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この世界には思い続ければ、それが実現すると信じられている
その良い例が、引き合わせの法則だ
それは、良いことを考えれば良いことを引き寄せ、悪いことを考えれば悪いことを引き寄せるといったもの
思っていることやものと同じものを引き寄せるという法則
また、同じ道徳心を持っている者同士は、「引き合って出会う運命である」と言われている
臼田さんも私に会うと思い続けて、出会う事ができたんだろうか?
小さい頃、夜空に浮かぶ星に手を組んでお願いをした事があった
それはまだ叶っていないけど、私も思い続ければ、いつか引き合わせの法則で叶う…のかな?
「8年後にこうして会えるなんて…すごいですね」
「ちさちゃんに会えるまでの時間はすごく長くて、出会えてからは短く感じたよ。必ず見つけ出すって決めたんだ」
「"見つけ出す"って、コンビニの前で会ったのは偶然ですよね?」
「さぁ、それはどうかな」
はぐらかすみたいに応えて、下ろしたままの髪の毛を耳にかけてくれた
そのまま髪の毛先を摘んでは、くるくると人差し指に絡めて遊んでみせる
相変わらずといった感じだ
前にもこうやって、私の不気味な髪の毛に触れてきたことがある
その遊ぶ指を止めては「でも…」と重く話し始めた
先程、春さんから簡潔な説明を受けた臼田さんは、私が狙われている事でジャンさんの家で一緒に暮らすことが難しいことを憂いていた
一緒に暮らしたい
でも、私が危険な状況に居続けるのは望んでいないと
その両方の間にいる臼田さんは、已む無くと言った感じで、私が春さんのところに行くことを承諾してくれた
会えない訳じゃないからと、自分に言い聞かせているようだった
「家がバレてる可能性があるなら、僕もマークされてるかも知れない。だから、毎日は無理でもちょくちょく会いに行くよ」
「ごめんなさい…私のせいで」
「ううん、ちさちゃんのせいじゃないよ。でも、早いうちに答えが欲しいな」
「”答え"って、つまり…」
臼田さんの口から出た"好きだよ"に対する、返答のことだ
分からないと言ったからだ…
こんな私のどこがいいのか本当に分からない
嬉しいことには嬉しいけど、こんな私で良いのかな…って不安になる
私に臼田さんは勿体なくて、どうすればいいのか分からない
「そう言えば、どうして私が死んだと思ったんですか?」
「実はね、ちさちゃんは事故で死んだってジャンに言われたんだ。GPSを辿っても見つけ出せなかったし…、でも僕は死んだとは思ってなかったよ」
「ジャンさん…なんてことを……」(勝手に死んだことにされた…。)
「それじゃぁ、心淋しいけど僕はジャンを迎えに行くから」
「っえ!?ジャっ、ジャンさんを?」(迎えに行く!?)
またねと寂しげに手を振り、私と春さんが居たと思われる方向へ走って行った
そうか……
春さんが通訳者として教会に来たってことは、当然クリスチャンさんはジャンさんって事になるよね…
(そりゃ、顔が似てるはずだわ…)
そっくりさんだとか思ってた自分が恥ずかしい…
髪色と雰囲気が違うだけで、顔はジャンさんなのに…どうして気づかなかったんだろう
_____気づか…なかった?………
ばかばか!と自らオデコをポコポコ叩いていると、ップ!とクラクションが私を呼んだ
「そうだ、春さんが待ってるんだった…」
車で待機してる春さんのことを忘れていた私は、急いで車の方に体を方向転換して走り出そうとした
その時、脚が絡まってその場でコケてしまう
本当………ついてない…
少し痛む膝を無視して、待っている春さんのところへと向かった
その良い例が、引き合わせの法則だ
それは、良いことを考えれば良いことを引き寄せ、悪いことを考えれば悪いことを引き寄せるといったもの
思っていることやものと同じものを引き寄せるという法則
また、同じ道徳心を持っている者同士は、「引き合って出会う運命である」と言われている
臼田さんも私に会うと思い続けて、出会う事ができたんだろうか?
小さい頃、夜空に浮かぶ星に手を組んでお願いをした事があった
それはまだ叶っていないけど、私も思い続ければ、いつか引き合わせの法則で叶う…のかな?
「8年後にこうして会えるなんて…すごいですね」
「ちさちゃんに会えるまでの時間はすごく長くて、出会えてからは短く感じたよ。必ず見つけ出すって決めたんだ」
「"見つけ出す"って、コンビニの前で会ったのは偶然ですよね?」
「さぁ、それはどうかな」
はぐらかすみたいに応えて、下ろしたままの髪の毛を耳にかけてくれた
そのまま髪の毛先を摘んでは、くるくると人差し指に絡めて遊んでみせる
相変わらずといった感じだ
前にもこうやって、私の不気味な髪の毛に触れてきたことがある
その遊ぶ指を止めては「でも…」と重く話し始めた
先程、春さんから簡潔な説明を受けた臼田さんは、私が狙われている事でジャンさんの家で一緒に暮らすことが難しいことを憂いていた
一緒に暮らしたい
でも、私が危険な状況に居続けるのは望んでいないと
その両方の間にいる臼田さんは、已む無くと言った感じで、私が春さんのところに行くことを承諾してくれた
会えない訳じゃないからと、自分に言い聞かせているようだった
「家がバレてる可能性があるなら、僕もマークされてるかも知れない。だから、毎日は無理でもちょくちょく会いに行くよ」
「ごめんなさい…私のせいで」
「ううん、ちさちゃんのせいじゃないよ。でも、早いうちに答えが欲しいな」
「”答え"って、つまり…」
臼田さんの口から出た"好きだよ"に対する、返答のことだ
分からないと言ったからだ…
こんな私のどこがいいのか本当に分からない
嬉しいことには嬉しいけど、こんな私で良いのかな…って不安になる
私に臼田さんは勿体なくて、どうすればいいのか分からない
「そう言えば、どうして私が死んだと思ったんですか?」
「実はね、ちさちゃんは事故で死んだってジャンに言われたんだ。GPSを辿っても見つけ出せなかったし…、でも僕は死んだとは思ってなかったよ」
「ジャンさん…なんてことを……」(勝手に死んだことにされた…。)
「それじゃぁ、心淋しいけど僕はジャンを迎えに行くから」
「っえ!?ジャっ、ジャンさんを?」(迎えに行く!?)
またねと寂しげに手を振り、私と春さんが居たと思われる方向へ走って行った
そうか……
春さんが通訳者として教会に来たってことは、当然クリスチャンさんはジャンさんって事になるよね…
(そりゃ、顔が似てるはずだわ…)
そっくりさんだとか思ってた自分が恥ずかしい…
髪色と雰囲気が違うだけで、顔はジャンさんなのに…どうして気づかなかったんだろう
_____気づか…なかった?………
ばかばか!と自らオデコをポコポコ叩いていると、ップ!とクラクションが私を呼んだ
「そうだ、春さんが待ってるんだった…」
車で待機してる春さんのことを忘れていた私は、急いで車の方に体を方向転換して走り出そうとした
その時、脚が絡まってその場でコケてしまう
本当………ついてない…
少し痛む膝を無視して、待っている春さんのところへと向かった
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