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第二十九話 「ジュンブライトが、記憶喪失になった!?(前編)」
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「うんっとぉ、確かここにぃ・・・・・・あっ、ありました!」
ルクトさんが、押し入れの中から、アルバムがいっぱいつまったダンボールを取り出した。
「うわぁ!こんなにいっぱい、あるのかよ!」
ウルフ一郎さんが、驚いている。
「はい。」
ルクトさんが笑顔で答えると、ダンボールをどんっと、置いた。
ダンボールを置くと、みんなはいっせいに、飛びついた。
「私、見たーい!」
「あたしもあたしも―!」
みんなが次々、分厚いアルバムを、取ってゆく。
ちょっとみんなぁ、ジュンブライトのきおくを、思い出させるためにやっているんだから、真剣にやってよぉ。
「うわぁ~。」
「ジュンブライト様、かっわい~♡」
んもう、遊びでやっているんじゃないよ。
「どうしたんですか?」
ジュンブライトがやって来た。
「王子。見てください。」
ルクトさんがジュンブライトに、アルバムを見せた。
ジュンブライトは、首をかしげてる。
「このかわいい赤ん坊は、誰ですか?」
ジュンブライトが、写真にうつってる赤ちゃんを指さした。
「これは王子です。」
「えっ、僕?」
かっわい~♡
「僕って、何者ですか?」
「ヴァンパイア界の王子。とてもステキな方でしたよ。女性にモテたりして。正義感を持つ、ヴァンパイア界が誇れる、王子様でしたよ。」
「う、う~ん。」
ジュンブライトが、頭をかかえた。
思い出した?
「いいえ、全く。自分が何者だったのか、さっぱり・・・・・・。」
ジュンブライト・・・・・・。
「わがままで、自分勝手で、不器用な男。思い通りに行かなかったら、すぐ腹が立つ。」
ちょっ、テレサさん!
「でも、優しいところは、あったわよ。」
紅葉、フォローしてくれて、ありがとー。
「大切な人を想う気持ち、大切な人を守るというのが、いっぱい、ありましたよ。」
クリスさんも!
「大切な・・・・・・人?」
私のことだよ、ジュンブライト。
「真莉亜・・・・・・さん?」
そう。
「俺様とお前は、いっつも真莉亜ちゃんを争っていたぜ。菜の花広場まで、けんかしたりな。」
「アハッ。ウルフ一郎さんと僕は、そんなに楽しい関係だったんですね。」
「楽しい関係・・・・・・。」
「ねぇ、これ、先輩じゃない?」
ジュンブライトの中学時代の写真!
学生服のジュンブライト、かっこいいなぁ。
桜の木がうつってるってことは、これ、入学式の時の写真?
ギロさんは、ペラペラ~と、アルバムをめくった。
「おっ、先輩だ!」
袴姿のジュンブライト、ステキだなぁ。
「成人式が終わったあと、テレサ様、アルマ様、アクア様、ソアン様、リナン様、ジャン様と一緒に、居酒屋に行ったんですよ。それのせいか、酔っぱらって帰って来て、大王様に、怒られたんですよ。」
ジュンブライトらしいね。
ギロさんは次々、アルバムを取っては、めくる。
「ん?この赤ちゃん、誰?」
かっわい~♡ピンクのドレスを着ているってことは、女の子?
とんがった耳・・・・・・もしかして。
「はい。私です。」
マドレーヌちゃん!
そんなに恥ずかしがらず、手を挙げなくてもいいのに。
「ジュンブライトが24歳の時に、マドレーヌが産まれたわ。その時のあなた、「俺の妹のようだ。」と、喜んでいたわ。」
「マドレーヌさんと僕って、どんな関係でしたか?」
「私とジュンブライトお兄様は、いとこですっ。」
「いとこ・・・・・・。」
またジュンブライトは、う~んとうなって、頭をかかえてる。
「ジュンブライト、なにか、思い出した?」
紅葉が聞くと、ジュンブライトは、左右に首を振った。
「全く。」
すると道華が、うさぎのキャラクターがついた、ピンクのアルバムを、ジュンブライトのひざに置いた。
「開けてみて!」
道華が笑顔で言うと、ジュンブライトは分厚いアルバムを持って、開くと、1ページずつ、めくった。
「あ・・・・・・。」
ジュンブライトの目に留まったのは、結婚式の写真。
未来の私とジュンブライトが、うつっている。
未来のジュンブライトが、未来の私に、お姫様抱っこをしている。
「私とジュンブライトは、未来で結婚しているの。」
「へぇー。」
ジュンブライトはまた、1ページずつ、めくった。
「この子、誰?」
ジュンブライトが、女の子の赤ちゃんを、指さした。
「あたしだよ。」
「道華さん?」
しあわせな私達に、ステキなおくりものが送られたの。
それが、道華。
私とジュンブライトの、子供なの。
ところがジュンブライトは、悲しい表情になって、アルバムを、バタンと閉じた。
どうしたの?ジュンブライト。
「僕、やっぱり自分が何者なのか、まだわかりません。」
一つずつ、思い出せばいいんだよ、ジュンブライト。
「え?」
「私がジュンブライト様の記憶を、思い出させるから!」
「気にしないで!あたし達、がんばるから!」
「アキさん、ソラさん・・・・・・わかりました。みなさんの期待に、応えましょう。」
ジュンブライト・・・・・・。
☆
さあてと、ナポリタンを、つくろっか。
麺OK、トマトソースOK、ソーセージOK、たまねぎOK、ピーマンOK・・・・・・。
なんか、気になるんですけど、さっきから、人の気配が、しません?
これじゃあ、料理に集中できないよ~。
「フッフフ~ン。」
ジュンブライト。
「ごめんね。ご飯を作るから、後ろに立たないで。マドレーヌちゃん達と、遊んでて。」
よし、これでよし!
「フッフフ~ン。」
まだいる!
しかもなに?このにこにこした笑顔!
かわいすぎて、まぶし―い!
「真莉亜さんと僕って、恋人だったんですよね?」
そ、そうだよ。それが?
「デートはしましたか?」
し、したよ、2回ぐらい。
「そうですかぁ。じゃあ、だきあったり、しましたか?」
したよ、ぎゅ―っとね。
「ぎゅ―っと?」
うん。ぎゅ―っと。
「真莉亜さんを、苦しめるように?」
そうそう。さぁ、マドレーヌちゃん達のところに、行って。
「ファーストキスは、いつですか?」
突然、私の顔が赤くなり、耳からポーと、白いけむりが出た。
ど、どうしよ―!なんて答えればいいの~!?
「・・・・・・2年前の私の誕生日に、ジュンブライトが、誕生日プレゼントだと言って、私の唇に、キスをしたの。」
「へぇー。僕って、そんな大胆なことを、してたんですね。」
ジュンブライト!?なに!?私のとなりに来て!
「キス、しましょう。」
え―っ!?記憶を失っても、大胆なことを、やろうとするんだからぁ!
「動かないでくださいね。」
あ・・・・・・。
「くおうら!ヴァンパイア界の王子!」
ウルフ一郎さんが、ジュンブライトに、飛び蹴りをした。
「ウルフ一郎さん、痛いよ~。暴力反対だよぉ。」
「ふん!なにが暴力反対だ!真莉亜ちゃんに、手を出そうなんて、ゆるさんぞ!」
ウルフ一郎さん、そんなに怒らなくても・・・・・・。
「ごめんなさい。」
?
「僕が悪いんです。真莉亜さんの唇に、キスをしようとした、自分が悪いんです。」
ジュンブライトが、必死に、ウルフ一郎さんに頭を下げて、謝っている。
「よし、ゆるしてやろう!」
早っ!
「あ・・・・・・ありがとうございますっ!」
「こ、こら!俺様にだきつくなっ!」
うふふふふ。
☆
私達は、寝室のベッドの上にすわった。
「ふっかふかの、ベッドですね。」
私達、ここでキスとか、やったんだよ。
「キスって、どんな味がするんですか?」
ミルクみたいに、とっても甘い味。
「う、う~ん。」
ジュンブライトが、うなり始めた。
思い出した?ジュンブライト。
「・・・・・・いいえ。全く。」
なんで、なんで思い出せないの?
「それは・・・・・・。」
言いわけは無用だよ!
私、早く元のジュンブライトに戻って欲しいよ!
お願い!一刻でも早く、記憶を思い出して!ジュンブライト!
