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5章 新事業開始

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 今日はオンズロー氏が来る日。朝から屋敷中がそわそわしていて、彼と話をする部屋はピカピカに磨かれていた。

「ここでいいかしら?」
「ああ」

 婚約式に着用した俺達の装いをトルソーに着させて見易い所に置く。これで準備は整った。あとは彼が来るのを待つだけだ。

「変じゃないかな?」
「ちょっと待って」

 一歩下がって彼女が俺をチェックする。エメラルドの様に美しい翠の瞳にじっと見つめられて、嬉しい以上に恥ずかしくなって聞くんじゃなかったと後悔した。

「大丈夫よ」
「良かった。君は?チェックしなくていい?」

 そう言うと彼女は得意げな顔をして「誰に聞いてるの?」と言った。その言葉通り、やはり彼女は完璧な姿だった。

「眩しいくらいだ」
「本当、あなたってそういう恥ずかしい言葉をさらりと言うわよね」
「まだ足りないくらいだけど?」
「…遠慮しておくわ」

 彼女は俺のアピールに気付いているのか分からないが、一歩踏み込むとこうしてそそくさと逃げて行く。表情からして嫌がっていない様だが、慣れない事をしている自覚はあるので引かれていないか正直冷や冷やものだ。でもアピールしない事には何も始まらないのでやるしかない。俺は、彼女とこれから先も一緒にいたいのだから。

「本日は時間を作って頂きありがとございました」
「いえ、こちらこそ遠路はるばるようこそ」

 オンズロー氏と向かい合う様に俺と彼女は腰掛けている。オンズロー氏の秘書のタインズ氏も彼の後ろで同席していた。

「早速本題に入らせて頂きます。お話を聞かせて頂いてとても感銘を受けまして、ぜひウィリアムズ卿とお仕事をさせて頂きたく馳せ参じました次第です」

 俺は彼女と目を合わせて無言で頷く。

「まさかこんなにも早く話を進めて頂けると思っておらず、それにわざわざここまで来て下さって、我々のオンズロー商会に対する信頼が高まりました。こちらこそ是非お願いさせて下さい」
「それはそれは!ああ、とても嬉しいお言葉をありがとうございます!ですがこれはビジネス。どう具体的にしていくか今からお話しますので、その後また改めて聞かせて下さい」
「…ええ、よろしくお願いします」

 しまった。こうやってすぐ人を信頼して契約を結ぼうとする俺の悪い癖が出てしまった。きっとオンズロー氏はそんな人間ではないと思うが、過去に一度それで痛い目にあった事があるというのに。それもあって事業がうまくいかず今まで頓挫してきたというのに。ちらりと彼女を見ると、一瞬冷ややかだったが「良い人ね」と小声で言った。俺も頷いた。

 オンズロー氏が考えてきてくれた案はこうだ。客に依頼を受け、どんなアレンジにしたいか、もしくはもう全てお任せにするのかを聴取し、アレンジするドレスを受け取る。そのメモと共にドレスをこちらに送ってもらい、ミラがデザイン、縫製を行い送り返す。もし具体的な構想があり、どんなデザインになるのか見たいという人は更にお金を払ってもらって、うちと手紙でやり取りをする。ただし上限回数を決めておく、といった感じだ。

「お値段なんですが、人件費、仲介料等を元にした定価プラス使用した材料費で換算しようと考えています。デザイナーの仲介料や出張費も必要ないので、一からドレスを作るよりもトータルコストは遥かに抑えれますから、この定価設定は割と強気なものでも大丈夫だと思いますよ。利益分も含まれていますので」
「…なるほど」

 その時「あの」と彼女が会話に入ってきた。

「先程のお話なのですが、お客様と手紙のやり取りをして、上限に達してそれでも気に入らないとなったら、キャンセルになるという事もあるのでしょうか」
「あると思います。その場合キャンセル料としてドレスの郵送代を頂きます」
「じゃあ完成して送り返して、やっぱり気に入らないとなったら?」
「それでも代金は頂きます。その事をちゃんと注意事項として再三お伝えして注文を受けます。そういったトラブルは慣れてますからそこはお任せ下さい。ですがミラ様のアイデアですのでそんなに文句は出ないと思いますがね」
「俺もそう思うぞ。君はセンスがいいから」

 俺達がそう言うと、いつもだったら得意げな顔をするのにこの時の彼女は曖昧に微笑むだけだった。「本当に気にするな」と声を掛けていたら、彼が秘書のタインズ氏に耳打ちをして一つの新聞を俺たちの前に置いた。

「実は数日前にこんな記事が出まして。こちらは全国紙ではなく首都圏にのみ発行されているものなので、お二人はお読みになっていないだろうと思いお待ちしました」

 突然の新聞に俺達は首を傾げながらその記事を読む。

「君の事だ!」
「…本当ね」

 そこには彼女が婚約式に現れた事が書かれてあった。一瞬批判をするものかと思ったが、読み進める内にそんなものではないと知る。

 ーミラ・イヴァンチスカ 婚約式に現るー
 あの国中を震撼させた噂の悪女、ミラ・イヴァンチスカが夫を連れて婚約式に現れた。常に人を寄せ付けない圧倒的な気品に溢れていた彼女だったが、その日は違った。実に仲睦まじく夫と談笑し、時には耳打ちをし合う場面もあり、非常に愛らしい一面を見せてくれたのだ。
 また、何度も社交界のファッション界を震撼させた彼女の装いは、今回も我々を魅了した。一大ブームを巻き起こしたエンパイアドレスに、非常に柔らかなとろみのあるオーガンザをたっぷり使用し、同じくオーガンザを使用した背中の大きなリボンはまるで妖精と見紛うほどだった。またそのリボンには彼女にしては珍しく可愛い白い小花をあしらっており、その手腕が衰えていない事を我々に示してくれた。
 一体どこのデザイナーが施したものなのかと商会の人間達が彼女を取り囲み、私も一緒になって話を聞いていたが、予想していた物とは全く異なっていた。彼女はデザイナーに依頼したのではなく、元々所持していたドレスをアレンジして一新させていたのだ。また、オーガンザだと思っていた代物は、シルクではなく綿を使用したオーガンジーと呼ばれる物で、それは彼女の嫁ぎ先であるウィリアムズ領の小さな村で作られたというから驚きだ。
 取材を進めた結果、現在注目されつつある商会の一つ、オンズロー商会が彼女達とこのオーガンジーを使ってドレスのアレンジを行う事業を行おうとしている事が分かった。今はまだ情報を何も掴めていないが、今後も私は追っていくつもりだ。
 最後に。今回非常に愛らしい一面を見せてくれたミラ・イヴァンチスカ。ウィリアムズ領に嫁いでまだ二ヶ月だが、一体どんな魔法を使ってこんな彼女を引き出したのか、夫であるローガン・ウィリアムズの人望も非常に気になる所だ。また彼女の背中のリボンにあしらわれた小さな白い花達は、そのウィリアムズ領に群生し村人達に愛されているカスミソウだと言う。その事から彼女が既にウィリアムズ領を大切にし愛している事も伺える。
 そんな愛し愛され幸せへの一歩を踏み出そうとしている彼女を、新しい婚約者との婚約式に呼ぶというのは些か、いやかなり疑問が残る。今回この様な彼女を見れた事はかなりの収穫となったが、彼女の愛らしい一面を引き出せなかった元婚約者側にも問題があったのでは、とも思えた婚約式であった。

「…す、すごいな」

 途中まで彼女を絶賛する言葉に胸が躍っていたが、最後の文章で一気に肝が冷えた。

「こんな事を書いても大丈夫なんですか?」
「基本的に彼らには報道の自由がありますからね。それに嘘を言っている訳ではなくあくまで自分の考えを述べているだけですから。非常に上手いラインで書いていますね、この記者は」
「…私、この記者を知っているわ」
「そうなのか?」
「ええ、私が婚約を破棄された時、唯一私を庇ってくれた記事があったの。あの時もこんな感じで明から様に庇っている訳ではなく、私があんな状況でも堂々としていた姿は立派だったと評価するだけに止めていて、きっと庇ってくれていると思うけどもしかしたら自惚れかもしれないと思っていたくらい。きっと同じ人ね」

 全ての人間が彼女を敵対していた訳じゃない。彼女の溢れる魅力に気付いていた人間もいたのだ。その事に安堵する反面、悔しさを感じるのは余りにも余裕がなさすぎるだろうか。

「ここの新聞社は我々と同じく駆け出しで発行部数も少なく、そこまで世論に大きく影響を与えるものではありません。ですが、巷では話題になっている様ですし、現に我々の方にドレスの問い合わせがありました」
「そうですか!」
「まだ契約前でしたから詳しくはお話出来ませんでしたが、かと言ってそれ以上深追いしてくる事もありませんでしたね。様子見をしている、といった感じでしょうか」

 その時、彼女が膝に乗せている手をギュッと力をこめた。

「考えすぎだ」
「…そうね」

 そう言って彼女はまたもや曖昧に微笑む。自分の存在が客を慎重にさせているのではないかと考えた様だ。そこでオンズロー氏は察したらしく、ハッとした顔をした後に頭を下げた。

「…申し訳ございません、その様なつもりで発言した訳では…」
「ええ、分かっていますよ。我々は新しい事に挑戦するんだ。誰もが慎重になってしまうのは当たり前の事だろう?君のせいじゃない」
「ええ…ありがとう、ローガン」

 恐らく彼女が抱えてしまった不安はゼロにする事は出来なかっただろうが、幾分か笑顔は穏やかなものに変わった。どうか変に考えないで欲しいと、彼女の手を握った。

「私も全く同じ意見です。そこで考えたのですが…今度色々な商会が一堂に介する催しものがありまして、我々もそこに出展する予定なのです。そこに奥様が着用されたドレスと、こちらで作られたオーガンジーの反物を展示させて頂いて実際にお客様に触れて頂くというのは如何でしょう?」

 俯いていた彼女の顔が上がる。俺はすかさず同意した。

「それはいいですね」
「ぜひお二人にも来て頂いて、直接お話して下さったら更に良い宣伝になると思います。ここから首都までの丁度中間に位置する街なのでそこまで時間もかかりません。旅費は全てこちらでお支払いしますので」

 すると彼女が前のめりになって問う。

「…うちのメイド一人と、もう一人連れて行きたい人がいるのだけどよろしいかしら?」
「ええ、勿論です」

 彼女に心からの笑顔が戻る。こうして俺達は彼の商会と契約を結び、後日その催しに参加する事となった。

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