ヴァンパイア♡ラブ

田口夏乃子

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第四十四話 「真莉亜、アルマと結婚する!?」

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「なぁじいや。」

「なんでしょうか。」

この山、どこまで続くんだ。

「知りません。」

むかー!
知っているくせに、生意気だぞ!

「本当です。わたくし、もう歳ですから、もう登りきれません・・・・・・。」

こらぁ!勝手に休むなー!
真莉亜がアルマの嫁にされっちまうんだぞ!

「ジュンブライト様、少し休憩をとったらいいんじゃない?」

白雪姫!

「だって、この山は、ずーっと、続いているから。」

最初っからそれを言えや!

「しかもこの山、明日には登り終わるみたいよ。」

それも最初っから言えや!

「つかれましたぁ。リリア、お水。」

「ちょっとまってね。」

はぁ。
俺も少し休もうかな。





アルマは今、お風呂に入っている。
さてと、私もお風呂に入りましょうか。
私が部屋を出ようとした、その時。
ガチャ・・・・・・。

「どこに行くんだ?」

ア、ア、アルマ!
もう上がったの?

「あぁ。もしかして、逃げようとしてるんじゃないだろうな?」

アルマがぎろっとした顔で、私の顔をのぞきこむ。
ちがうよ!お風呂に入ろうとしたんだよ!

「そうか・・・・・・。かんちがいして、悪かったな。」

いいよ、そんなにあやまらなくて。

「ありがとう。」

バスロープを着たアルマが、化粧台のいすにすわった。

「どうしたんですか?」

「俺の髪をかわかしてくれないか?」

え、え~!?
そ、そんなの、自分でやってよ!

「自分でやれって?お前、この俺に向かって・・・・・・。」

あー!します、しまーす!
しますから、そんなに怒らないでください!

「ありがとう。じゃあ、ブラシとドライヤーは、化粧台の上にあるから。」

アルマが化粧台の上にあるブラシとドライヤーを、指をさして教えた。
私は早速、ドライヤーのコンセントをはめて、ドライヤーのボタンを押して、アルマの髪をかわかし始めた。
アルマって、髪がさらさらしてるね。

「ガキのころからだ。」

へぇー。
ねぇ、ジュンブライトが死ぬ前、何か話した?

「あいつのことは忘れた。」

あ・・・・・・。ごめんね、こんなことを話して。
だって、あやつられているんだもん。

「二度と話すなっ。」

はい・・・・・・。
また、余計なことを話しちゃった。
私はドライヤーのボタンを押して、コンセントをぬいて、次はブラシでアルマの髪を整えた。

「髪も結ぼうか?」

「あぁ。」

私はゴムで、アルマの髪を、いつもの髪型に結んだ。

「ありがとう。」

どういたしまして。
じゃあ、私はお風呂に入るからね。
私は笑顔で、部屋を出た。





ふぅ。
やっときつーい山を登り切ったぜ~。
って、もう暗くなってんじゃん!

「王子、今日はここで休みましょう。」

また休むのかよ!

「だって、辺りが暗くなってるし、ここで夜が明けるまで、休みましょう。」

ちっ、だから、山に登る時、休憩するなって言ったんだよ。

「ジュンブライトお兄様~。とれたての青虫とかえる、採ってきましたよぉ。」

と、とれたての青虫とかえるだとぉ!?

「あと、トカゲもダンゴムシも採ってきたわよ。」

サンキューな!マドレーヌ、リリア!

「私達は、虫とか食べないから、木の実を採りに行くからね。白雪姫、行くわよ。」

「はいっ、ノア様っ。」

ノア様と白雪姫は、森の奥へと歩いて行った。

「・・・・・・ジュンブライト。」

どうした?リリア。
なんか、様子がおかしいぞ。
顔、赤くなってるし。

「ちょっと来て。」

リリアが顔を真っ赤にしながら、俺のうでをぎゅっとにぎって、俺を、誰もいないところへ連れて行った。
リリアが、はぁはぁと、息をはいている。
一体、なにが起きるんだ?

「やっと、二人っきりになれる。」

へ?
リリア、俺をここに連れて、どうしたんだ。
すると、リリアが真剣な顔で、俺の方を振り向いた。

「わ、私ね、実はあなたのことが、ずっ、ずっ、ずっ、ずっと、大好きだったの!」

ふーん、俺のことがずーっと、大好きだったんだぁ。
・・・・・・って。

「え~!?」





お風呂、気持ちよかったなぁ。
ガチャ。
アルマ、どうしたの?ドライヤーとブラシを持って。

「俺がお前の髪をかわかす。」

え?
それ、本当?

「あたり前だろ。さっきの恩返しにと思って。」

ふーん。
じゃあ、お願いしよっかな。
私は早速、化粧台の前のいすにすわった。
そして、アルマがドライヤーのコンセントをはめて、ボタンを押して、私の髪をかわかし始めた。

「お妃の髪って、こんなにきれいでさらさらしてるんだな。」

そっ、そうかなぁ。

「本当だよ。こんな星みたいに輝く黄色い髪を見るのは、生まれて初めてだ。」

そう言いながら、アルマはブラシで、私の髪を整える。

「そ、そう言われると、照れるなぁ。」

「照れているお妃は、かわいいなぁ。」

そ、そうかなぁ。

「はい。これで、いつものお妃の髪型の完成だ。」

うわぁ。ありがとう、アルマ!
私は思いっ切りアルマにだきついた。

「お妃、愛してるよ。」

アルマが、私の唇にキスをしようとした、その時。
トントン。
扉をたたく音が聞こえた。

「入れ。」

ガチャ・・・・・・。
入って来たのは、テレサだった。

「食事の時間になったよ。」


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