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第五十二話 「ヴァンパイアキャット三人組が、さらわれた!?」
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「すみませーん。この三つのぬいぐるみ、見かけませんでした?」
「いや、見てません。」
そうですか・・・・・・。
「ったく、ジュンブライト!あなたが描いたこの絵、ちゃんと通じてないじゃな―い!」
実は、リリアさんとギロさんとネルさんを見つけるために、ジュンブライトが三人の絵を描いたんです。
そしたら結果、見事に雑な絵を描けました。
全く、こんなの、ジュンブライトにまかせたらだめだよ、本当に。
「仕方ねぇだろ?文句を言うな、文句を!」
「あのね、こ―んな雑な絵を見せたらね、他の人がなんだろう?って、困るの!わかる?この、不器用王子め!」
「なんだとぉ!?この、バカ中学生め!」
よくも言ってくれたね!この、おっさん王子め!
「んだとぉ?」
「二人とも、けんかはやめなさい。」
紅葉、ごめん。
「今はこの3人を探すのが目的だよ。」
「・・・・・・。」
ウルフ一郎さん、どうしたんですか?ネルさんの絵なんか見つめて。
「あ、いや、なんでもないっ。とにかく、あいつ、無事に見つかるといいなぁと思って。」
ふーん。
「リリア、見つかるでしょうか。」
「大丈夫だよ、マドレーヌおばちゃんっ。」
「リリアは絶っ対、見つかる!」
「そう信じよう!」
「はい!」
マドレーヌちゃんは、笑顔でうなずいた。
あれっ?あの大きなピンクのリボンをつけているのは、くるみちゃん?
アハハハハハ。笑顔で犬のぬいぐるみを3つだいてるね。
買ってもらったのかな~?お父さんに。
・・・・・・犬のぬいぐるみ・・・・・・。
「さぁ、ペペ、ピギー、リカちゃん。菜の花広場で、なにして遊びましょうか。」
いた―っ!
「え~!?」
「くるみちゃ―ん!」
私達は、くるみちゃんのところまで駆けつけた。
「ん?」
あぁ。リリアさんと、ギロさんと、ネルさんは無事だぁ~。
「リッ、リリア・・・・・・。」
「だめだよ!あいつらは今、人形のふりをしているから!」
本当だ。三人とも、ぬいぐるみのふりをしている。
三人とも、いい演技です。
「ところで、なんなの?お姉ちゃん達。」
そのぬいぐるみを返して、くるみちゃん。
「え~?いやだぁ!」
え~?
「ペペとピギーとリカちゃんは、誰にも渡さなーい!」
ペペと、ピギーと、リカちゃん~?
「ぷっ。リリア達、変な名前、付けられてやがる!」
こら、ジュンブライト!笑わないの!
「その人形、大切な物なの。」
「えっ!?」
よし、いいぞ、アキちゃん!
「だから、返してくれる?」
ところが、くるみちゃんは、顔を横に向いちゃって。
「いやだと言ったら、いやだぁ!」
そ、そんなぁ~。
「もう、がまんできませんっ!」
マドレーヌちゃんが、全力疾走で走り出した。
マドレーヌちゃん!?
「私のぬいぐるみ、返して!」
マドレーヌちゃんが、くるみちゃんにおそいかかってきた。
「わっ!円花先輩、いきなりなにするんですか!」
「とても大切なものなのぉ!」
「ちょっ・・・・・・離してくださ~い!」
「いやだぁ~!」
うわぁ。取り合いになったよぉ。
「やめろ。」
ウルフ一郎さんが、二人を止めた。
「あ、モカ。」
「モカじゃねぇって、言ってんだろ!円花!今日はあきらめろ!」
「で、でもぉ・・・・・・。」
すると、ウルフ一郎さんが、マドレーヌちゃんの耳に耳打ちをした。
「あとで作戦、考えるから。」
「わ、わかりました・・・・・・。」
マドレーヌちゃんは、顔を下に向いて、しょぼしょぼ歩き始めた。
「全く、じゃまする者だからぁ!さ、行きましょ。」
あぁ、三人が行ってしまうよぉ。
「ほっとけ。今はどーにも、救えそうにないから。」
ジュンブライト・・・・・・。
う、うん。そうだね。そうしよう。
☆
夜。私達は満月荘に戻り、作戦を考えた。
「まず、この2階の窓から、3人を救出する。」
あのう、ところでぇ、助けるのはいつなんですか?
「今でしょ!」
えぇ~!?そんなの、無理~!だって、夜中でしょ?絶対無理~!
「じゃあ真莉亜だけ、行かないわねっ。」
「あとでネルにきられても、知らないわよ?」
あ―!やっぱり行きまーす!
「よろしい。」
えっ?じゃあ、残りの11人は、なにをやるんですか?
「・・・・・・庭でまっといて。」
わかりました。
「で、リリアはマドレーヌちゃんが助けに行って、あたしはギロを助けに行く。そして、ネルはジュンブライトでいいかい?」
「おう。」
「ちょっとまってくれ。」
ウルフ一郎さんが、手を挙げた。
「なんだよ、オオカミヤロー。」
「ネルは、俺様が助けに行く。」
「えっ!?」
「そんな!自分勝手なことを!」
「自分勝手じゃねぇ。・・・・・・全ては、ネルのためだ。」
「出た。いつもの口ぐせ。」
ジュンブライト、いつもの口ぐせって、なに?
