248 / 365
被保護編 339年
339年4月2-1
しおりを挟む
コウセンはよく一人で姿を消す。
シンヨウがついているだろうから身体の心配はしないが、何をしでかすか不安だ。
戻ってきたコウセンがオーサーのことを話しているが、誰から聞いた情報なのか、それをどうして信用するのかわからない。
ロユデは美しい都だった。
建物はセントシンシの方が立派だが、歴史を感じさせる。汚い場所が少ない。
そして貧困層がいない。探せばいるのだろうが、セントシンシはもっと簡単に目に付く。
女性もパンツをはいている者がいる。
見慣れないアクセサリーをつけている人間が多くいる。いやアクセサリーをつけている者が多い。
紙の本、薄い雑誌を売っている店が多い。
豊かさを表している。
イユリスの協力で作った製紙工場が好調なツァイリスよりも景気がいいようだ。
明日到着予定と使いを王宮に送る。
身分を明かさず、ソファリスからの旅行者として宿屋に泊まる。その方が街の空気を感じられる。
食事は部屋に運んでもらったが、コウセンが下働きにオーサーについて聞いた。
「どんな人と聞かれても・・・いい方です」
「他国の人なんでしょ。王太子の側にいて嫌じゃないの?」
「オーサー様はいい人です。すごくイユリスのためにがんばってくれているんです」
「どんなことをしてくださったの?」
下働きがずいぶん熱心に言うので聞いてみた。
「えっと、いろいろです。王子様たちを仲直りさせたし、王妃様もそうだし、私たちのことも考えてくれてるし、いろいろです」
曖昧だ。印象がいいということか。印象だけならある程度操作できるが、オーサーは実際にいろいろやっている。
食後、コウセンにはもう部屋を出ないように、シンヨウには出さないように厳命した。
明日はいよいよイユリス王族とオーサーと会う。
いったいどんな人なのだろうか。
シンヨウがついているだろうから身体の心配はしないが、何をしでかすか不安だ。
戻ってきたコウセンがオーサーのことを話しているが、誰から聞いた情報なのか、それをどうして信用するのかわからない。
ロユデは美しい都だった。
建物はセントシンシの方が立派だが、歴史を感じさせる。汚い場所が少ない。
そして貧困層がいない。探せばいるのだろうが、セントシンシはもっと簡単に目に付く。
女性もパンツをはいている者がいる。
見慣れないアクセサリーをつけている人間が多くいる。いやアクセサリーをつけている者が多い。
紙の本、薄い雑誌を売っている店が多い。
豊かさを表している。
イユリスの協力で作った製紙工場が好調なツァイリスよりも景気がいいようだ。
明日到着予定と使いを王宮に送る。
身分を明かさず、ソファリスからの旅行者として宿屋に泊まる。その方が街の空気を感じられる。
食事は部屋に運んでもらったが、コウセンが下働きにオーサーについて聞いた。
「どんな人と聞かれても・・・いい方です」
「他国の人なんでしょ。王太子の側にいて嫌じゃないの?」
「オーサー様はいい人です。すごくイユリスのためにがんばってくれているんです」
「どんなことをしてくださったの?」
下働きがずいぶん熱心に言うので聞いてみた。
「えっと、いろいろです。王子様たちを仲直りさせたし、王妃様もそうだし、私たちのことも考えてくれてるし、いろいろです」
曖昧だ。印象がいいということか。印象だけならある程度操作できるが、オーサーは実際にいろいろやっている。
食後、コウセンにはもう部屋を出ないように、シンヨウには出さないように厳命した。
明日はいよいよイユリス王族とオーサーと会う。
いったいどんな人なのだろうか。
7
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
もう彼女でいいじゃないですか
キムラましゅろう
恋愛
ある日わたしは婚約者に婚約解消を申し出た。
常にわたし以外の女を腕に絡ませている事に耐えられなくなったからだ。
幼い頃からわたしを溺愛する婚約者は婚約解消を絶対に認めないが、わたしの心は限界だった。
だからわたしは行動する。
わたしから婚約者を自由にするために。
わたしが自由を手にするために。
残酷な表現はありませんが、
性的なワードが幾つが出てきます。
苦手な方は回れ右をお願いします。
小説家になろうさんの方では
ifストーリーを投稿しております。
兄のお嫁さんに嫌がらせをされるので、全てを暴露しようと思います
きんもくせい
恋愛
リルベール侯爵家に嫁いできた子爵令嬢、ナタリーは、最初は純朴そうな少女だった。積極的に雑事をこなし、兄と仲睦まじく話す彼女は、徐々に家族に受け入れられ、気に入られていく。しかし、主人公のソフィアに対しては冷たく、嫌がらせばかりをしてくる。初めは些細なものだったが、それらのいじめは日々悪化していき、痺れを切らしたソフィアは、両家の食事会で……
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
断罪される一年前に時間を戻せたので、もう愛しません
天宮有
恋愛
侯爵令嬢の私ルリサは、元婚約者のゼノラス王子に断罪されて処刑が決まる。
私はゼノラスの命令を聞いていただけなのに、捨てられてしまったようだ。
処刑される前日、私は今まで試せなかった時間を戻す魔法を使う。
魔法は成功して一年前に戻ったから、私はゼノラスを許しません。
長年の婚約者は政略結婚の私より、恋愛結婚をしたい相手がいるようなので、消えてあげようと思います。
神崎 ルナ
恋愛
【奨励賞頂きましたっ( ゚Д゚) ありがとうございます(人''▽`)】 コッペリア・マドルーク公爵令嬢は、王太子アレンの婚約者として良好な関係を維持してきたと思っていた。
だが、ある時アレンとマリアの会話を聞いてしまう。
「あんな堅苦しい女性は苦手だ。もし許されるのであれば、君を王太子妃にしたかった」
マリア・ダグラス男爵令嬢は下級貴族であり、王太子と婚約などできるはずもない。
(そう。そんなに彼女が良かったの)
長年に渡る王太子妃教育を耐えてきた彼女がそう決意を固めるのも早かった。
何故なら、彼らは将来自分達の子を王に据え、更にはコッペリアに公務を押し付け、自分達だけ遊び惚けていようとしているようだったから。
(私は都合のいい道具なの?)
絶望したコッペリアは毒薬を入手しようと、お忍びでとある店を探す。
侍女達が話していたのはここだろうか?
店に入ると老婆が迎えてくれ、コッペリアに何が入用か、と尋ねてきた。
コッペリアが正直に全て話すと、
「今のあんたにぴったりの物がある」
渡されたのは、小瓶に入った液状の薬。
「体を休める薬だよ。ん? 毒じゃないのかって? まあ、似たようなものだね。これを飲んだらあんたは眠る。ただし」
そこで老婆は言葉を切った。
「目覚めるには条件がある。それを満たすのは並大抵のことじゃ出来ないよ。下手をすれば永遠に眠ることになる。それでもいいのかい?」
コッペリアは深く頷いた。
薬を飲んだコッペリアは眠りについた。
そして――。
アレン王子と向かい合うコッペリア(?)がいた。
「は? 書類の整理を手伝え? お断り致しますわ」
※お読み頂きありがとうございます(人''▽`) hotランキング、全ての小説、恋愛小説ランキングにて1位をいただきました( ゚Д゚)
(2023.2.3)
ありがとうございますっm(__)m ジャンピング土下座×1000000
※お読みくださり有難うございました(人''▽`) 完結しました(^▽^)
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる