上 下
43 / 170
第1章

第十七話 「とうとう、ネルさんの子供の父親が明らかに!」

しおりを挟む
こんにちは。真莉亜です。

「真莉亜ちゅわ~ん♡」

あ、ウルフ一郎さん。
ウルフ一郎さんがそういう風に私の名前を呼ぶの、久しぶりだなぁ。

「元気ぃ~?」

はい。とても元気ですよ。

「お腹の中の赤ちゃーん♡」

がくっ。そっちですかっ。

「こら!気安く真莉亜のお腹をさわるなっ!」

「ジュンブライト!」

「なんだとぉ?」

「やんのかオラァ!」

もう、けんかはやめて!

「は~い♡」

ふぅ、このやりとりも、久しぶりにやります。

「ウルフ一郎。」

「ネル!」

ウルフ一郎さんは、ネルさんのところまで走って行った。

「なにしに来たんだ!」

「なにしにって、お前を迎えに来たんだよぉ。」

「あ、そっか。じゃあね~、真莉亜ちゅわん♡」

ふぅ。ウルフ一郎さんは、ネルさんと一緒に、帰って行っちゃった。


                                        ☆


チュッ、チュッ、チュ……。

「……ネル……。」

チュッ、チュッ、チュ……。

「……愛してる。」

「あたしも。愛してるよ、ウルフ一郎。だからもう、やめて……。」

チュッ、チュッ、チュ……。

「……好きだ……。」

チュッ、チュッ、チュ……。

「……もう、ウルフ一郎ったら。いじわるなんだからぁ。」

ウルフ一郎は、あたしの髪の毛をさわった。

「サラッとしてるなぁ。お前の髪の毛。」

ウルフ一郎は、あたしの髪の毛にキスをした。

「……ネル……。」

チュッ、チュッ、チュ……。
ウルフ一郎が、あたしのほっぺにキスをしながら、呼んだ。
なんだ?

「……こんなことをするの、あとどれくらいあるんだろう。」

はっ、バカなこと、言わないでよぉ。

「いや、気になっただけだ。」

あたしは、ウルフ一郎にだきついた。

「……10年後も、100年後も、ずっと、このままでいような。」

「あぁ。」

あたし達はそのまま、熱いキスをし続けた。


                                ☆


あたしは、お風呂の中で、ウルフ一郎の胸にほおずりをしていた。

「かわいいなぁ、お前は。」

ウルフ一郎は、あたしの頭をなでた。

「えへへへへ。」

そして、ゆっくり唇を近づけて……。
チュ……。
キスをした。

「……こんな状態で愛する人にキスをするなんて、何ヵ月……。」

「もう、それ以上、言わんでいい。この物語のお約束だから。」

「……そうだな。ひかえとく。」

「ところでウルフ一郎。」

「なんだ?」

「……ずっと、離れないよな?」

「……ネル……。なんでそんな話を。」

「将来のことを考えたら、お前がいつ死ぬのか、心配で心配で……。」

「言ったろぉ。俺様はお前より先に死なねぇって。」

……そうだよな。
ウルフ一郎。
あたしはお前といる時間が、とっても楽しい。
だから、あたしのそばから、絶っっっっ対に、離れるなよ。


                                      ☆


ネルさん、今日、検査するんだって。

「ほう。そうか。」

ウキウキした気分で、リリアさんと一緒に、病院に行ったよ。

「それはよかったなぁ。」

「あ、リリア!お帰りですぅ~!」

「どうだった?ネルさんのお腹の中の赤ちゃんは。」

「……。」

どうしたんですか?リリアさん。顔を下に向けちゃって。

「ジュンブライト、ウルフ一郎を呼んで。話がしたいの。」

「お、おう。」

ジュンブライトは、電話をかけた。
一体、なんだろ。


                                 ☆
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

壁の薄いアパートで、隣の部屋から喘ぎ声がする

サドラ
恋愛
最近付き合い始めた彼女とアパートにいる主人公。しかし、隣の部屋からの喘ぎ声が壁が薄いせいで聞こえてくる。そのせいで欲情が刺激された両者はー

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

夜の公園、誰かが喘いでる

ヘロディア
恋愛
塾の居残りに引っかかった主人公。 しかし、帰り道に近道をしたところ、夜の公園から喘ぎ声が聞こえてきて…

隣の人妻としているいけないこと

ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。 そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。 しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。 彼女の夫がしかけたものと思われ…

処理中です...