ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第四十八話 「涙の再会!真莉亜とジュンブライト!」

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ふぁ~。ねむいなぁ~。
だって、紅葉から早く起こされたんだもん。
なんか、紅葉って、お姉ちゃん的存在みたい。

「そのアクセサリー、ヴァンパイア界の住人が付けているアクセサリーみたい。」

え?これ?これはね、クリスマスのプレゼント交換で、ジュンブライトのプレゼントが当たったんだ。
このアクセサリーを、ジュンブライトと思って、付けたんだ。さびしくならないように。

「へぇー。」

必ず、ジュンブライト達を見つけてみせる。
私の好きな人に、早く会いたい!
そして、お妃をたおしたら、必ず、告白するんだ!

「好き。」って!

ピカーッ!
な、なに?
と、とつぜん、アクセサリーが光ったような・・・・・・。

「真莉亜、どうしたの?立ち止まって・・・・・・。えぇ!?な、なんなの?」

紅葉が、そのアクセサリーが光り出しているのを見て、びっくりしている。

「どうして光り出したの?」

私もわからない。
だって、とつぜん、光り出したんだもん。

「このアクセサリー、タダものじゃないわ!」

え?それって、どういう意味なの?

「つまり、このアクセサリーは、ヴァンパイア界の住人が付けるアクセサリーよ。」

えぇ!?じゃあ、この光は・・・・・・。

「真莉亜に、なにか教えているんだわ。」

なにを?

「ジュンブライト達の居場所よ。」

えぇ!?本当に!?

「えぇ。真莉亜に会いたいっていう気持ちが、アクセサリーにこめられたのよ。」

紅葉がにこっと笑った。
うんじゃあ、ジュンブライト達の居場所がわかるってこと?

「えぇ。アクセサリーに、「ジュンブライトは今、どこにいるんですか?」ってたずねれば、教えてもらえるわよ。」

本当に?

「えぇ。」

紅葉が笑顔でうなずいた。
それから、私は目を閉じて、スーッと、深呼吸して、アクセサリーを両手でさわった。

「ジュンブライトは今、どこにいるんですか?」

ピカーッ!
こ、今度はかなり、強い光・・・・・・。

「真莉亜様・・・・・・。」

背が高くて、私のお母さんより美人の女の人が、私の前に立っていた。
この女の人、見たことあるような・・・・・・。あ!

「レオンさん!」

レオンさんは、ジュンブライトのお母さんで、元々、小さいころから体が弱かったため、ジュンブライトを産んですぐに、死んじゃった。
けれど、一回、過去にタイムスリップして、会ったことがあるんだ。
でも、どうしてレオンさんが、私の前に現れたの?

「実はこのアクセサリー、私のアクセサリーだったんです。」

えぇ!?レオンさんのアクセサリーだったの!?

「えぇ。今は私の魂が入って、このように、現れるようになったのです。ジュンブライトがクリスマスイブの前日、交換プレゼントのプレゼントをなんにするか、なやんでいたんです。なやんだ結果、私が付けていたアクセサリーを選んだのです。」

あの時、そう言ってくれればいいのに・・・・・・。

「真莉亜様に当たって、とてもうれしかったですわ。さぁ、ジュンブライトの居場所を、教えてやりましょう。」

レオンさんはスッと、アクセサリーの中に入った。

「真莉亜、あれ!」

紅葉が指をさした方を見ると・・・・・・。
えぇ~!?
は、花と草が、歩きだしている~!

「♪ジュンブライト様はぁ、道を右に曲がるとぉ、いますよぉ。」

「♪ジュンブライト様はぁ、道を右に曲がったらぁ、左に曲がるとぉ、いますよぉ。」

し、しかも歌ってる・・・・・・。

「真莉亜、花と草の後を追いかけましょう!」

うん!
えっと、右に曲がって、右に曲がったら、左に曲がる・・・・・・。

「♪ジュンブライト様はぁ、道を左に曲がったらぁ、道を真っすぐ行くとぉ、いますよぉ。」

「♪ジュンブライト様はぁ、道を真っすぐ行ったらぁ、そのまま真っすぐ行ったらぁ、いますよぉ。」

道を真っすぐ行って、そのまんま道を真っすぐ行く・・・・・・。あれ?

「どうしたの?真莉亜。」

そのまんま、道を真っすぐ行くと、アクセサリーがもう、光ってない。
それに、花と草が、動くのをやめてるし。

「ったく、真莉亜はどこにいるんだろ。」

「真莉亜お姉様に、早く会いたいですぅ。」

な、なんか、声が聞こえるぞ。

「必ず会えますよ。」

「そうよ。」

声がだんだん、近づいてくる。
しかも、ぞろぞろと、真っ黒な影が、だんだんと、近づいてくる。
誰なんだろ。ん?
あ、あの、背が高いイケメンは・・・・・・。

「ジュンブライト!」

「ま、真莉亜か?」

うん!
ジュンブライトが二カッと笑って、そして、私のところに走り出した。

「真莉亜ー!」

私はニコッと笑って、そしてmジュンブライトのところに走り出した。

「ジュンブライトぉ!」

そして、私達は思いっ切り、だきついた。

「こ、こんなの、夢みたいだよ・・・・・・。」

私の目に、涙があふれてきた。

「俺も。お前にずっと、会いたかったぜ。」

ジュンブライトの目にも、涙があふれてきた。

「涙の再会ですね、真莉亜お姉様っ。」

マドレーヌちゃんっ。

「真莉亜様、ご無事でしたか?」

ルクトさんっ。

「真莉亜、あなたが無事で、よかったわ。」

リリアさんっ。

「真莉亜。」

ノア様っ。みんな!

