190 / 333
191
しおりを挟む
私は今までジャンさんのことを勘違いしていたのかも知れない
違う名前を使っていたから、てっきり偽名を使っているんだと思い込んでた
春さんの話を聞くまで、ずっと詐欺師だとか思っていた
口にしたことこそないけど、失礼極まりないことだ…
「"自分の名前が嫌い"なんだとよ。まあ、嫌ならってジャン呼びでここまで来たって感じ」
「どうして、そんなに嫌なんですかね…」
「さあ?そんなに興味ないし、ちーちゃんが直接聞いてみれば?」
「答えてくれませんよ…嫌われてますから……」
あの冷めた目
苛つくと言い放つかのように眉をひそめて私を見る
そんな私に、自分のことを話してはくれないだろう…
春さんとの会話は、ジャンさんの話から臼田さんの話へと移動していった
私と臼田さんが初めて会ったのは8年前
臼田さんは傷だらけでごみの様に草むらに捨てられていた
大雨に打たれて、流血を促すように幼い彼に雨の粒が落ちていた
どうしてそうなったのか、春さんなら知ってると思った
本人の同意無く聞くのは良くないと思った
でも、今はすごく臼田さんの事が知りたくて、どうしてあの時あんなに傷ついていたのか知りたくて、聞いてしまっていた
「8年前?そりゃまた、だいぶ遡るね」
「私…8年前に臼田さんに会ってたんです。その時の臼田さんは、すごく…傷だらけで…。何か知りませんか?」
「そーね、8年前…8年前。亀が12の時か。確かその頃だったかな、妹が亡くなったの」
「妹さんがいたんですか?知らなかった…」(でも、妹がどうとか言っていた気が…。)
「今生きてたらちーちゃんと同じ18だったと思うよ。2歳下って聞いたことある。それと、当時"少し荒れてた"ってジャンが言ってたな」
荒れてる?あの臼田さんが?
蠅も殺さなそうな人なのに、荒れてる時期があったなんて
12歳……反抗…期?
私の12歳の時はどうだったっけ
荒れてたかな?
ううん、今と変わんないや
人の顔ばっか気にして、独りで閉じこもってた
(私も人のこと言えないや……)
当時の私は10歳
臼田さんの妹さんは私と同い年で、彼は12歳
ジャンさんは臼田さんより3歳年上だから15歳で春さんと幼なじみ
高校1年生か中学3年生?
「当時の春さんやジャンさん見てみたかったな」
「もう家に着く。そしたら写真見てみる?まだ可愛い顔したジャンの卒アルもあるよ」
「…それは、是非見てみたいですね…。でも、勝手に見たりして怒られませんか?」
「アタシの写真を見るのにジャンの了承は要らないでしょ?そのついでにアルバムにあるジャンの写真を見るかもしれないけどね」
「あぁ…なるほど……」
春さんはサングラス越しに、言いたいことわかるよな?とアイコンタクトしてくる
そうね…春さんの写真を見るだけだもん
その視界に昔のジャンさんの写真があるかもってだけ…
どうしてだろうか
ソワソワし始めてるし、心なしか楽しみにしている自分がいる
違う名前を使っていたから、てっきり偽名を使っているんだと思い込んでた
春さんの話を聞くまで、ずっと詐欺師だとか思っていた
口にしたことこそないけど、失礼極まりないことだ…
「"自分の名前が嫌い"なんだとよ。まあ、嫌ならってジャン呼びでここまで来たって感じ」
「どうして、そんなに嫌なんですかね…」
「さあ?そんなに興味ないし、ちーちゃんが直接聞いてみれば?」
「答えてくれませんよ…嫌われてますから……」
あの冷めた目
苛つくと言い放つかのように眉をひそめて私を見る
そんな私に、自分のことを話してはくれないだろう…
春さんとの会話は、ジャンさんの話から臼田さんの話へと移動していった
私と臼田さんが初めて会ったのは8年前
臼田さんは傷だらけでごみの様に草むらに捨てられていた
大雨に打たれて、流血を促すように幼い彼に雨の粒が落ちていた
どうしてそうなったのか、春さんなら知ってると思った
本人の同意無く聞くのは良くないと思った
でも、今はすごく臼田さんの事が知りたくて、どうしてあの時あんなに傷ついていたのか知りたくて、聞いてしまっていた
「8年前?そりゃまた、だいぶ遡るね」
「私…8年前に臼田さんに会ってたんです。その時の臼田さんは、すごく…傷だらけで…。何か知りませんか?」
「そーね、8年前…8年前。亀が12の時か。確かその頃だったかな、妹が亡くなったの」
「妹さんがいたんですか?知らなかった…」(でも、妹がどうとか言っていた気が…。)
「今生きてたらちーちゃんと同じ18だったと思うよ。2歳下って聞いたことある。それと、当時"少し荒れてた"ってジャンが言ってたな」
荒れてる?あの臼田さんが?
蠅も殺さなそうな人なのに、荒れてる時期があったなんて
12歳……反抗…期?
私の12歳の時はどうだったっけ
荒れてたかな?
ううん、今と変わんないや
人の顔ばっか気にして、独りで閉じこもってた
(私も人のこと言えないや……)
当時の私は10歳
臼田さんの妹さんは私と同い年で、彼は12歳
ジャンさんは臼田さんより3歳年上だから15歳で春さんと幼なじみ
高校1年生か中学3年生?
「当時の春さんやジャンさん見てみたかったな」
「もう家に着く。そしたら写真見てみる?まだ可愛い顔したジャンの卒アルもあるよ」
「…それは、是非見てみたいですね…。でも、勝手に見たりして怒られませんか?」
「アタシの写真を見るのにジャンの了承は要らないでしょ?そのついでにアルバムにあるジャンの写真を見るかもしれないけどね」
「あぁ…なるほど……」
春さんはサングラス越しに、言いたいことわかるよな?とアイコンタクトしてくる
そうね…春さんの写真を見るだけだもん
その視界に昔のジャンさんの写真があるかもってだけ…
どうしてだろうか
ソワソワし始めてるし、心なしか楽しみにしている自分がいる
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる