逍遙の殺人鬼

こあら

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かぼちゃの実を取り抜く私
かぼちゃをくり抜く、肩を小刻みに揺らすギュウ君

単調な作業なはずなのに、彼は笑いを堪えながら取り組んでいる様だ
少し呼吸を整えたかと思うと、すぐ思い出したようにまた肩を揺らす

「ねえ!いつまでも笑わないでよ」

「ごめんって。でも、さっきのちさの本気マジの顔が頭から離れなくって。」

「人の顔見て笑うとか、失礼でしょ!」

「あーー、お腹痛い。筋肉痛になるかも。」

笑いで筋肉痛になるなんて聞いたことない
そんなに私のかおは愉快ですか?

いいですか?今は作業する時間ですよ
手を動かしてくださいね
肩じゃなくて、手ですよ?手!









「遅くなりました。作業の方はどうですか?」

「シスターシオリ。あと少しで終わりそうです」

「そうですか、私もやりますね。ところで、愉しそうでしたがなんのお話を?」

やっぱり聞きますよね……
本当は嫌だけど…と渋っていると、笑うギュウ君が代行をしてくれた
これをありがた迷惑と言うのでしょうか?

おまけに、私の必死な姿の様子までご丁寧に伝えてくれた
ありがた迷惑を通り越して、名誉毀損では?

そんな彼を睨む私にシスターシオリは微笑み「あながち嘘ではないかもしれませんよ。」と意味深なことを言い始めた
なんか…やめて?
その、怪談話するみたいな流れ

別に、恋バナするみたいな感じで、軽く行われ無くていいんですけど…
"そう言えばさー"みたいなノリで始めるのやめません?
シスターシオリは、そう言うオカルト的な話は大好きなようだから、困る

「私も、ハロウィンの日はよく見えるのですよ。」

「っみ、見えるって…何がですか?」

「黒く長い髪、青白い肌に薄汚れた服装でこちらを見ている方を。」

「っまっま、ってください!!…あの、お喋りはヤメて手を動かしません?」

笑って話すから、なおさら怖い
シスターシオリの変わらない口調が、ギュウ君の時とは違った恐怖を植え付けてくる

背筋が凍る様な、寒くなるような…そんな感じだ
時折微笑んでくるその瞬間が、こういう話をする時は1番怖い
はい、今あなたに向かって話してますよーっと、再認知させてくる
そんな知らせ、いらないよ…………

それなのに煽るように「西の棟はヤバイですよね。」とか言い始めるギュウ君のせいで、逆戻りになってしまったではないか
余計なこと…こっちが怖がっていることを分かっていてやってるこの人は、完全なる確信犯であります……

「西の棟は確実に出ますね。私も昔、近くを通った時に」

「わーーーーーーーーーーーーー!」(もう、強制的に耳に入らないようにするしかない)

「おいおい、人の話を聴かないのは失礼だぞちさ。」

「怖がってるの分かってるのに進める方がでしょ!!」

失礼と言う前に、己の言動を改めてよ
さっき"ごめん"と言ったのは口から出たデマなのか?

どうでもいいから、早くジャックオーランタンを作り終えようよ
最重要目的、お二人とも忘れてませんよね?
これが今やるべきことですよ?
つまり仕事よ?喋ったら本来駄目よ?
怖い話してる場合じゃないよ?
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