「あいつ、ネルのことになれば、あーゆう風に、そう言うんだよ、最近。」
へぇ―。怪しいです。
「わかったよ。好きにしな。」
「サンキュー。」
「じゃあ、作戦を実行するよ。」
「オー!」
私達は、拳をいっせいに挙げた。
☆
「いや、見てません。」
そうですか・・・・・・。
「ったく、ジュンブライト!あなたが描いたこの絵、ちゃんと通じてないじゃな―い!」
実は、リリアさんとギロさんとネルさんを見つけるために、ジュンブライトが三人の絵を描いたんです。
そしたら結果、見事に雑な絵を描けました。
全く、こんなの、ジュンブライトにまかせたらだめだよ、本当に。
「仕方ねぇだろ?文句を言うな、文句を!」
「あのね、こ―んな雑な絵を見せたらね、他の人がなんだろう?って、困るの!わかる?この、不器用王子め!」
「なんだとぉ!?この、バカ中学生め!」
よくも言ってくれたね!この、おっさん王子め!
「んだとぉ?」
「二人とも、けんかはやめなさい。」
紅葉、ごめん。
「今はこの3人を探すのが目的だよ。」
「・・・・・・。」
ウルフ一郎さん、どうしたんですか?ネルさんの絵なんか見つめて。
「あ、いや、なんでもないっ。とにかく、あいつ、無事に見つかるといいなぁと思って。」
ふーん。
「リリア、見つかるでしょうか。」
「大丈夫だよ、マドレーヌおばちゃんっ。」
「リリアは絶っ対、見つかる!」
「そう信じよう!」
「はい!」
マドレーヌちゃんは、笑顔でうなずいた。
あれっ?あの大きなピンクのリボンをつけているのは、くるみちゃん?
アハハハハハ。笑顔で犬のぬいぐるみを3つだいてるね。
買ってもらったのかな~?お父さんに。
・・・・・・犬のぬいぐるみ・・・・・・。
「さぁ、ペペ、ピギー、リカちゃん。菜の花広場で、なにして遊びましょうか。」
いた―っ!
「え~!?」
「くるみちゃ―ん!」
私達は、くるみちゃんのところまで駆けつけた。
「ん?」
あぁ。リリアさんと、ギロさんと、ネルさんは無事だぁ~。
「リッ、リリア・・・・・・。」
「だめだよ!あいつらは今、人形のふりをしているから!」
本当だ。三人とも、ぬいぐるみのふりをしている。
三人とも、いい演技です。
「ところで、なんなの?お姉ちゃん達。」
そのぬいぐるみを返して、くるみちゃん。
「え~?いやだぁ!」
え~?
「ペペとピギーとリカちゃんは、誰にも渡さなーい!」
ペペと、ピギーと、リカちゃん~?
「ぷっ。リリア達、変な名前、付けられてやがる!」
こら、ジュンブライト!笑わないの!
「その人形、大切な物なの。」
「えっ!?」
よし、いいぞ、アキちゃん!
「だから、返してくれる?」
ところが、くるみちゃんは、顔を横に向いちゃって。
「いやだと言ったら、いやだぁ!」
そ、そんなぁ~。
「もう、がまんできませんっ!」
マドレーヌちゃんが、全力疾走で走り出した。
マドレーヌちゃん!?
「私のぬいぐるみ、返して!」
マドレーヌちゃんが、くるみちゃんにおそいかかってきた。
「わっ!円花先輩、いきなりなにするんですか!」
「とても大切なものなのぉ!」
「ちょっ・・・・・・離してくださ~い!」
「いやだぁ~!」
うわぁ。取り合いになったよぉ。
「やめろ。」
ウルフ一郎さんが、二人を止めた。
「あ、モカ。」
「モカじゃねぇって、言ってんだろ!円花!今日はあきらめろ!」
「で、でもぉ・・・・・・。」
すると、ウルフ一郎さんが、マドレーヌちゃんの耳に耳打ちをした。
「あとで作戦、考えるから。」
「わ、わかりました・・・・・・。」
マドレーヌちゃんは、顔を下に向いて、しょぼしょぼ歩き始めた。
「全く、じゃまする者だからぁ!さ、行きましょ。」
あぁ、三人が行ってしまうよぉ。
「ほっとけ。今はどーにも、救えそうにないから。」
ジュンブライト・・・・・・。
う、うん。そうだね。そうしよう。
☆
夜。私達は満月荘に戻り、作戦を考えた。
「まず、この2階の窓から、3人を救出する。」
あのう、ところでぇ、助けるのはいつなんですか?
「今でしょ!」
えぇ~!?そんなの、無理~!だって、夜中でしょ?絶対無理~!
「じゃあ真莉亜だけ、行かないわねっ。」
「あとでネルにきられても、知らないわよ?」
あ―!やっぱり行きまーす!
「よろしい。」
えっ?じゃあ、残りの11人は、なにをやるんですか?
「・・・・・・庭でまっといて。」
わかりました。
「で、リリアはマドレーヌちゃんが助けに行って、あたしはギロを助けに行く。そして、ネルはジュンブライトでいいかい?」
「おう。」
「ちょっとまってくれ。」
ウルフ一郎さんが、手を挙げた。
「なんだよ、オオカミヤロー。」
「ネルは、俺様が助けに行く。」
「えっ!?」
「そんな!自分勝手なことを!」
「自分勝手じゃねぇ。・・・・・・全ては、ネルのためだ。」
「出た。いつもの口ぐせ。」
ジュンブライト、いつもの口ぐせって、なに?
「あいつ、ネルのことになれば、あーゆう風に、そう言うんだよ、最近。」
へぇ―。怪しいです。
「わかったよ。好きにしな。」
「サンキュー。」
「じゃあ、作戦を実行するよ。」
「オー!」
私達は、拳をいっせいに挙げた。
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