ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第四十九話 「いざ、魔界へ!」

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「♪ルンルンルーン。」

ルクトさんが、私達の前に歩きながら、鼻歌を歌っている。
ルクトさん、本当に元気だねぇ。

「はいっ。こう見えて、息がはぁはぁしにくくなりましたぁ。」

「ルクトじいや様はまるで私の弟みたいです~♡」

「お、弟?」

ルクトさんが驚くと、マドレーヌちゃんがかわいい笑顔でうなずいた。

「だって、今のルクトじいや様は、かわいいですも~ん♡」

「か、かわいくなんか、ありません!」

ルクトさんの顔、真っ赤になってる。

「このじじーめ!女にモテやがってぇ!」

ジュンブライト、落ち着いて。

「落ち着いてられっか!俺が一番かわいいのに、どうしてじいやがかわいがれているんだよぉ!」

「あんたは中身がかわいくないだけさ。」

そうそう。テレサさんの言う通り、あんたは中身だけかわいくないだけだよ。

「すぐわがまま言うし。」

ジュンブライトの頭の上に、『わがまま』という大きな石がのった。

「自分勝手だし。」

ジュンブライトの頭の上に、『自分勝手』という大きな石がのった。

「口が悪いし。」

ジュンブライトの頭の上に、『口が悪い』という大きな石がのった、そのとたん。

「うわぁ!」

あーあ。押しつぶされちゃった。
それに、ジュンブライトの目がぐるぐるまわってるし。

「ちゃんと反省しろっ。」

アルマさんが、ジュンブライトの顔を見て、にらんでるぅ!こわ~い。
はぁ。早く元に戻りたいよぉ。





夜。
もう、夜は遅いから、私達は野宿することにした。
マドレーヌちゃんとリリアさんとテレサさんと紅葉は、食料探しに。ノア様とアルマさんとルクトさんは、木の実探しに行った。
残っているのは私とジュンブライトだけ。
私達の目の前には、たき火がパチパチ音を鳴らしている。
なんか、ジュンブライトといると、胸が熱くなる・・・・・・。
ドキドキ。
このドキドキが、止まらない。
好きだから、胸が熱くなったり、ドキドキしたりするのかなぁ。
なんか、胸が痛くなりそうな気がする。

「おい、なにボーっとしてるんだ。」

ジュンブライト!

「い、いや。ボーっとなんか、してないよ。ほ、ほら、星、きれいだねっ。」

なんてごまかして、星がきれいに見えるのは、あたり前だろっ。

「そうだな。星がキラキラ輝いているなぁ。」

ちょ、ちょー!私のとなりにすわらないでよぉ!

「別にいいじゃねぇか。」

と、二カッと笑った。

「・・・・・・真莉亜。」

どうしたの?急に顔が赤くなっちゃって。

「俺、真莉亜がいなくなって、とてもさびしかった。」

ジュンブライト・・・・・・。って、人の手をにぎるなぁ!

「お前にずっと会いたかった。」

ちょ、顔が近いんですけどー。

「お前がいない夜なんて、ねむりきれないよ。俺はずっと、お前のことしか考えなかった。城に行く時も、探しに行く時もずっと。」

ジュンブライト・・・・・・。ずっと私のことを、思っていたんだ・・・・・・。

「私も。早くジュンブライトに会いたいと思った。」

「お前もか!?」

うん。

「お前がお前と再会して、うれしかったこと一つ。そのアクセサリー、やっとつけてくれたんだな。」

ジュンブライトが、私がつけているアクセサリーを指さした。
気付くのおそっ。

「ごめんごめん。」

このアクセサリー、レオン様のアクセサリーだったんでしょ?

「えっ?なんでそれを・・・・・・。」

私はアクセサリーのことを全部話すと、ジュンブライトが「ぷっ。」と笑い出した。

「お前の言う通りだよ。母さんの魂が入っているなんて、びっくりしたなぁ。」

私もだよ。

「真莉亜、お前を二度と、離さないぜ。」

「ジュンブライト・・・・・・。」

なんか、胸が痛くなってきたよ。

「おい、なんでいい空気になってるんだい。子供のくせに。」

その声は!

「テレサさん!」

「それに、手をにぎっていたわ。」

リリアさん!

「二人とも、ラブラブですねぇ。」

マドレーヌちゃん!

「見つめ合って、なにかあったの?」

紅葉!
い、いやぁ、なにもなかったよぉ。

「笑ってるし。」

笑ってないってばぁ!

「うそをついてるねぇ。うそはどろぼうの始まりだよ。」

うそなんかついていませーん!

「みなさーん、なにを話してるんですかぁ?」

ルクトさん!

「ルクトじいや様、ジュンブライトお兄様と真莉亜お姉様が、ラブラブで、手をつないで見つめ合ってたんですぅ。」

「な、なんですってぇ!?」

ルクトさん、声大きい・・・・・・。

「マドレーヌ!人をからかうな!」

「すみませーん。」

マドレーヌちゃんが笑顔でてへぺろした。

「ははーん。やっぱりお前、真莉亜さんのことが・・・・・・。

アルマさんが、ジュンブライトの耳元でひそっと話すと、ジュブライトの顔が、急に赤くなった。

「ちげーよ!お前もからかうなぁ!」

「・・・・・・明日、あの人に会いに行きましょう。」


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