59 / 333
59
しおりを挟む
私からリストを取り上げると棚の方に目をやり、ジャンさんはまた何かを考える様に耽っている
そんな姿をただただ見ているだけの私が居た
銀杏に高麗人参なんて最悪の組み合わせだ
そんな知識を持っている自分にもゾッとするし、何よりジャンさんがそんなリストを持っていることが一番怖い
誰かに食べさせるつもり?
銀杏中毒で苦しめたいと思ってるの?
そんな風に思いながら、彼の結ばれた髪の毛を見つめていると1枚の写真を手渡してくる
「……なんですか?」
「この中で気になることあったら言え」
その説明は理解するには不十分で、少し頭が混乱する
だって、まだ銀杏コロッケとかオキシトシンとかちゃんと説明されてない
でも命令とも取れる言葉に従い写真に目を向ける
渡された写真には普通のごはんが写っているだけで特に変なところは見当たらない
その旨を伝えると「この中に毒になるものは入っていないのか?」と聞かれる
写真だけじゃわからない
直接見てみないと気づけないことだってあるし、調味料なんかに毒を入れればどの料理も危険だ
「まあ、例えばこのニラ玉炒めがイヌサフランを使っていたり、このとろろも里芋じゃなくてクワズイモだったりしたら、毒になりますね。見た目が似ているので間違えて食べると危険です。」
「それを食ったらどうなる」
「最悪の場合、死にます……」
何故こんな話になったのだろうか?
この写真に写っている食事に、それが入っているとは断言できない
ただ”毒はあるか?”と聞かれたら食べえてはいけない見た目が普通なもの、という方に考えただけだ
さっきから何故そんな話ばかりしてくるんだろう……
「どうしてそんなこと聞いてくるんですか?」
「調べてんだ、」
「どう、して…ですか?」
「あんた、どうしてそんなこと知ってんの?」
私の質問に答えず逆に質問を投げかけてくる
確かに、イヌサフランやクワズイモなんて普通の人は知らないだろう
その答えは簡単だ
本を読んだから、年に1度だけ図書館に行くことができた
その時できるだけ沢山の本をかたっ端から読んで、その中に食に関する本があった
私はそれを読み食べてはいけないモノ、触れると危険なモノを脳にインプットした
その記憶は消えることはなく今も残っていて、脳内の本の棚から引き出し広げることでその時覚えたものが鮮明に浮き上がる
今回もそんな感じで口から出た
「昔、本で読んだんです」
「あんた意外と使えるかもな」
そういうと壁に追いやるみたいに距離を詰めてくる
それに反応した身体は後ろへと後退り、簡単にジャンさんとの距離を縮めるかの様に導き彼の影の中へと入る
身が竦み手に持ってる写真が歪むほどギュッと力が入る
逃げようとすれば脇から逃げられる
けど彼を前に私は、罠にかかったネズミみたいに身動きが取れずに居る
「使えるって…物みたいに、言わないでください………」
「あんたは俺のものだろ?」
「っ”俺のもの”って、私は物じゃない……です…」
そんなことを弱々しく言ったところで彼には響かない
詰められた距離の間は何故か酸素が薄く感じる
それに加え何故か心臓がドクドクとうるさく、私を妙に焦らせる
「じゃぁ、俺のおんな?」
「ッ!?…それも困ります!お互い困る言い方はやめましょう…」
見上げる顔を横にずらし視界からジャンさんを入れない様にした
”俺のおんな”って、ものより攻撃力がある
彼女でもないのにそんな風に言われたら、周りの人だって誤解しかねない
なのに彼がいきなり首を触ってくるもんだから、びくっと身体が反応してしてしまう
どうして何も言わないで触るのか?しかも首に
触る手は離れず私の反応を面白がるみたいに指を遊ばせる
まぶたをギュッと瞑って必死に耐える
「嫌ならやめてって言ってみろよ」
「言ったら、やめてくれるんですか……?」
「やめない」
なら言ったところで意味ないじゃないですか!!
