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被保護編 339年
339年5月6
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信じられない。あの女を抱き締めて、抱き上げるなんて。
あの女はいつもまっすぐ立って、大股で歩き、剣の素振りをし、馬の手入れをしている。
時間があれば本を読んで、嫌々人に会うけどそれは悟らせない。
学校の講堂で大人数を前に講義をし、質問にもすらすら答えてる。
人を評価し教育し、自分を律することができる。オレとはまったく違う偉い人間だ。
時々間違えて謝っているし、机にぶつかっているときもあれば、つまづいて転びかけているときもある。だけどどんなときも一人でどうにかして、また背筋を伸ばして立っている。誰かに頼ることは、仕事では頼むことはあっても、誰かにもたれることはないと思っていた。
あの女は兵士のようだ。一日中馬を走らせて、翌日も馬に乗るなんて、体がもつのか? オレは痛い。体中が痛い。
ものすごい速さで本を読み、必要な場所に紙を挟んだ本といらない本を積み上げ、時々何か考えている。
とても冷静で、眉をしかめるか笑顔しか見たことがなかったけど、今はものすごくあせっていた。
傍から見ていると細い剣みたいな硬い印象だけど、抱き締められると華奢だな。脆そうだ。腰が細い。服の中はあんなに空洞があったのか。あんなに強く抱き締めたら壊れそうだ。
腕を王子の首に回して、抱き合っているんだと思ったら違った。絞めてやがる・・・さすがオーサーだな。
王子が離したからオーサーが勝ったのかと思ったけど、抱き上げられて連れ出された。あの女を好きなようにできる男がいるのか。寵愛はなはだしい、か。
ファリオン王子は自分の部屋に引き上げるそうだ。オレもコウジュの食事に付き合って、戻る。
オーサーは昨日の晩も本を読んでいて疲れている。レイサス王子はそれを考えてくれるんだろうか。
あの女はいつもまっすぐ立って、大股で歩き、剣の素振りをし、馬の手入れをしている。
時間があれば本を読んで、嫌々人に会うけどそれは悟らせない。
学校の講堂で大人数を前に講義をし、質問にもすらすら答えてる。
人を評価し教育し、自分を律することができる。オレとはまったく違う偉い人間だ。
時々間違えて謝っているし、机にぶつかっているときもあれば、つまづいて転びかけているときもある。だけどどんなときも一人でどうにかして、また背筋を伸ばして立っている。誰かに頼ることは、仕事では頼むことはあっても、誰かにもたれることはないと思っていた。
あの女は兵士のようだ。一日中馬を走らせて、翌日も馬に乗るなんて、体がもつのか? オレは痛い。体中が痛い。
ものすごい速さで本を読み、必要な場所に紙を挟んだ本といらない本を積み上げ、時々何か考えている。
とても冷静で、眉をしかめるか笑顔しか見たことがなかったけど、今はものすごくあせっていた。
傍から見ていると細い剣みたいな硬い印象だけど、抱き締められると華奢だな。脆そうだ。腰が細い。服の中はあんなに空洞があったのか。あんなに強く抱き締めたら壊れそうだ。
腕を王子の首に回して、抱き合っているんだと思ったら違った。絞めてやがる・・・さすがオーサーだな。
王子が離したからオーサーが勝ったのかと思ったけど、抱き上げられて連れ出された。あの女を好きなようにできる男がいるのか。寵愛はなはだしい、か。
ファリオン王子は自分の部屋に引き上げるそうだ。オレもコウジュの食事に付き合って、戻る。
オーサーは昨日の晩も本を読んでいて疲れている。レイサス王子はそれを考えてくれるんだろうか。
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