彼は死神

こあら

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41 「試着するんでしょう、早く着なよ」

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「ち、違うの。もしかしたらセツさんは、私のこと…なんと思ってないのかもって、思って…」


「は?…」


「昨日は、もう会えないかもしれないから…、私のわがままを最後に聞いてくれたのかもって…思って…」


「…」


「本当は面倒くさいって、思ってるのか持って…」


「思ってるよ」


「っ…。」

(そう、だよね…。)




「すごく面倒くさくって、変に気を使うし、世の中のこと全然知らないし、笑顔とか最高に可愛いし、俺には眩しすぎるくらい純粋だ」


セツさんっ…」



「俺は好きでもない女とキスできるほど心は広くない。だけど、一度捕まえたら絶対離さない」





頬にあった唇を口元に移動し熱く口づけを交わす




重なる唇と唇が熱を持ち、絡まる舌が互いに求め合うようにくっつく





「っん、…あっ」


(印の…所が、痺れてっ…)




「ん…」

「っふぅん、っ!」


セツさんわざと印のところ触ってる!?)



舌の痺れが徐々に広がり立っていられなくなり彼にすがりつく


呼吸するのもやっとなくらい体が、痙攣けいれんしてるみたいに言うことを聞いてくれない





















ようやくキスから開放される


まだ体が痺れている







セツさんが支えていなければ、床に座り込んでいただろう

呼吸を整えるように深呼吸する







(心配するしすようなかったのかも…)


支える手は初めてあった日と変わらず優しかった















「…っ!せ、セツさん!?」


私を支えていた手はいつの間にか背中のファスナーへと移動していた


確実に下へと降ろされているファスナー音に驚きながらも抵抗ができなかった







「試着しねぇと。似合うかわからないじゃん」



「じっ、自分で、」



「手伝ってやるよ、着替え」



躊躇ちゅうちょなく服を脱がされる


ワンピースがぱさっ、っと音を鳴らして下着姿の私を少し悪い顔をして見つめていた





「っは、恥ずかしい…。」

「昨日見たし、今更恥ずかしがらなくても」

「昨日も恥ずかしかったよ…。」


「あーー…、こんな姿見れるの俺だけだと思うとすげぇ嬉しい」


「…っ、は、早く試着っ…。」




恥ずかしさを隠すように背を向けて服を手に取る



(昨日見られたけど、でも恥ずかしいよ…)








「何そんなに焦ってんの」

「っ!?」


「どうしたの」

「ど、どうしたのって、セツさんっ…。」


「なぁに?」

セツさんの、…手っ」



「手がどうかした?」

「っん、…手が、お腹…」



花穂カホのこと支えてんの」

「触り方っ、やっ…」




支えるというよりまるで刺激するみたいにすぅーっと、ゆっくり撫でるみたいに触れてくる


指の腹を使って下腹部のところを行ったり来たり





「っんんっ…。」


「試着するんでしょう、早く着なよ」





言葉とは裏腹に、着替えの邪魔をしているように感じた


行き来する指の腹を少しづつ下へ下へと動かし、肌と下着の境目まで下がり一旦動きを止める






「どうしたの、全然手が動いてないよ」


セツっさん…。」



「ん…?」


後ろから抱きつく体勢で両腕に挟まれ逃げることができない


何もできずにいる私を見て止まっていた手が動き始める



「…っ、…。」


(指がっ…。)


パンツの上から、下へ下へと降ろされて行く






撫でるように滑らす指の腹の絶妙な感触に体がびくつく


お腹にあった手は敏感な場所へと動く

布越しなのに彼の熱を感じた



少し動いただけで体全体にぞわっとした何かが走る

ぴくっと体が反応し少し汗ばんだ





「昨日のここでのやつ、覚えてる?」


耳元で囁かれ彼の甘い声と吐息に変な気分になる




「…うん…。」



中指を使って布越しに擦られる



「っあ!」


「そんな大きな声出したら店員に聞かれるぞ」


「っ…、だ、って…。」

彼の指によって起こされる刺激に耐えきれず脚を内側にぎゅっと閉じる


「…、反抗?」

かがみ越しに写ったセツさんは少しイジワルな顔をしていた






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