上 下
105 / 185

第四十二話 「ギロさんの初デート」

しおりを挟む
「リッちゃ~ん!」
 
ギロさん、機嫌がいいですねぇ。スキップしちゃって。
 
「どうしたの?」
 
「実は・・・・・・うれしいお知らせがあるんだ!」
 
「お知らせ?早く言って。」
 
「明日、休暇が取れたんだ!」
 
「えっ!?」
 
「だから、デートをしよう!」
 
よかったですね、リリアさん!
 
「きゅ、急に言われても・・・・・・。」
 
「リリア、楽しんで来い。」
 
「これは、一回しかおとずれないんだからっ!」
 
「・・・・・・いいわよ。じゃあ、明日ね。」
 
「やったぁ~!」
 
ギロさんは、喜びながら、跳びはねた。
 
「イェーイ!」
 
「お前、はしゃぎすぎ!」
 
「リリア!」
 
マドレーヌちゃんが、リリアさんにだきついてきた。
 
「おみやげ、楽しみにしてます!」
 
「えぇ。」
 
「ヒャッハ~!」
 
「ギロ様、静かにしてくださいっ!」
 
もう、ギロさん、初デートで、天然パワーは、さくれつしないでくださいね。
 
 

 
次の日。
ひゃ―っ、ドキドキするぅ~。
だって、となりには、リッちゃんがいるんだもん。
 
「リッちゃん、どこに行く?」
 
「へっ?」
 
うわぁぁぁぁぁぁぁ!リッちゃんが、おばあちゃんになったぁぁぁぁぁ!
 
「ギロ!そのおばあさんは、私じゃないわ!」
 
へっ?あ、ごめんなさい。
俺は、おばあさんに向かって、おじぎをした。
 
「もう、あなたはどんだけ、天然なのよ。」
 
いや、ド天然だよ。
 
「天然もド天然も、超えてるわ!」
 
リ、リッちゃんから、怒られた・・・・・・。
 
「どこに行く?お茶でもしましょうか。」
 
うん!いいね!
 
 

 
 
え―っと、なんにしよっかなぁ~?
 
「私はコーヒーで。」
 
じゃ、じゃあ、俺もコーヒーで。」
 
「かしこまりました。」
 
ウエントレスさんが、俺達におじぎをしたあと、その場を去った。
 
「うふふふふ。」
 
リッちゃん、なにがおかしいの?
 
「いや、なんにも。」
 
「子供のころの話をしようよ!」
 
「いいわねぇ、それ。18年前、私とネルがあなたの家にお泊りして、翌日、おねしょをして、お父さんから怒られたわね。」
 
リッちゃん!そんなこと、言わないでよぉ。
 
「うふふ。だって、忘れられないんだもん。」
 
「おまたせしました。コーヒー2つですねっ。」
 
ウエントレスさんが、テーブルの上に、コーヒーを2つ置いた。
 
「ご注文は、以上でよろしかったですか?」
 
「はい。」
 
「では、ごゆっくり。」
 
ウエントレスさんは、にこっと笑って、その場を去った。
えっと、砂糖を入れてっと。
 
「ギロ、砂糖、入れすぎ。」
 
あ―!しまったぁ~!
 
「ところでギロ、結婚は考えてるの?」
 
ブ―ッ!けっ、けっ、けっ、けっ、結婚!?
 
「ギロ、私の服、びしょびしょにしないでくれない?」
 
あ―!ごめ~ん!
 
「ギロ、うるさい。」
 
「結婚は、考えてない。俺の父さん、俺がリッちゃんと付き合ってるの、知らないもん。」
 
「じゃあ、子供は何人欲しい?」
 
ブ―ッ!
 
「ギロ!また飛んだ!」
 
あ―!
 
「もう、ちゃんとしてよね!」
 
「ごめん・・・・・・。子供はぁ、3人欲しいな。だって、5人家族だと、にぎやかになるからね。」
 
俺は、にこっと笑った。
 
「うふふふふ。あなたらしいわね。」
 
リッちゃんが、優しくほほえんだ。
 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

処理中です...