137 / 333
137
しおりを挟む
かぼちゃの実を取り抜く私
かぼちゃをくり抜く、肩を小刻みに揺らすギュウ君
単調な作業なはずなのに、彼は笑いを堪えながら取り組んでいる様だ
少し呼吸を整えたかと思うと、すぐ思い出したようにまた肩を揺らす
「ねえ!いつまでも笑わないでよ」
「ごめんって。でも、さっきのちさの本気の顔が頭から離れなくって。」
「人の顔見て笑うとか、失礼でしょ!」
「あーー、お腹痛い。筋肉痛になるかも。」
笑いで筋肉痛になるなんて聞いたことない
そんなに私の面は愉快ですか?
いいですか?今は作業する時間ですよ
手を動かしてくださいね
肩じゃなくて、手ですよ?手!
「遅くなりました。作業の方はどうですか?」
「シスターシオリ。あと少しで終わりそうです」
「そうですか、私もやりますね。ところで、愉しそうでしたがなんのお話を?」
やっぱり聞きますよね……
本当は嫌だけど…と渋っていると、笑うギュウ君が代行をしてくれた
これをありがた迷惑と言うのでしょうか?
おまけに、私の必死な姿の様子までご丁寧に伝えてくれた
ありがた迷惑を通り越して、名誉毀損では?
そんな彼を睨む私にシスターシオリは微笑み「あながち嘘ではないかもしれませんよ。」と意味深なことを言い始めた
なんか…やめて?
その、怪談話するみたいな流れ
別に、恋バナするみたいな感じで、軽く行われ無くていいんですけど…
"そう言えばさー"みたいなノリで始めるのやめません?
シスターシオリは、そう言うオカルト的な話は大好きなようだから、困る
「私も、ハロウィンの日はよく見えるのですよ。」
「っみ、見えるって…何がですか?」
「黒く長い髪、青白い肌に薄汚れた服装でこちらを見ている方を。」
「っまっま、ってください!!…あの、お喋りはヤメて手を動かしません?」
笑って話すから、なおさら怖い
シスターシオリの変わらない口調が、ギュウ君の時とは違った恐怖を植え付けてくる
背筋が凍る様な、寒くなるような…そんな感じだ
時折微笑んでくるその瞬間が、こういう話をする時は1番怖い
はい、今あなたに向かって話してますよーっと、再認知させてくる
そんな知らせ、いらないよ…………
それなのに煽るように「西の棟はヤバイですよね。」とか言い始めるギュウ君のせいで、逆戻りになってしまったではないか
余計なこと…こっちが怖がっていることを分かっていてやってるこの人は、完全なる確信犯であります……
「西の棟は確実に出ますね。私も昔、近くを通った時に」
「わーーーーーーーーーーーーー!」(もう、強制的に耳に入らないようにするしかない)
「おいおい、人の話を聴かないのは失礼だぞちさ。」
「怖がってるの分かってるのに進める方が失礼でしょ!!」
失礼と言う前に、己の言動を改めてよ
さっき"ごめん"と言ったのは口から出たデマなのか?
どうでもいいから、早くジャックオーランタンを作り終えようよ
最重要目的、お二人とも忘れてませんよね?
これが今やるべきことですよ?
つまり仕事よ?喋ったら本来駄目よ?
怖い話してる場合じゃないよ?
かぼちゃをくり抜く、肩を小刻みに揺らすギュウ君
単調な作業なはずなのに、彼は笑いを堪えながら取り組んでいる様だ
少し呼吸を整えたかと思うと、すぐ思い出したようにまた肩を揺らす
「ねえ!いつまでも笑わないでよ」
「ごめんって。でも、さっきのちさの本気の顔が頭から離れなくって。」
「人の顔見て笑うとか、失礼でしょ!」
「あーー、お腹痛い。筋肉痛になるかも。」
笑いで筋肉痛になるなんて聞いたことない
そんなに私の面は愉快ですか?
いいですか?今は作業する時間ですよ
手を動かしてくださいね
肩じゃなくて、手ですよ?手!
「遅くなりました。作業の方はどうですか?」
「シスターシオリ。あと少しで終わりそうです」
「そうですか、私もやりますね。ところで、愉しそうでしたがなんのお話を?」
やっぱり聞きますよね……
本当は嫌だけど…と渋っていると、笑うギュウ君が代行をしてくれた
これをありがた迷惑と言うのでしょうか?
おまけに、私の必死な姿の様子までご丁寧に伝えてくれた
ありがた迷惑を通り越して、名誉毀損では?
そんな彼を睨む私にシスターシオリは微笑み「あながち嘘ではないかもしれませんよ。」と意味深なことを言い始めた
なんか…やめて?
その、怪談話するみたいな流れ
別に、恋バナするみたいな感じで、軽く行われ無くていいんですけど…
"そう言えばさー"みたいなノリで始めるのやめません?
シスターシオリは、そう言うオカルト的な話は大好きなようだから、困る
「私も、ハロウィンの日はよく見えるのですよ。」
「っみ、見えるって…何がですか?」
「黒く長い髪、青白い肌に薄汚れた服装でこちらを見ている方を。」
「っまっま、ってください!!…あの、お喋りはヤメて手を動かしません?」
笑って話すから、なおさら怖い
シスターシオリの変わらない口調が、ギュウ君の時とは違った恐怖を植え付けてくる
背筋が凍る様な、寒くなるような…そんな感じだ
時折微笑んでくるその瞬間が、こういう話をする時は1番怖い
はい、今あなたに向かって話してますよーっと、再認知させてくる
そんな知らせ、いらないよ…………
それなのに煽るように「西の棟はヤバイですよね。」とか言い始めるギュウ君のせいで、逆戻りになってしまったではないか
余計なこと…こっちが怖がっていることを分かっていてやってるこの人は、完全なる確信犯であります……
「西の棟は確実に出ますね。私も昔、近くを通った時に」
「わーーーーーーーーーーーーー!」(もう、強制的に耳に入らないようにするしかない)
「おいおい、人の話を聴かないのは失礼だぞちさ。」
「怖がってるの分かってるのに進める方が失礼でしょ!!」
失礼と言う前に、己の言動を改めてよ
さっき"ごめん"と言ったのは口から出たデマなのか?
どうでもいいから、早くジャックオーランタンを作り終えようよ
最重要目的、お二人とも忘れてませんよね?
これが今やるべきことですよ?
つまり仕事よ?喋ったら本来駄目よ?
怖い話してる場合じゃないよ?
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる