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第二十三話 「ウルフ一郎さん、現る!」

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夏休みに入って、私は、ジュンブライトと、2度目のデートに行きました。
 
「今日、楽しかったね。」
 
私は、ジュンブライトのうでを組みながら、かわいい顔で、顔を見上げた。
 
「また、行こうな。」
 
私、今年の夏休み、ジュンブライトと、ずっと一緒にいたい。
 
「俺もだ。」
 
大好き。
私達は、歩くのをやめた。
 
「その言葉、まってたぜ。」
 
ジュンブライトが、私の唇に、キスをしようとした、その時。
 
シュッ!
 
「いたっ!」
 
なにかが、ジュンブライトのほっぺたに、当たった。
 
「ジュンブライト!大丈夫!?」
 
「あぁ。対した傷じゃねぇよ。」
 
血、出てるよ。
 
「大丈夫。自分でなめるから。」
 
ジュンブライトは、自分の血を、ひとさし指で、すくって、ぺろっとなめると、まずい顔になった。
 
「まぢ―。やっぱ、自分の血、まずいなぁ。真莉亜の血、吸いてぇ。」
 
だめです!
ん?きれいで、真っ赤なバラがある。
私は、バラを拾って、じ―っと、見つめた。
ん!?バラのトゲに、少し、血がついている!
 
「ほんとだ。」
 
ジュンブライトは、くるりと、後ろを振り向いた。
 
「誰だ!俺に向かって、バラを刺したのは!さっさと出て来い!」
 
ジュンブライトが、大きな声で怒鳴ると、黒い影が、こっちに向かって来るのが見えた。
 
「お前かぁ。散々、ふざげたまねをしやがって!」
 
「ちっ、せっかく、おもしろいあいさつをしたのによぉ。やりすぎだったかなぁ?」
 
その、黒いサングラスと、中途半端に、ボタンを外している、黒いアクセサリーをつけている、黒いオオカミさんは・・・・・・。
 
「ウルフ一郎さん!」
 
私が、大きな声でさけぶと、ウルフ一郎さんは、目をハートにした。
 
「真莉亜ちゅわ~ん♡久しぶり~♡元気だった~?」
 
「逃げるぞ!」
 
ジュンブライトが、私の手をぎゅっとにぎって、走り出した。
 
「まってぇ~♡俺様の真莉亜ちゅわ~ん♡」
 
追いかけて来るよぉ!
 
「なんであいつが、人間界に来てるんだ!?」
 
知らないよぉ~。きっと、なにか事情でも、あるんじゃない?
私達は、路地裏に、身を隠した。
 
「これで、追って来ねぇな。」
 
うん。
 
「真ぁ莉ぃ亜ちゅわん♡」
 
!?まさか・・・・・・。
 
「見ぃつけた~♡」
 
ここにいることが、バレた!
 
「行くぞ!」
 
ジュンブライトはまた、私の手をぎゅっとにぎって、走り出した。
はぁ、はぁ、はぁ。もう、だめぇ~。
 
「おい!止まるなっ!」
 
休憩しようよ~。
 
「真莉亜ちゅわ~ん♡」
 
あぁっ、もう、無理~!」
 
「ぬわぁにやってんだ、てめぇはぁ!」
 
ウルフ次郎さんと、ウルフ三郎さんが、ウルフ一郎さんに、飛びけりをして、ウルフ一郎さんは、ばたりとたおれた。
 
「お前らも来てたのか。」
 
「はいっ。真莉亜ちゃん、大丈夫ですか!?」
 
「なにもされていませんか!?」
 
はい、大丈夫です。
 
「よかったぁ。」
 
二人がほっと、ひと息ついた、その時。
 
「おい、お前ら!」
 
二人がビビって、後ろを振り向くと、ウルフ一郎さんが、うでを組んで、立っていた。
 
「兄貴に暴力をふるうなんて、いい度胸だなぁ!」
 
「すみませんでした―っ!」
 
あらら。二人とも、土下座しちゃった。
 
「それはよしとして・・・・・・真莉亜ちゅわ~ん♡会いたかったよ~ん♡」
 
「キャラ、変えるの、早っ!」
 
とりあえず、満月荘で、話をしましょう。
 
 
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