっ!
 
                                 ☆
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