意地悪なそれは止まることなく、冷たい壁を背中で感じ張り付くみたいにできるだけ離れようと無駄な足掻きをする
どれだけ後ろに行こうともそこは壁で次に行けるわけが無いのに、ぐぐぐっと後ろに重心を置いた
そんな姿をただただ見ているだけの私が居た
銀杏に高麗人参なんて最悪の組み合わせだ
そんな知識を持っている自分にもゾッとするし、何よりジャンさんがそんなリストを持っていることが一番怖い
誰かに食べさせるつもり?
銀杏中毒で苦しめたいと思ってるの?
そんな風に思いながら、彼の結ばれた髪の毛を見つめていると1枚の写真を手渡してくる
「……なんですか?」
「この中で気になることあったら言え」
その説明は理解するには不十分で、少し頭が混乱する
だって、まだ銀杏コロッケとかオキシトシンとかちゃんと説明されてない
でも命令とも取れる言葉に従い写真に目を向ける
渡された写真には普通のごはんが写っているだけで特に変なところは見当たらない
その旨を伝えると「この中に毒になるものは入っていないのか?」と聞かれる
写真だけじゃわからない
直接見てみないと気づけないことだってあるし、調味料なんかに毒を入れればどの料理も危険だ
「まあ、例えばこのニラ玉炒めがイヌサフランを使っていたり、このとろろも里芋じゃなくてクワズイモだったりしたら、毒になりますね。見た目が似ているので間違えて食べると危険です。」
「それを食ったらどうなる」
「最悪の場合、死にます……」
何故こんな話になったのだろうか?
この写真に写っている食事に、それが入っているとは断言できない
ただ”毒はあるか?”と聞かれたら食べえてはいけない見た目が普通なもの、という方に考えただけだ
さっきから何故そんな話ばかりしてくるんだろう……
「どうしてそんなこと聞いてくるんですか?」
「調べてんだ、」
「どう、して…ですか?」
「あんた、どうしてそんなこと知ってんの?」
私の質問に答えず逆に質問を投げかけてくる
確かに、イヌサフランやクワズイモなんて普通の人は知らないだろう
その答えは簡単だ
本を読んだから、年に1度だけ図書館に行くことができた
その時できるだけ沢山の本をかたっ端から読んで、その中に食に関する本があった
私はそれを読み食べてはいけないモノ、触れると危険なモノを脳にインプットした
その記憶は消えることはなく今も残っていて、脳内の本の棚から引き出し広げることでその時覚えたものが鮮明に浮き上がる
今回もそんな感じで口から出た
「昔、本で読んだんです」
「あんた意外と使えるかもな」
そういうと壁に追いやるみたいに距離を詰めてくる
それに反応した身体は後ろへと後退り、簡単にジャンさんとの距離を縮めるかの様に導き彼の影の中へと入る
身が竦み手に持ってる写真が歪むほどギュッと力が入る
逃げようとすれば脇から逃げられる
けど彼を前に私は、罠にかかったネズミみたいに身動きが取れずに居る
「使えるって…物みたいに、言わないでください………」
「あんたは俺のものだろ?」
「っ”俺のもの”って、私は物じゃない……です…」
そんなことを弱々しく言ったところで彼には響かない
詰められた距離の間は何故か酸素が薄く感じる
それに加え何故か心臓がドクドクとうるさく、私を妙に焦らせる
「じゃぁ、俺のおんな?」
「ッ!?…それも困ります!お互い困る言い方はやめましょう…」
見上げる顔を横にずらし視界からジャンさんを入れない様にした
”俺のおんな”って、ものより攻撃力がある
彼女でもないのにそんな風に言われたら、周りの人だって誤解しかねない
なのに彼がいきなり首を触ってくるもんだから、びくっと身体が反応してしてしまう
どうして何も言わないで触るのか?しかも首に
触る手は離れず私の反応を面白がるみたいに指を遊ばせる
まぶたをギュッと瞑って必死に耐える
「嫌ならやめてって言ってみろよ」
「言ったら、やめてくれるんですか……?」
「やめない」
なら言ったところで意味ないじゃないですか!!
意地悪なそれは止まることなく、冷たい壁を背中で感じ張り付くみたいにできるだけ離れようと無駄な足掻きをする
どれだけ後ろに行こうともそこは壁で次に行けるわけが無いのに、ぐぐぐっと後ろに重心を置いた
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる