終生飼育は原則ですから

被保護編 339年

339年3月3-2

　感動に震えながら味噌汁と、目玉焼きに醤油をかけて食べた。泣ける。
　味噌汁は食べてもらってぜんぜんいいんだけど、期待するほどおいしいものじゃないから。私は懐かしさも含めて味わっていますんで。
　醤油は、皆さんにはお勧めしません。厳密に言うと失敗作です。これを醤油だと思われると醤油に悪い。

　料理長には味見してもらいましたが、本来の醤油のおいしさを協調しすぎた。本来の醤油を作れるのは私だけだから、いつまでも作れない気がする。
　味噌汁は、それなりに好評でした。まあまずくはないかもしれない。

　味噌は小さめの容器に入れて、残りはまた上にラードをかけて厩舎に戻し、醤油は漉して瓶に入れた。もう少し熟成させてから火を入れたい。今入れちゃった方がいいかな。うーん。様子を見よう。

　レイサスとファリオンとシルヴィオにも食べてもらわないといけない。馴染みがなければおいしいものではないけど、作るのを手伝ってもらったからね。
　実験農場の人たちにも、あちらには受け入れてもらえそうな料理を作って食べさせないと。大豆の利用拡大を促進したい。豆乳もいいかな。豆乳を出すならおからも使わないと。

　今年はニコラさんと麹菌捕獲からやるか。一応また厨房にも置かせてもらった方がいいな。ニコラさんのところでは捕まえにくいかもしれない。

　レシピをつけて大豆を売ってもたかが知れてるから、飲食店に大豆料理を置いてもらった方がいい。
　大豆は無料で提供は難しいか。豌豆の半分強くらいの値段であればいいかな。
　それでお店がメニューを作ってくれれば、一般家庭にも広がりやすい。けれど味噌の市販化は道が遠い。