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「それで?」
「あ?」
「"あ?"じゃなくて!どうすんのさ。」
「何が?」
「"何が?"じゃなくてさー、もー。自宅も分かった、夕食も食べた、傷の手当もしてもらった。さて、どうする?」
「別にどーもしねぇけど」
一体何が言いたいんだ
人差し指をテーブルに当ててくねくね動かしてみせたり、視線を廊下の方に向けたり
意味が分からねぇ
回りくどいのは好きじゃない
「率直かつ簡潔に言えよ」
「ちーちゃんにお礼言わなくていいんですか?ジャン殿。」
「頼んだつもり無い。アイツが勝手にやったことだろ」
「ボクも頼まれてないけど、ちーちゃんに電話したよ。その時は助かったって、言ってたよね?」
「アレはお礼じゃなかったの?」って、わざとらしい言い方だ
口角上げて言う時は、たいていそうだ
(なんで俺が礼なんてしなきゃいけないんだ)
助けてくれだなんて頼んでない
傷の手当も、料理も、自宅のことだってそうだ
それに、もう寝ただろ
俺は、眠ってる奴に話しかける程落ちぶれたのか?
ぐっと拳を握っても、答えなど出て来やしない
あんたの部屋の前に立ったって、入ろうか躊躇する
「用が済んだなら、帰って下さい。」
「お前こそ元いた場所に帰ったらどうだ。あぁ、もう無いんだったな」
「あなたが燃やしたんでしょう。建物も、人も、全部!」
「とんだ勘違いだな」
「そうやって、ちさを苦しめるつもりですか。」
その言葉が耳に届いて、イラッとした
こんな青二才が、知ったような口を利くのは癪に障る
「ちさを危険な目にあわせて、よく平気で要られますね。あいつの気持ち知ってるくせにっ!」
「"気持ち"?そんなものは知らん」
「その額の傷、もしちさが負っていたらって考えなかったんですか?!」
生意気に俺の胸ぐらを掴むその腕は、思ってよりも太く逞しいモノだった
暴力なんて縁のないような面してるくせに、大人しい皮を被っていたとはな
俺はその手を振り払って首を掴み壁に追いやった
どデカイ音が出た
苦しそうな顔していたが、怯む様子はない
大したものだ
「お前、何も分かってないな」
「ッグ…」
「お前はな、生きてるんじゃないだよ。生かされてるんだ。助かったその命を、他の奴気にかけて失うような馬鹿な真似はするじゃねぇ」
「っ…、ッゴホッコホ」
手を話した瞬間むせ返る姿を見て、まだまだ幼いと改めて思った
首元を手でさすって俺のことを睨んでいるが、知ったこっちゃねぇ
何も知らない奴に用はない
情報を持っていない人間など、俺にとって価値がない
「お子様はさっさと寝ろよ」
「っゔ…。」
胸ぐらを掴んで部屋に放り投げた
アイツの隣の部屋だというだけでイラッとする
「お子様は早くねんねしな」
「俺は子供じゃない…。身内も失うものも無い。あるのは覚悟だけだ。」
「生半可な覚悟なんざ役に立たねぇよ」
「あなたはきっと成し遂げる。だから…その為に俺を使ってもらっても構わない。ただ、条件がある。」
部屋に明かりがないせいか、単なる見間違いか
さっき見せた表情よりも確かなものを確信したような、なよっとしたものを取っ払った顔をしているように見えた
「あ?」
「"あ?"じゃなくて!どうすんのさ。」
「何が?」
「"何が?"じゃなくてさー、もー。自宅も分かった、夕食も食べた、傷の手当もしてもらった。さて、どうする?」
「別にどーもしねぇけど」
一体何が言いたいんだ
人差し指をテーブルに当ててくねくね動かしてみせたり、視線を廊下の方に向けたり
意味が分からねぇ
回りくどいのは好きじゃない
「率直かつ簡潔に言えよ」
「ちーちゃんにお礼言わなくていいんですか?ジャン殿。」
「頼んだつもり無い。アイツが勝手にやったことだろ」
「ボクも頼まれてないけど、ちーちゃんに電話したよ。その時は助かったって、言ってたよね?」
「アレはお礼じゃなかったの?」って、わざとらしい言い方だ
口角上げて言う時は、たいていそうだ
(なんで俺が礼なんてしなきゃいけないんだ)
助けてくれだなんて頼んでない
傷の手当も、料理も、自宅のことだってそうだ
それに、もう寝ただろ
俺は、眠ってる奴に話しかける程落ちぶれたのか?
ぐっと拳を握っても、答えなど出て来やしない
あんたの部屋の前に立ったって、入ろうか躊躇する
「用が済んだなら、帰って下さい。」
「お前こそ元いた場所に帰ったらどうだ。あぁ、もう無いんだったな」
「あなたが燃やしたんでしょう。建物も、人も、全部!」
「とんだ勘違いだな」
「そうやって、ちさを苦しめるつもりですか。」
その言葉が耳に届いて、イラッとした
こんな青二才が、知ったような口を利くのは癪に障る
「ちさを危険な目にあわせて、よく平気で要られますね。あいつの気持ち知ってるくせにっ!」
「"気持ち"?そんなものは知らん」
「その額の傷、もしちさが負っていたらって考えなかったんですか?!」
生意気に俺の胸ぐらを掴むその腕は、思ってよりも太く逞しいモノだった
暴力なんて縁のないような面してるくせに、大人しい皮を被っていたとはな
俺はその手を振り払って首を掴み壁に追いやった
どデカイ音が出た
苦しそうな顔していたが、怯む様子はない
大したものだ
「お前、何も分かってないな」
「ッグ…」
「お前はな、生きてるんじゃないだよ。生かされてるんだ。助かったその命を、他の奴気にかけて失うような馬鹿な真似はするじゃねぇ」
「っ…、ッゴホッコホ」
手を話した瞬間むせ返る姿を見て、まだまだ幼いと改めて思った
首元を手でさすって俺のことを睨んでいるが、知ったこっちゃねぇ
何も知らない奴に用はない
情報を持っていない人間など、俺にとって価値がない
「お子様はさっさと寝ろよ」
「っゔ…。」
胸ぐらを掴んで部屋に放り投げた
アイツの隣の部屋だというだけでイラッとする
「お子様は早くねんねしな」
「俺は子供じゃない…。身内も失うものも無い。あるのは覚悟だけだ。」
「生半可な覚悟なんざ役に立たねぇよ」
「あなたはきっと成し遂げる。だから…その為に俺を使ってもらっても構わない。ただ、条件がある。」
部屋に明かりがないせいか、単なる見間違いか
さっき見せた表情よりも確かなものを確信したような、なよっとしたものを取っ払った顔をしているように見えた
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