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車は進み私達の番が回ってくる
車から降りて差し出された手を握れば、ようこそと門番が歓迎してくれる
行きましょうかと握る主に言おうと向くと、それが誰なのか一瞬分からなかった
仮面で隠された顔により認識は遅れ、えっと…と私を悩ませる
私を見てニコッと笑うと、その人が臼田さんだと分かり安堵した
「レイモンドだ」
「レイモンド様御一行確認しました。どうぞ。」
"レイモンド"、それはあの女の人に使っていた偽名で、私はレイモンドの助手という役を担っている
そう、私は遊びに来たわけではない
だけど、こんな非日常に心が高鳴る
仮面を着けた臼田さんに手を引かれ、中に入ると色んな仮面を着けた人々で賑わっていた
ざわめく大通りを抜けて大ホールに着くと、真っ先に目に入ったのはフルーツの盛り合わせや取り放題と言わんばかりに並んでいる料理たちだ
そんなご馳走を前に、ヨダレが出そうだが口周りの締りを強くし隣の臼田さんに行ってもいいか目で訴えた
それに気づくと、笑いながら「いいよ」と言ってくれる
「ありがとうございます!お2人の分も持ってきますね!!」
「ちさちゃん嬉しそうだね。」
私はその興奮冷めやらない気持ちでバイキング場に向かった
そこには作りづらいものから、滅多に食べることのない料理がずらりと並べてられている
その中で私が目をつけたのは、やっぱりパフェだろう
イチゴパフェかバナナパフェ、さてどちらを選ぶか…
いや、ここはまずちゃんと主食を食べたほうがいいかな
取り敢えずワンプレートに取れるだけの主食を取り、2人元に帰ることにした
2人は何やら話し込んでたみたいだったが、私は気づいておらず空気が読めない女みたいに間に割って入る
お待たせしました、だなんて呑気に言ってしまう
「色々あって迷ったんですが、取れるだけふんだくって来ました!」
「あんたの分は」
「2皿分しか持てなくて…でも大丈夫でっぐ…」
「毒味しろ」
そう言ってえび天を口に突っ込んでくる
嫌とは言わせない彼の強引さに、眉をひそめるが仮面で見えてはいない
(美味しいけど………)
モグモグと食べ進めると、今度は臼田さんが「はい、あーん」とハンバーグを食べさせてくる
反射的に反応してしまい、ッハと気づいた時にはそれは口の中に入ってしまっていて、既に手遅れな状態だった
2人に食べてもらおうと思って持ってきたのに、何かと食べさせようとしてくる
「持ってろ」
「っえ、でもこれジャンさんの…、どこ行くんですか?」
「あー…、ちさちゃん向こうにパフェがあるよ」
「そうなんですよ!でも、イチゴパフェかバナナパフェか迷ってて」
悩む私に「どっちも食べたら?」と提案してくれるが、残念ながら2つ食べれるほどの余裕は残っていない
更にコルセットでウエストを締め付けられているので、いつもよりも量が入らない
ちょっと2つとお見合いしてきますね、と告げデザートコーナーに向う
どちらも捨てがたい美味しさなのは、承知
甘酸っぱさか滑らかさか……
腕を組みながら悩んでパフェを睨んでいれば、急により一層ザワザワと私の周りがざわめき始めたに
「貴方、どこのご令嬢?」
「え、ご令嬢?……」
「こちらが聞いてますの、お答えになって」
「私は令嬢では…」
華奢な体型に似合わないどでかいダイヤモンドのネックレスが目立つ彼女は、扇子で口元を隠し「では企業の方?」と見据えてくる
えっと……ジャンさんは何をしてる人って設定だったけ?
車から降りて差し出された手を握れば、ようこそと門番が歓迎してくれる
行きましょうかと握る主に言おうと向くと、それが誰なのか一瞬分からなかった
仮面で隠された顔により認識は遅れ、えっと…と私を悩ませる
私を見てニコッと笑うと、その人が臼田さんだと分かり安堵した
「レイモンドだ」
「レイモンド様御一行確認しました。どうぞ。」
"レイモンド"、それはあの女の人に使っていた偽名で、私はレイモンドの助手という役を担っている
そう、私は遊びに来たわけではない
だけど、こんな非日常に心が高鳴る
仮面を着けた臼田さんに手を引かれ、中に入ると色んな仮面を着けた人々で賑わっていた
ざわめく大通りを抜けて大ホールに着くと、真っ先に目に入ったのはフルーツの盛り合わせや取り放題と言わんばかりに並んでいる料理たちだ
そんなご馳走を前に、ヨダレが出そうだが口周りの締りを強くし隣の臼田さんに行ってもいいか目で訴えた
それに気づくと、笑いながら「いいよ」と言ってくれる
「ありがとうございます!お2人の分も持ってきますね!!」
「ちさちゃん嬉しそうだね。」
私はその興奮冷めやらない気持ちでバイキング場に向かった
そこには作りづらいものから、滅多に食べることのない料理がずらりと並べてられている
その中で私が目をつけたのは、やっぱりパフェだろう
イチゴパフェかバナナパフェ、さてどちらを選ぶか…
いや、ここはまずちゃんと主食を食べたほうがいいかな
取り敢えずワンプレートに取れるだけの主食を取り、2人元に帰ることにした
2人は何やら話し込んでたみたいだったが、私は気づいておらず空気が読めない女みたいに間に割って入る
お待たせしました、だなんて呑気に言ってしまう
「色々あって迷ったんですが、取れるだけふんだくって来ました!」
「あんたの分は」
「2皿分しか持てなくて…でも大丈夫でっぐ…」
「毒味しろ」
そう言ってえび天を口に突っ込んでくる
嫌とは言わせない彼の強引さに、眉をひそめるが仮面で見えてはいない
(美味しいけど………)
モグモグと食べ進めると、今度は臼田さんが「はい、あーん」とハンバーグを食べさせてくる
反射的に反応してしまい、ッハと気づいた時にはそれは口の中に入ってしまっていて、既に手遅れな状態だった
2人に食べてもらおうと思って持ってきたのに、何かと食べさせようとしてくる
「持ってろ」
「っえ、でもこれジャンさんの…、どこ行くんですか?」
「あー…、ちさちゃん向こうにパフェがあるよ」
「そうなんですよ!でも、イチゴパフェかバナナパフェか迷ってて」
悩む私に「どっちも食べたら?」と提案してくれるが、残念ながら2つ食べれるほどの余裕は残っていない
更にコルセットでウエストを締め付けられているので、いつもよりも量が入らない
ちょっと2つとお見合いしてきますね、と告げデザートコーナーに向う
どちらも捨てがたい美味しさなのは、承知
甘酸っぱさか滑らかさか……
腕を組みながら悩んでパフェを睨んでいれば、急により一層ザワザワと私の周りがざわめき始めたに
「貴方、どこのご令嬢?」
「え、ご令嬢?……」
「こちらが聞いてますの、お答えになって」
「私は令嬢では…」
華奢な体型に似合わないどでかいダイヤモンドのネックレスが目立つ彼女は、扇子で口元を隠し「では企業の方?」と見据えてくる
えっと……ジャンさんは何をしてる人って設定だったけ?
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