逍遙の殺人鬼

こあら

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お風呂に入ったまま、いつまでたっても出て来ないジャンさんが心配になる
脱衣所とお風呂を境界する扉をノックし、ジャンさん?と呼びかけるが、返事はなく妙に怖くなった
開けますね、と一言断りを入れゆっくりと扉を開く
そこには傷だらけのジャンさんが湯船に浸かっていて、目を閉じているのが何故か不安にさせる
ジャンさん!と、ただでさえ響くお風呂場で大きく叫ぶみたいに言ったもんだから、うるさいくらい反響した

「ジャンさん!大丈夫ですか!?」

「………、」

「どうしよう……、きゅっ救急車…っ呼ばなきゃ……」

しかし、私の動きを止めるみたいにガッと手を掴まれた
ジャンさんは下を向いたまま、ゆっくりと口を開くと私に言った

「あんたさ、学ばないわけ?」

「ジャンさん…それより、傷が…」

「何でそんなに、…馬鹿なわけ?」









掴む手に痛いくらい力が入り、骨が悲鳴を上げている
痛いです……そう言っても離してくれない
その痛みに涙ぐみ、離してください……と言うと手を離したかと思ったら、胸ぐらを掴まれグッと彼の方に持っていかれる

「俺に近寄んなよ」

「っジャ、ジャンさんっ……」

「そんなにセックスしたいなら、かめの所にでも行けよ!」

「っ…、違っう……。ジャンさんがっ心配で……」

そう言う私に怒りをあらわにし「うるせっ!」と後ろに投げ飛ばされた
硬い壁に背中を打ちつけ、その反動でうずくまる
____痛い…
背中も手も、何もかもが痛い

どうしてそんなに怒るのか分からない
痛みで泣いているのか、ジャンさんに言われたことで泣いているのかも分からない
何をしたいのかも分からない
ただ、つけ離されたくないだけ…………

「ジャンさん……傷…」

「あんた本当しつこいな!そうか、そんなにヤりたいならヤってやるよ」

近寄る私を湯船に落とし、怒れるその口で私の口を塞いだ
息を止めるように荒々しくするそれに逆らえないまま、彼に下着をやぶられてしまう
濡れた肌に彼が選んでくれたワンピースが張り付き、少し気持ちが悪く私の体温を奪っていく
揺れる水面によって裾は広がり、下半身をあらわにさせる

「ほら開けよ」

「ジャンさんっ、やめ…」

「なんだよ、前戯求めてんの?そんなの自分でやれよ」

両脚を開かせ私の手を強引に引っ張ると「しろよ」と陰部に押し付る
震える手で何もできずにいる私を、脚を押さえつけ見据える彼に、できないと言うと「"できない"じゃない、しろ」とまるで聞いてくれない

…………だって、ない……
どうやれば良いかなんて分からない


「っう、…したこと……ないですっ…」

「俺にやれって言ってんのか?」

「…つっ!?」

脚から手を離し自分の方に引き寄せると、後ろから抱きしめるみたいにくっつき、彼の指が触れる
そんな彼の腕の動きを止めようと手で押さえるも、びくともしない
ぴちゃっぴちゃっと水の音と、自分の荒く呼吸する音がお風呂中に響き、口元を手で隠すように覆う

ぶるっと身体震え、ジャンさんにすがるように体を預けてしまう
んんっ!と自分の意図はそぐわない声と彼の呼吸の音に変になってしまいそうだ
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