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第四十五話 「ギロさんの仕事場に潜入!」

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「ゔぅ、ゔぅ・・・・・・。」
 
リリアさん、すっごく泣いている。
 
「そりゃあそうだよ。ギロがお見合いのこと、受け入れるから。」
 
「な、なんで俺が!」
 
「リリアを傷つけるなんて、ゆるさないぞ!」
 
「ひぃぃぃぃぃ!マドレーヌちゃん、俺、リッちゃんをそんなに、傷つけてないよぉ~。」
 
ギロさん、責任を負ってください。
 
「せ、責任を負えって言われても・・・・・・。」
 
「ギロさん、あなた、リリアさんの恋人でしょ?恋人なら恋人らしく、しっかりしなさいよ!」
 
「そ―だそ―だ!真莉亜ちゃんの言う通りだぁ!」
 
「真莉亜の言うことは、正しいぜ!」
 
「で、でもぉ、俺が話しかけたら、リッちゃん、二度と口をきかないと思うしぃ・・・・・・。」
 
「そこが大事ですよ、ギロ様。」
 
「ギロが謝ったら、リリアはゆるしてくれるわ。」
 
「男として、はっきりと決めなさいよ!」
 
「あたし達、応援するから!」
 
「私も~!」
 
「がんばってきな。」
 
「で、でもぉ・・・・・・。」
 
な、なんですか、ギロさん。私の方をじ―っと見つめて。
 
「真莉亜ちゃん、リッちゃんと話してくれない?」
 
はぁ!?なんで私が!
 
「実はあれ、うそだったんだ。」
 
「なら、最初っからそう言えよ!」
 
ジュンブライトとウルフ一郎さんは、ハリセンで、ギロさんの頭をたたいた。
 
「そんなの、自分で言ってくださいよぅ。」
 
「えー?」
 
私、リリアさんの彼氏じゃないし。
 
「リッちゃんが理解してくれそうな人は、君しかいないんだ、真莉亜ちゃん!」
 
ギロさんは、私の前で、両手をパンッとたたいた。
・・・・・・わかりましたよぉ。納得させればいいんでしょ?納得させればぁ!
 
「やったぁ~!ありがと~う!」
 
「お母さん、頑張って!」
 
はいはい。
 
「リリアさ~ん!」
 
私が呼ぶと、リリアさんは泣くのをやめ、私の方を振り向いた。
 
「真莉亜・・・・・・。」
 
「こんなところで、なにやってるんですかぁ?」
 
「あなたこそ、なによ。そんなににこにこして。私をからかいに来たの!?」
 
そうじゃありませんよぉ。
 
「実はぁ、大事な話がありましてぇ。」
 
「大事な話?」
 
そう!
さっき、ギロさんがお見合いを受け入れたでしょ?
 
「えぇ、それが?」
 
「あれ、うそだったんです。」
 
「うそ!?冗談じゃない!きっと、なにかのまちがいよ!」
 
いやいや、本当です!
 
「え・・・・・・。」
 
「ギロさんは、リリアさんとの交際を、ギンさんに反対されないよう、うそをついたんです!」
 
「えっ・・・・・・。」
 
「本当だよ、リッちゃん。」
 
ギロさんが真剣な顔になって、やって来た。
 
「ギロ!」
 
「ごめん。リッちゃんのこと、親父に反対されたら、どうしようかなぁ~と思って。結局、自分の思った通りになってさ。ま、まだリッちゃんのこと、話してないのに、急にお見合いをすすめられてさ。びっくりしたよ。だから、あーゆー行動を取ったんだよ。まさか、あれがリッちゃんを傷つけるとは、思ってなかったよ・・・・・・。」
 
「バカ!」
 
リリアさんは泣きながら、ギロさんにだきついた。
その瞬間、ギロさんはかたまった。
 
「うそをつくなら、もうちょっと、傷つけないうそをつけなさいよぉ!」
 
「リッちゃん・・・・・・。」
 
ギロさんは、リリアさんをぎゅっとだきしめた。
 
「ごめん。リッちゃん、愛してるよ。」
 
「う、うん・・・・・・。」
 
よかった。仲直りができて。
 
「真莉亜ちゃん、ありがとう。おかげで仲直り、できたよ。」
 
えへへへへ。どういたしまして。
 
「もう、真莉亜ったら、いいことを言うんだからぁ。」
 
リリアさんは、にこっとほほえんだ。
そ、そんなこと、ないですよぉ!
私の顔が、突然、真っ赤になった。
 
「うふふふふ。」
 
「アハハハハ。」
 
よかったぁ。二人に笑顔が戻って。
 
 

 
 
私達は、ギンさんの部屋に戻った。
 
「どうだ、ギロ。お見合いする気になったか?」
 
ギロさんは、「ううん。」と首を振った。
 
「父さん。俺、お見合いはしないよ。」
 
「えっ!?なんでだ!」
 
ギンさんは、スッと立ち上がった。
 
「俺、彼女がいるんだ。」
 
「彼女ぉ~!?そいつは誰なんだ!」
 
「リッちゃんだよ。」
 
「どうも。」
 
リリアさんは、ギンさんに向かって、お辞儀をした。
 
「え~!?リ、リ、リ、リ、リリアちゃんとつきあってるの~!?」
 
ギンさん、うっさい。
 
「うん。」
 
ギロさんが笑顔でうなずくと、リリアさんは顔を真っ赤にした。
 
「ひょっとして、結婚前提でつきあっているというのかね!?」
 
「ちがう。結婚は、まだ考えていない。俺、小さいころからリッちゃんが好きだったんだ、だから父さん、俺とリッちゃんの交際を、認めてくださいっ!」
 
ギロさんは、ギンさんに向かって、深く土下座をした。
 
「・・・・・・顔を上げろ。」
 
ギロさんは、顔を上げた。
ギンさんは、にっこりしている。
 
「お前の気持ちはわかった。お見合いは取り消す。交際を認めてやる。」
 
「やったぁ~!」
 
ギロさんは、跳びはねた。
 
「よかったなぁ、ギロ!」
 
「はい!」
 
ギロさんはうれしそう。
よかったですね、ギロさん、リリアさん。
 
 
 
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