逍遙の殺人鬼

こあら

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「はぁ~…」

ボフッとベッドにダイブをブチかました
(脱力感……半端ない)

どこまでも深く落ちて行くみたいに柔らかいベッド
きっとお高いんだろう肌触りの良いシーツ
枕なんて均等に綿が詰められている

_____清潔そのものの部屋は豪華に見えて寂しかった…

「あと…2日か……」

まさかお泊まりだとは思っていなかった
やけに春さんは大荷物だなって思った
やけに沢山買ってくれると思った………

早めに会場から出て、一足早くお風呂に入って、1番に眠ろうとしてる
なんて贅沢なんだ

まだ寝るには早い時間だけど、体を休ませようと寝る支度をしていた
何故か潤さんから連絡が続いているスマホを充電した
どうやら私に会いたいらしいけど、私がここのパーティーに参加していると伝えるとこっちに来ると言い出した
主催者とは知り合いと、世間は本当に狭かった









「潤さんって確か財閥か何かって…」(そう言えば本人に聞いたことなかったな)

久しく会えていないからと言うけれど、ちょっと前にカジノでお会いした
まあ、話なんて出来ていなかったけどね

教会について話を聞けるかもしれないし、私に断る理由はなかった
明日のパーティーに参加するという事で、潤さんは大変満足そうだった
メール上でも分かってしまうなんて…と、いつの間にかやり取りに慣れてしまっている自分が恐ろしくも凄くも感じた

そんな時、コンコンッとノック音が聴こえた
「ちさ、居る?」と問いかけたのは、ギュウ君だった

「どうしたの?」

「いや、起きてるかな?って。寝るところだった?」

「寝るところだったけど、大丈夫。入口に居ないで入ったら?」

「いや…流石にそれはまずいだろ…。だって、」

「もー、何言ってんのか分かんないよ」

私はウジウジ言うギュウ君の腕を引っ張って部屋の中に入れた
おそらく彼もお風呂に入ったに違いない
ジャンプーやボディーソープの香りが、部屋の扉を開けた瞬間に漂って来た
それなのに寒い廊下になんて居させられなかった

「ちさ…お前、誰彼構わずに部屋に招き入れたりしてないよな?」

「見知らぬ人は居れないよ。私はそんなにバカに見えてるの……?」

「見知った人でも駄目だろ…。どーすんだよ、……襲われたりしたらさ……。」

「え、なに、私命狙われてる……?」

コントだろうか
その言葉を言った瞬間、ギュウ君は掌を自分の顔に当てた
そのあまりにもテンポの良さに思わず笑ってしまった

「何を笑ってるんだ。」と呆れ顔をしていた
どうしたのと聞くと「違うんだよ…。」とげんなりしてみせる

どうやら私は警戒心が乏しいらしい
あまりピンとこないが、ギュウ君の母親タイムが始まった
長々と話されるお説教じみた物に攻撃され、私は耐えられなくなり無理やり中断させた

「もーー、ムリー」

「"ムリー"じゃなくて、大事なことだぞ。」

「だっておかしいもん。何で部屋に入れちゃいけないのか全然理解できないもん」

「普通に考えて駄目だろ。男女が、しかも2人きりで居て何かあったじゃ済まないんだぞ!」

「じゃあ、ギュウ君も悪いじゃん」

「え、」

「ギュウ君だって男じゃん。何なのか知らないけど、危ないじゃん」

「俺は……何もしないから、イインダヨ…。」

声量のデクレッシェンド
どんどん声が小さくなって最後の部分が聴き取りにくくなっています
気まずい時にやる、彼のクセだ

その後もまた説明と称してお説教タイムの再開が始まった
私は内心、眠気が襲ってきてウトウトし始めていた
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