これが私の、わがままだから。
私の目に、大粒の涙がこぼれた。
「真莉亜さん、顔を上げてください。」
私は、顔を上げた。ジュンブライトの表情が、悲しい表情になってる。
「僕、真莉亜さんのために、1個ずつ、思い出しますから、泣かないでください。」
「ジュンブライト・・・・・・。」
「真莉亜さん・・・・・・。」
私達は、唇を近づけて・・・・・・。
チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュ・・・・・・。
熱いキスをし始めた。
(なんだろう。こんなにやめられない。僕って、こんなに愛する人を、想ってたんだ。真莉亜さん・・・・・・君のこと、思い出したいよ。全部。)
チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュ・・・・・・。
大好きだよ、ジュンブライト。
ルクトさんが、押し入れの中から、アルバムがいっぱいつまったダンボールを取り出した。
「うわぁ!こんなにいっぱい、あるのかよ!」
ウルフ一郎さんが、驚いている。
「はい。」
ルクトさんが笑顔で答えると、ダンボールをどんっと、置いた。
ダンボールを置くと、みんなはいっせいに、飛びついた。
「私、見たーい!」
「あたしもあたしも―!」
みんなが次々、分厚いアルバムを、取ってゆく。
ちょっとみんなぁ、ジュンブライトのきおくを、思い出させるためにやっているんだから、真剣にやってよぉ。
「うわぁ~。」
「ジュンブライト様、かっわい~♡」
んもう、遊びでやっているんじゃないよ。
「どうしたんですか?」
ジュンブライトがやって来た。
「王子。見てください。」
ルクトさんがジュンブライトに、アルバムを見せた。
ジュンブライトは、首をかしげてる。
「このかわいい赤ん坊は、誰ですか?」
ジュンブライトが、写真にうつってる赤ちゃんを指さした。
「これは王子です。」
「えっ、僕?」
かっわい~♡
「僕って、何者ですか?」
「ヴァンパイア界の王子。とてもステキな方でしたよ。女性にモテたりして。正義感を持つ、ヴァンパイア界が誇れる、王子様でしたよ。」
「う、う~ん。」
ジュンブライトが、頭をかかえた。
思い出した?
「いいえ、全く。自分が何者だったのか、さっぱり・・・・・・。」
ジュンブライト・・・・・・。
「わがままで、自分勝手で、不器用な男。思い通りに行かなかったら、すぐ腹が立つ。」
ちょっ、テレサさん!
「でも、優しいところは、あったわよ。」
紅葉、フォローしてくれて、ありがとー。
「大切な人を想う気持ち、大切な人を守るというのが、いっぱい、ありましたよ。」
クリスさんも!
「大切な・・・・・・人?」
私のことだよ、ジュンブライト。
「真莉亜・・・・・・さん?」
そう。
「俺様とお前は、いっつも真莉亜ちゃんを争っていたぜ。菜の花広場まで、けんかしたりな。」
「アハッ。ウルフ一郎さんと僕は、そんなに楽しい関係だったんですね。」
「楽しい関係・・・・・・。」
「ねぇ、これ、先輩じゃない?」
ジュンブライトの中学時代の写真!
学生服のジュンブライト、かっこいいなぁ。
桜の木がうつってるってことは、これ、入学式の時の写真?
ギロさんは、ペラペラ~と、アルバムをめくった。
「おっ、先輩だ!」
袴姿のジュンブライト、ステキだなぁ。
「成人式が終わったあと、テレサ様、アルマ様、アクア様、ソアン様、リナン様、ジャン様と一緒に、居酒屋に行ったんですよ。それのせいか、酔っぱらって帰って来て、大王様に、怒られたんですよ。」
ジュンブライトらしいね。
ギロさんは次々、アルバムを取っては、めくる。
「ん?この赤ちゃん、誰?」
かっわい~♡ピンクのドレスを着ているってことは、女の子?
とんがった耳・・・・・・もしかして。
「はい。私です。」
マドレーヌちゃん!
そんなに恥ずかしがらず、手を挙げなくてもいいのに。
「ジュンブライトが24歳の時に、マドレーヌが産まれたわ。その時のあなた、「俺の妹のようだ。」と、喜んでいたわ。」
「マドレーヌさんと僕って、どんな関係でしたか?」
「私とジュンブライトお兄様は、いとこですっ。」
「いとこ・・・・・・。」
またジュンブライトは、う~んとうなって、頭をかかえてる。
「ジュンブライト、なにか、思い出した?」
紅葉が聞くと、ジュンブライトは、左右に首を振った。
「全く。」
すると道華が、うさぎのキャラクターがついた、ピンクのアルバムを、ジュンブライトのひざに置いた。
「開けてみて!」
道華が笑顔で言うと、ジュンブライトは分厚いアルバムを持って、開くと、1ページずつ、めくった。
「あ・・・・・・。」
ジュンブライトの目に留まったのは、結婚式の写真。
未来の私とジュンブライトが、うつっている。
未来のジュンブライトが、未来の私に、お姫様抱っこをしている。
「私とジュンブライトは、未来で結婚しているの。」
「へぇー。」
ジュンブライトはまた、1ページずつ、めくった。
「この子、誰?」
ジュンブライトが、女の子の赤ちゃんを、指さした。
「あたしだよ。」
「道華さん?」
しあわせな私達に、ステキなおくりものが送られたの。
それが、道華。
私とジュンブライトの、子供なの。
ところがジュンブライトは、悲しい表情になって、アルバムを、バタンと閉じた。
どうしたの?ジュンブライト。
「僕、やっぱり自分が何者なのか、まだわかりません。」
一つずつ、思い出せばいいんだよ、ジュンブライト。
「え?」
「私がジュンブライト様の記憶を、思い出させるから!」
「気にしないで!あたし達、がんばるから!」
「アキさん、ソラさん・・・・・・わかりました。みなさんの期待に、応えましょう。」
ジュンブライト・・・・・・。
☆
さあてと、ナポリタンを、つくろっか。
麺OK、トマトソースOK、ソーセージOK、たまねぎOK、ピーマンOK・・・・・・。
なんか、気になるんですけど、さっきから、人の気配が、しません?
これじゃあ、料理に集中できないよ~。
「フッフフ~ン。」
ジュンブライト。
「ごめんね。ご飯を作るから、後ろに立たないで。マドレーヌちゃん達と、遊んでて。」
よし、これでよし!
「フッフフ~ン。」
まだいる!
しかもなに?このにこにこした笑顔!
かわいすぎて、まぶし―い!
「真莉亜さんと僕って、恋人だったんですよね?」
そ、そうだよ。それが?
「デートはしましたか?」
し、したよ、2回ぐらい。
「そうですかぁ。じゃあ、だきあったり、しましたか?」
したよ、ぎゅ―っとね。
「ぎゅ―っと?」
うん。ぎゅ―っと。
「真莉亜さんを、苦しめるように?」
そうそう。さぁ、マドレーヌちゃん達のところに、行って。
「ファーストキスは、いつですか?」
突然、私の顔が赤くなり、耳からポーと、白いけむりが出た。
ど、どうしよ―!なんて答えればいいの~!?
「・・・・・・2年前の私の誕生日に、ジュンブライトが、誕生日プレゼントだと言って、私の唇に、キスをしたの。」
「へぇー。僕って、そんな大胆なことを、してたんですね。」
ジュンブライト!?なに!?私のとなりに来て!
「キス、しましょう。」
え―っ!?記憶を失っても、大胆なことを、やろうとするんだからぁ!
「動かないでくださいね。」
あ・・・・・・。
「くおうら!ヴァンパイア界の王子!」
ウルフ一郎さんが、ジュンブライトに、飛び蹴りをした。
「ウルフ一郎さん、痛いよ~。暴力反対だよぉ。」
「ふん!なにが暴力反対だ!真莉亜ちゃんに、手を出そうなんて、ゆるさんぞ!」
ウルフ一郎さん、そんなに怒らなくても・・・・・・。
「ごめんなさい。」
?
「僕が悪いんです。真莉亜さんの唇に、キスをしようとした、自分が悪いんです。」
ジュンブライトが、必死に、ウルフ一郎さんに頭を下げて、謝っている。
「よし、ゆるしてやろう!」
早っ!
「あ・・・・・・ありがとうございますっ!」
「こ、こら!俺様にだきつくなっ!」
うふふふふ。
☆
私達は、寝室のベッドの上にすわった。
「ふっかふかの、ベッドですね。」
私達、ここでキスとか、やったんだよ。
「キスって、どんな味がするんですか?」
ミルクみたいに、とっても甘い味。
「う、う~ん。」
ジュンブライトが、うなり始めた。
思い出した?ジュンブライト。
「・・・・・・いいえ。全く。」
なんで、なんで思い出せないの?
「それは・・・・・・。」
言いわけは無用だよ!
私、早く元のジュンブライトに戻って欲しいよ!
お願い!一刻でも早く、記憶を思い出して!ジュンブライト!
これが私の、わがままだから。
私の目に、大粒の涙がこぼれた。
「真莉亜さん、顔を上げてください。」
私は、顔を上げた。ジュンブライトの表情が、悲しい表情になってる。
「僕、真莉亜さんのために、1個ずつ、思い出しますから、泣かないでください。」
「ジュンブライト・・・・・・。」
「真莉亜さん・・・・・・。」
私達は、唇を近づけて・・・・・・。
チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュ・・・・・・。
熱いキスをし始めた。
(なんだろう。こんなにやめられない。僕って、こんなに愛する人を、想ってたんだ。真莉亜さん・・・・・・君のこと、思い出したいよ。全部。)
チュッ、チュッ、チュッ、チュッ、チュ・・・・・・。
大好きだよ、ジュンブライト。
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