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第四十九話 「ウルフ一郎さんとウル子ちゃん」

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「お父さ~ん!」
 
「なにぃ?」
 
「見て、お父さん!お父さんとウル子を描いたの!」
 
ウル子ちゃんがウルフ一郎さんに、自分とウルフ一郎さんを描いた絵を見せた。
 
「おぉ!上手じゃねぇか!さっすが、俺様の娘だぜ!」
 
ウルフ一郎さんは、ウル子ちゃんの頭をなでた。
 
「えへへへへ。」
 
「だ―か―ら、ウル子はお前の本当の娘じゃねぇって!」
 
いいじゃないの、ジュンブライト。
ウルフ一郎さん、まるで自分の子供のように、かわいがってるし。
 
「・・・・・・ちっ、調子に乗りやがって!」
 
「ウル子~!」
 
「一緒に遊ぼう!」
 
「うん!」
 
ウル子ちゃんは、道華達と一緒に、遊び始めた。
 
 

 
 
「・・・・・・ま―た、道に迷ってしまった。」
 
「お父さん、ありがとう!買ってくれて!」
 
「どういたしまして。」
 
「ん!?その声は・・・・・・ウルフ一郎!」
 
「よl、ネル。熱を出した時以来だな。」
 
「あん時はありがとう。」
 
「どういたしまして。」
 
「ところで、このガキは一体、何者なんだ?」
 
「あ、この子か?この子はウル子。」
 
「ウル子だよ!よろしくね!ねぇおばさん、お父さんと知り合い?」
 
「おばさん言うな!」
 
「ひぃ!」
 
「こら!俺様の娘を泣かすなっ!」
 
「お前の・・・・・・娘だとぉ!?」
 
「ふーん。なるほど。その子の親が迎えに来るまで、お前がその子の親代わりってわけか。」
 
「あぁ、そうだ。」
 
「てっきり、お前の子供かと思ったぜぇ。」
 
「俺様はまだ独身だよ。」
 
「お母さん!」
 
「はぁ!?あたしが、お前のお母さんだとぉ!?」
 
「うん!今日からおばさんのこと、お母さんって、呼んでいい?」
 
「だめだ!あたしには、好きな人がいるし、母親になるなんて、十年・・・・・・いや、百年早いぜ!」
 
「なぁ、そこをなんとかぁ。」
 
「やだ!絶っっっっっ対、やだ!」
 
「なってくれたら、カステラ、おごってやるぞ。」
 
「!?じゃあなるわ!」
 
「よし!よかったなぁ、ウル子!」
 
「うん!ウル子、うれし~い!」
 
「ちょっ、そんなにだきつくなっ!」
 
(ったく、今回は特別だぞ。)
 
 

 
えっ!?明日、ハイキングに行くんですか!?
 
「はい。おとといはものすごい大雨で中止になりましたからねぇ。」
 
「やったぁ!」
 
「ハイキング、ハイキング!」
 
子供達は大はしゃぎ。
だって、中止になった時、すごく落ちこんでたもん。
 
「ハイキングって、どこ行くの?」
 
「山だよ。すっごく、気持ちいいぞぉ~。風は気持ちいし、自然がとっても豊かだし!森に行けば、虫とかいっぱい採れるし!」
 
それ、あんたが食べたいだけでしょ?
 
「ネル、お前も行くか?」
 
「あ・・・・・・あぁ。」
 
「じゃあ俺様、ウル子とネルのお弁当をつくらねぇとな。」
 
「やったぁ~!お父さんのお弁当、すっごく楽しみぃ~!」
 
「あ、あたしの分まで、つくってくれるのか!?」
 
「あたり前だろ?『家族』だから。」
 
「・・・・・・。」
 
ネルさんの顔、真っ赤になってる・・・・・・。
明日が楽しみだな。
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