逍遙の殺人鬼

こあら

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派手な銀髪から大人しめな黒髪への変貌に戸惑いながらも、黒髪も似合っていると感じた
ジャンさんの髪は癖っ毛のせいか少しうねっていて若干の寝癖もついている
その髪の間から見える瞳に魅入られそうになる

「っに、似合ってますよ…」

「あんたの意見とか求めてないし」

(ですよね……それより、離してはくれないものか…………)

困っている私にジャンさんは意地悪をする
シャツをまくり上げると下着に手をかけと「またババくせぇ下着つけやがって」とがっかりした声で言ってくる

だってお得だったんだもん……

「なに逃げようとしてんの」

「だって……ジャンさんが…」

「俺がなに」

ズボンを下ろそうとするから…………
逃げたくもなるでしょ

下ろそうとする彼の手とは反対の方に両手で対抗する
向こうは片手でこっちは両手なのに互角、いやジャンさんの方が優っている

ジャンさんが触るから変な夢まで見ちゃったし……
これ以上彼の好きにさせてはいけない

「また…やろうと、しないでください」

「”また”?またってなに?」

「ジャンさんのせいでっ、」

変な夢を見たとは………………言えない
そんな夢見たなんて言ったら、またなにを言われるか……
夢を思い出すだけで顔が赤面する

「なに?まさか俺とヤってる夢でも見たの?」

「っ!?っま、まさかー。やだな、もージャンさんは………笑えないですよ」

「本当に見たんだ、どうだった?俺とのセックスは」

そんなもん知りませんよ!!!!
第一、ヤってないし………

入れる前に夢、終わったし……
てか、終わってくれて良かったし!!

「知らないですよ……」

「なんなら実践してみるか」

「っえ!ジャンさん?」

寝転ぶ体を起こし、良いしょっと私の上にまたがる
ギシッ………とベッドが揺れ、ここがベッドの上だと言うことを再認識させてくる

やめましょう、と言う私の言葉に「俺ナマがいいんだけど」と全く話が噛み合わない
いやいや、こんな状況でできるわけないでしょ
下には臼田うすたさんが居るのに……居なくてもダメだけど

どうにかこうにか、暴れながら彼の檻から抜け出すが足首を掴まれ態勢を崩す
床の上ならば保てたそれは、ふかふかのベッドによっってジェンガみたいに倒壊する

「やばっ」

「うわっ!?」

確かに伸ばしたその手を私は取ることができず下に落ちた
「うぐっ」っと鈍い声とドン!と言う落下音が鳴り響く
背中に痛みが走り思わず身を竦むみたいに丸まる

「もぉ………なにーーー?」と最悪の起こされ方をした臼田うすたさんは眉間にシワを寄せながら体を起こすが、申し訳ないがそれに構っていられるほど今の私には余裕がない
背部がジンジンする
臼田うすたさんの上に落ちたが、彼のガタイの良い体はもはや凶器だ

「痛い…………」

「っえ!ちさちゃんどうしたの?それになんで僕床で寝てるの?」

「あー、邪魔だと思ってなんか蹴ったけど、あれかめだったのか」

なんて足癖の悪い………
臼田うすたさんもよくその衝撃に耐えて寝たな

背中の痛みに耐え起き上がる
臼田うすたさんは寝起きらしさのある髪の毛でこちらを心配そうに見ている
大丈夫ですだなんて言ってみるけど、正直めちゃめちゃ痛い

臼田うすたさんの方は、大丈夫ですか?」

「驚いただけ、特に怪我とかはないよ。どうしてこんなことに…」

「お前が悪い。」

どの口が言ってるんですか!!??
元はと言えばジャンさんが変な意地悪をしなければこんなことにはならなかったのに……
なのに、どうしてこうも平面な顔でいられるのだろうか

「どうして僕のせいなのー?」

「昨日お前俺に薬飲しただろ」

「一緒に寝ればちさちゃん怖くないと思って。ジャン嫌がるのわかってたから」

「確信犯だな、よーし歯食いしばれ」

指をボキボキ鳴らしながら臼田うすたさんの方に行こうとするもんだから、助けようと思って今日仕事ですよねーと彼を部屋から出す
彼と2人きりになってしまったこの部屋は、謎に緊張が走っていて、私も朝食作らなきゃ…と部屋から逃げようとする
だが、それを阻むのはジャンさんだ
珍しく優しく手に触れる彼に驚き振り返る

「あんた下着買いかえろよ」

「んな、………」

それだけを言うと部屋を出て行く
ずっとこの下着つけてやる………
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