「あの子が、真莉亜だね。」

「ジュンブライトの言う通り、かわいい女の子だな。」

その声は!

「アルマ、テレサ!」

一体、なにしに来たの!?

「真莉亜、落ち着け!」

な、なんなのよ!

「こいつら、元に戻ったんだよ。」

元に戻った?
どういうこと?ちゃんと説明して!

「こいつらのアクセサリーの色を見ろっ。」

アルマ、テレサのアクセサリーの色を、じーっと見ると・・・・・・。
ア、アクセサリーの色が、黒じゃない!てことは・・・・・・。

「二人とも、目が覚めたのさ。」

そうなんだ!

「てか真莉亜、あたし達、もう目が覚めたんだし、「さん」付したらどうだい。」

す、すみません。テレサさん。

「真莉亜ちゃん。」

アルマさんが、私のところまで歩いて行った。
ど、どうしたんですか?と、その時。
アルマさんが、私の目の前でお辞儀をした。

「今まで、ごめん!いっぱいめいわくをかけてしまって・・・・・・。本当にごめん!」

アルマさんが悪いんじゃありませんよ。
悪いのは、アルマさん達を操った、お妃の方ですから。

「そうよ。ジュンブライトの友達を操るなんて、バカな女だわ。」

「クレイン!」

「あなたがなぜここに!?」

リリアさん、落ち着いて・・・・・・。

「私はクレインじゃないわ!紅葉よ!」

「なに言ってんだ。お前は紅葉じゃない。クレインだ。」

「そうです!」

ジュンブライト、マドレーヌちゃん、やめて!

「真莉亜!なんでこいつをかばうんだ!こいつはお妃の娘、クレインだぞ!」

いいから!私の話を聞いて!
私は今までのことを、全部ジュンブライト達に話した。
そうしたら、ジュンブライト達は納得したかのように、「うんうん。」とうなずいた。

「なーるほど。」

そのとたん、リリアさんが紅葉の方まで歩いて、紅葉の前に立った。

「あなた、白雪姫を守りたかったのね。」

「え、えぇ。」

それから、リリアさんはにこっと笑った。

「ちゃんと、本当のことを言えたわね。」

「リ、リリア・・・・・・。」

泣きそうになっている紅葉を、リリアさんは思いっ切り、だきしめた。

「あなた、私の名前、初めて呼んだわね。もう、クレインじゃないっていう気持ちが、私達に伝わったわ。」

よかったね、紅葉!

「えぇ。」

紅葉、また泣いてる・・・・・・。

「ったく、お前は泣き虫だなぁ、紅葉。」

ジュンブライトが笑いながら言うと、紅葉がリリアさんのところを離れた。

「泣き虫じゃないわ!この、バカ王子!」

こ、こわ~。
みんながしーんとした瞬間、紅葉が「うふふふふ。」と、笑い出した。

「冗談よ。ジュンブライト。」

紅葉がてへぺろをすると、ジュンブライトの顔に、笑顔があふれてきた。

「お前、初めて、俺を名前で呼んだな!すっごくうれしいぞ!」

「クレイン・・・・・・。じゃなかった、紅葉お姉様、あなたをうらむ気、なくなりましたぁ。」

「もう、わたくし達はあなたの敵じゃありませんよ、紅葉様。」

「これからは、私達の仲間よ、紅葉。」

みんな、紅葉のことをわかってくれたみたい。

「ありがとう、みんな。ところで、お姉ちゃんは?あなた達と一緒じゃなかったの?」

そういえば、確かに。白雪姫さんの姿が全然、見当たらないんだけど・・・・・・。

「あぁ。それが・・・・・・。」

「早く答えて!まさか、お妃に殺されたんじゃないでしょうね!」

「落ち着け。朝、俺が起きたら、こんな置き手紙があった。」

ジュンブライトが紅葉に便せんを渡すと、紅葉はその便せんを、急いで開けて、手紙を読んだ。
手紙の内容を見ると・・・・・・・。

<ジュンブライト様へ 私は一人で王子様を探しに行くわ。自分勝手だと思うけど、私が決めたことだから、心配しないで。王子は今、木険なところにいると思うから、その木険なところに行くことにしたわ。真莉亜さんに会えるといいわね。 白雪姫より>

漢字間違い、発見!『危険』の『危』を、『木』と、間違えていますっ。

「危険なところって、まさかお姉ちゃん、一人で魔界に行ったの!?」

えぇ!?

「そうだ。」

「なんで止めなかったの!?あなた達が寝ていなければ、お姉ちゃんは魔界に行かずにすんだのよ!?」

紅葉、落ち着いて。

「きっと、お妃に殺されているかもしれないわ!」

「紅葉、落ち着け。お前の姉ちゃんは、お妃に殺されてねぇよ。」

そうだよ。殺されていると思ったら、だめだよ。

「ジュンブライトを信じて、魔界へ行きましょう。」

えぇ!?本気なんですか?ノア様。

「えぇ。魔界に行って、白雪姫を助けて、お妃をたおしましょう!」

「ノア様・・・・・・。ノア様の言う通りにしよっ、紅葉。」

「えぇ。」

「早く魔界に行こうぜ!」

うんっ。

「魔界の道は、私が案内するから。」

よろしくお願いしますっ、ノア様。

「お姉ちゃん、お願い。どうか生きていて・・・・・・。」

と、紅葉がつぶやいた。
そして、私達は魔界を目指して、歩き出した。
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