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夜のレベルアップ
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ストーンゴーレムを倒したあと、ゴーレムたちが出てきた穴を調べてみたが、どこかにつながっているわけでもなく、ただの穴だった。
「ここにあった岩をゴーレムに変えたのかもな」
「誰だかわからないけどうざったいことするわね」
誰かがここに近づくと起動するよう罠を張っていたのかもしれない。
それはつまり、冒険者を狙う何者かがいるってことだ。
ここからはさらに慎重に進まなければいけないな。
その後はドレイクたちに乗り、空を飛んで森を抜けた。
フォレストウルフやキラーエイプたちは森の中でしか暮らせないので、ここでお別れだ。
あんなにたくさんゾロソロ連れて行くわけにもいかなかったから、こっちとしてもちょうどよくはあったが、やっぱり少し名残惜しい。
「手伝ってくれてありがとうな」
「きゃんきゃん!」
フォレストウルフたちが鳴き声を上げる。
別れを惜しんでくれているのだろうか。そうだとしたらいいんだが。
このまま別れても良かったんだが、せっかくなのでひとつだけ命令していくことにする。
「ここからは自由に暮らしてくれてかまわない。だけど、もし相手が命乞いをしてきたら、トドメを刺さずに助けてやってくれ」
「きゃん!」「うほっ!」
いい返事を残して森の中に駆け込んでいった。
その後ろ姿を見送りながらエリーがため息をつく。
「そんな甘いこと言って大丈夫なの」
「たぶん大丈夫だろう」
俺の奴隷となったことで、みんな通常よりもステータスが上昇している。森の中ならそうそう負けないはずだ。
そしてもしも俺の思惑通りなら、相手を助けることで彼らの仲間になり、俺の奴隷となるはず。
そうなれば、いずれは森の中のモンスター全部が俺の奴隷に……。
なんて、あくまでも俺の願望だけどな。
◇
森を出たところに冒険者が立ち寄る用の小屋がある。
森に入る前に準備をするためのものなのだが、ちょうど今日は誰もいないみたいだった。
時刻もちょうど夕方だ。
ドレイクたちを外に休ませて、俺たちは小屋の中で休むことにした。
「あー久しぶりのベッドだわー」
エリーが備え付けのベッドに身を投げ出す。
久しぶりって言っても一日しか経ってないんだが。
まあ色々あったからそう感じないのもわかるけどな。
「というかここは俺の部屋で……」
「………………」
エリーがベッドに身を投げ出したまま、黙って顔を枕にうずめている。
そのせいで表情は見えないが、赤くなった耳が髪の隙間から見えていた。
うん。野暮なことを言うのはよそうか。
俺は寝袋で何日寝ても全然平気なのだが、エリーと一緒でないのは確かに辛かった。
たったの1日でも我慢の限界だ。
エリーのとなりに行っても、彼女は動かないままだった。
「……今日のイクスは、まあまあ強かったじゃない」
うつぶせの態勢のままでエリーがつぶやく。
確かに、パンドラが変身した魔剣グラムを使いこなすことで、かなり強くなった自覚はある。
それでも全盛期のエリーに比べればまだまだだとは思うが。
「だから私も強くなりたいというか、そもそもこんなに弱くなったのはイクスのせいでしょ。だから責任を取ってほしいし、それに……」
そうモゴモゴとつぶやく。
足がバタバタと何かを訴えるようにベッドの安いシーツを叩いている。
それから、ちらりと俺の顔を盗み見る。
「……昨日は、イクスとできなかったから……」
こんな可愛いこと言われてスイッチが入らない男なんているだろうか。
エリーの髪の毛をゆっくりと撫でながらすぐそばにまで近づく。
「そうだな。ステータスを上げるのは大事だもんな」
素直になれないエリーのためにそう言ってやる。
エリーが表情を輝かせ、熱っぽい視線で俺を振り返った。
「はい、だからいっぱい可愛がってください、ご主人様」
◇
3回目の行為を終えた俺たちは、布団の上に寝転がっていた。
「エリー、もっとしていいか」
「……あんなにしたのに、まだしたいの?」
「たったの3回だろ。そんなんじゃ全然満足できないよ」
「そんなにアタシのこと好きなんだ?」
「もちろんだ。世界で一番大好きだぞ」
「……ふふっ、そう。だったらいいよ。いっぱい愛してねご主人様」
「ああ。愛してるよエリー」
そう言って俺たちは重なり合う。
その時、背後から声が聞こえた。
「ああ、お二人共、なんて素晴らしいのでしょう!」
「「!!!!????」」
突然聞こえた歓喜の声に、俺とエリーは飛び上がる。
いつのまにか部屋の中に女神様が現れていた。
「い、いつのまに来たのよ!?」
エリーの悲鳴に、女神様が微笑みとともに答える。
「お二人が二回目の性行為をはじめたところからですよ」
「言いなさいよ!! じゃなくて、そもそも勝手に入ってくるんじゃないわよ!!」
エリーが大声で怒鳴る。
あのエリーを慌てさせるなんて、さすが女神様だな。
「ここにあった岩をゴーレムに変えたのかもな」
「誰だかわからないけどうざったいことするわね」
誰かがここに近づくと起動するよう罠を張っていたのかもしれない。
それはつまり、冒険者を狙う何者かがいるってことだ。
ここからはさらに慎重に進まなければいけないな。
その後はドレイクたちに乗り、空を飛んで森を抜けた。
フォレストウルフやキラーエイプたちは森の中でしか暮らせないので、ここでお別れだ。
あんなにたくさんゾロソロ連れて行くわけにもいかなかったから、こっちとしてもちょうどよくはあったが、やっぱり少し名残惜しい。
「手伝ってくれてありがとうな」
「きゃんきゃん!」
フォレストウルフたちが鳴き声を上げる。
別れを惜しんでくれているのだろうか。そうだとしたらいいんだが。
このまま別れても良かったんだが、せっかくなのでひとつだけ命令していくことにする。
「ここからは自由に暮らしてくれてかまわない。だけど、もし相手が命乞いをしてきたら、トドメを刺さずに助けてやってくれ」
「きゃん!」「うほっ!」
いい返事を残して森の中に駆け込んでいった。
その後ろ姿を見送りながらエリーがため息をつく。
「そんな甘いこと言って大丈夫なの」
「たぶん大丈夫だろう」
俺の奴隷となったことで、みんな通常よりもステータスが上昇している。森の中ならそうそう負けないはずだ。
そしてもしも俺の思惑通りなら、相手を助けることで彼らの仲間になり、俺の奴隷となるはず。
そうなれば、いずれは森の中のモンスター全部が俺の奴隷に……。
なんて、あくまでも俺の願望だけどな。
◇
森を出たところに冒険者が立ち寄る用の小屋がある。
森に入る前に準備をするためのものなのだが、ちょうど今日は誰もいないみたいだった。
時刻もちょうど夕方だ。
ドレイクたちを外に休ませて、俺たちは小屋の中で休むことにした。
「あー久しぶりのベッドだわー」
エリーが備え付けのベッドに身を投げ出す。
久しぶりって言っても一日しか経ってないんだが。
まあ色々あったからそう感じないのもわかるけどな。
「というかここは俺の部屋で……」
「………………」
エリーがベッドに身を投げ出したまま、黙って顔を枕にうずめている。
そのせいで表情は見えないが、赤くなった耳が髪の隙間から見えていた。
うん。野暮なことを言うのはよそうか。
俺は寝袋で何日寝ても全然平気なのだが、エリーと一緒でないのは確かに辛かった。
たったの1日でも我慢の限界だ。
エリーのとなりに行っても、彼女は動かないままだった。
「……今日のイクスは、まあまあ強かったじゃない」
うつぶせの態勢のままでエリーがつぶやく。
確かに、パンドラが変身した魔剣グラムを使いこなすことで、かなり強くなった自覚はある。
それでも全盛期のエリーに比べればまだまだだとは思うが。
「だから私も強くなりたいというか、そもそもこんなに弱くなったのはイクスのせいでしょ。だから責任を取ってほしいし、それに……」
そうモゴモゴとつぶやく。
足がバタバタと何かを訴えるようにベッドの安いシーツを叩いている。
それから、ちらりと俺の顔を盗み見る。
「……昨日は、イクスとできなかったから……」
こんな可愛いこと言われてスイッチが入らない男なんているだろうか。
エリーの髪の毛をゆっくりと撫でながらすぐそばにまで近づく。
「そうだな。ステータスを上げるのは大事だもんな」
素直になれないエリーのためにそう言ってやる。
エリーが表情を輝かせ、熱っぽい視線で俺を振り返った。
「はい、だからいっぱい可愛がってください、ご主人様」
◇
3回目の行為を終えた俺たちは、布団の上に寝転がっていた。
「エリー、もっとしていいか」
「……あんなにしたのに、まだしたいの?」
「たったの3回だろ。そんなんじゃ全然満足できないよ」
「そんなにアタシのこと好きなんだ?」
「もちろんだ。世界で一番大好きだぞ」
「……ふふっ、そう。だったらいいよ。いっぱい愛してねご主人様」
「ああ。愛してるよエリー」
そう言って俺たちは重なり合う。
その時、背後から声が聞こえた。
「ああ、お二人共、なんて素晴らしいのでしょう!」
「「!!!!????」」
突然聞こえた歓喜の声に、俺とエリーは飛び上がる。
いつのまにか部屋の中に女神様が現れていた。
「い、いつのまに来たのよ!?」
エリーの悲鳴に、女神様が微笑みとともに答える。
「お二人が二回目の性行為をはじめたところからですよ」
「言いなさいよ!! じゃなくて、そもそも勝手に入ってくるんじゃないわよ!!」
エリーが大声で怒鳴る。
あのエリーを慌てさせるなんて、さすが女神様だな。
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