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第五十一話 「ウルフ一郎さんとサングラスの秘密」

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へぇー。そういう意味で、サングラスを大切にしているんですね。
 
「あぁ。」
 
ウルフ一郎さんは、天井を見上げた。
 
「父ちゃん、ちゃんと見守ってくれてるかなぁ?俺様のこと。」
 
見守ってますよ、きっと。
 
「だよねー♡君の言う通り、見守ってるよねぇ~♡」
 
真剣な話をしていたくせに、急にキャラが変わるなんて。
 
「気持ち悪い。」
 
「んだとオラァ!」
 
「あんだとオラァ!」
 
「二人とも!けんかはやめてください!」
 
「おめぇに気持ち悪りぃって、言われたくねぇ―よ!」
 
「だまれ、クソオオカミがぁ!」
 
「んだとぉ?クソ天パがぁ!」
 
「あ―もう!やめてよお父さ―ん!」
 
「ウルフ一郎もぉ~!」
 
「いいか!真莉亜は、俺の女だ!」
 
「んだとぉ!?俺様の女だ!」
 
「ったく、うるさいねぇ、昼間っからぁ!」
 
ガラッ。
 
「お邪魔する。」
 
その声は・・・・・・。
 
「ネルさん!」
 
私が言うと、二人はけんかをやめた。
 
「一週間ぶりですねっ。」
 
「やっかましい。クソ女。」
 
むかむか!
 
「ってめぇ~!クソ剣士女!よくも真莉亜ちゃんに悪口が言えたなぁ~!この、胸Dカップが!」
 
「・・・・・・!」
 
ネルさんの顔が真っ赤になった。
そして、みんなは「えっ!?」と、ネルさんの方を振り返った。
 
「ネル、お前、Dなのか!?」
 
「クスクス。Dだって。」
 
「・・・・・・こんのぉ~!」
 
ネルさんは、ウルフ一郎さんに、寝技をした。
 
「うわぁ!」
 
ドッシーン!
 
「はぁ、はぁ。貴っ様ぁ!人前で、女の胸のサイズを明かすなっ!ったく、よりによって、あのジュンブライト様の前で・・・・・・。」
 
「す、すみません。」
 
「あ。靴箱に、こんなのがあったぞ。」
 
「え?」
 
ネルさんが、ポケットから取り出したのは・・・・・・。
あ!ウルフ一郎さんのサングラス!
 
「俺様のサングラスだぁ~!」
 
ウルフ一郎さんは、ネルさんのところに走って行って、サングラスを取って、かけた。
 
「よかったですね、ウルフ一郎さん。」
 
「うん!」
 
ウルフ一郎さんは、笑顔でうなずいた。
だって、大切なものが見つかったんだもん。
 
「よかったな、オオカミヤロー。」
 
「もう二度と、なくすなよ。」
 
「おう!あと、サンキューな、ネル。見つけてくれて。」
 
ウルフ一郎さんが、ネルさんに向かって、ニッと笑うと、ネルさんの顔がまた真っ赤になって、顔を横に向けた。
 
「べ、別に!礼は・・・・・・。」
 
「いらん。」
 
(・・・・・・!また言われた―っ!)
 
ところで、なんで靴箱にあったんだろ。
 
「さぁ~。」
 
「きっと、誰かが入れたんじゃない?」
 
「そうだね。」
 
あれ?アキちゃんが、抜き足差し足忍び足で、外に出ようとしているぞぉ。
・・・・・・な―んか、怪しいなぁ。
 
「アキ~、どうしたのぉ~?」
 
「なにかあったの?」
 
「ぎくぅ!」
 
ぎくぅ?
 
「あ―!お前、まさか俺様のサングラスを、靴箱に隠したなぁ~!」
 
「ひっ!す、すみませ~ん!」
 
アキちゃんは、ぱっと逃げた。
 
「ゆるさん!まてぇ~!」
 
ウルフ一郎さんは、アキちゃんを追いかけた。
 
「ご、ごめんなさ~い!」
 
「ゆるさん!おしりペンペンしてやるぅ~!」
 
「ひ―っ!」
 
あーあ。追いかけっこになっちゃったよぉ。
 
「ったく、アキのしわざだったのね!どーりでおとなしいと思ったわ!」
 
クリスさんは、ぷんぷん怒っている。
 
「ってめぇ~!俺様の宝物に、二度とさわるなぁ~!」
 
「ひ―っ!お願いだから、ゆるしてぇ~!」
 
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