波のカナタ

石川 直生

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晶 功 2

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 晶と功、放課後に、買い物に行こうとスーパーへの道路を歩く。古い家が、10軒立ち並ぶ区画を、通りかかる。小学生4人が、たむろしている。小学生男子の1人が、声を掛けてくる。
「河本!」晶、立ち止まる。
「何?」
「そいつ、海外からの転校生だろ? B語しゃべってよ__」佐々木功、小学4年生の1学期まで、海外の日本人学校にいた。先生が、それを紹介した為に、他のクラスの知らない子が、ちょっかい掛けてくる。佐々木功、呟く。
「Bじゃねえし」国を間違えている。
「ここ、日本じゃん。日本語でいいじゃん。な__。いこ」晶、行こうとする。

「河本!お前、ちゃんと給食費払ってんの? いっつも、お代わりしてっけどさー」
晶、功に言う。
「お前、先行ってて」佐々木功、立ち止まる。
「でも」
「いいから!」功、先に行って待つ。晶、4人の少年に近付く。1人の正面に立つ。

「給食費__? お前んとこは? 払ってんの?」少年、晶を睨み返す。
「当たり前じゃん!」晶、クルッと横を向いて、少し歩く。
「フ__ン。俺、払ってっかどうか知らねえわ。けど、児童手当も、小遣いも1回も貰ったことねえし、本当は、そっから払ってるはずだけど。もし、払ってないとしたら、俺じゃなくて、うちのおじじに文句言ってくんない? まぁ、お前弱そうだし、殴られるかもしんねぇけどな」少年、黙る。
晶、少年の正面に来る。
「言っとくけど、俺、親切で言ってんの。俺、殴られてんだから。お前には、そうゆう目に遭って欲しくないから言ってんの__返事は!?」晶、少年を見る。
「..わかった。行けよ」晶、ニッコリする。
「分かりゃいーの。じゃね!!」晶、功のところに行き、二人さっさと歩き出す。

 4人が見えなくなって、功が晶を見る。
「晶、大丈夫?」晶、ちょっと顔をしかめる。
「俺、アイツ嫌__イ」
「なんかヤな感じ。一緒のクラス?」
「去年な。マジ、弱い者イジメで引いた。俺のこともバカにしてるわ」信号が赤になり、2人立ち止まる。

晶「お前、今のクラスで、ヤなヤツいる?」
功「俺、D苦手。なんか、俺の絵バカにして。そんなん提出すんの?って言われた」
「あ__、アイツね。言いそう」
「あと、鬼ごっこに毎回入るか、入んないかにしろって。俺、入りたいときだけ入ってたら、そんなこと言われて。ムカついて、入んのやめた」
「そんなん、自由じゃんなー? 調子悪いときだってあるし」
「そしたら、たむやんが、なんで入んないの?って聞いてきたから、Dにこんなん言われたって言ったら、たむやんも、俺も走るの嫌いだし、やあぁめたつって、入る人いなくなって空中分解した」
「それ、おもしれーな」
「フフフ」
「お前もワルイなw。いいぞ! いいぞ__!!」

 ©石川 直生 2020.

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