116 / 365
被保護編 338年
338年1月1-4
しおりを挟む
また壁に戻ってキーナ嬢と話していようと思ったけど、シルヴィオが来た。取り巻きがいなくなっている。時間らしい。
夜十二時に王が王宮の奥の祭壇で祭祀をし、出てくるのを王族が待つ。
出てきた王と王族がバルコニーに出て、外で待っている民に手を振る。
貴族達もできるだけ、開けた窓の近くに立ったり外に出たりするそう。
今の王族は少ないので、バルコニーには公爵も立つそうだ。シルヴィオとソサイゾ公が出て、マクシミリアンさんは出ない。侯爵だから。
私はマクシミリアンさんの側にいろと。そんなに警戒しなくても、出口は塞がれているからどこにも行けないって。
しばらくはホールのざわめきだけが聞こえていたけれど、外から歓声が上がった。王族が姿を見せた。
貴族たちが窓際に集まるのを壁から見ていた。私も外で王族を見てみたかったな。さぞうつくしかっただろう。王も王妃も二人の息子も、とてもきれいな人たちだから。
賑やかな場面を後ろから見ていると、また私はなんでここにいるんだろうと感じた。
私がいなくても日常が続くのはどこの世界でも同じだけど、日本には私のうちがあり、自分が根を張った場所だと思えるところがある。
ここだと宙に浮かんでいるみたいだ。そう幽霊に近くない? そのうち消えてなくなってもおかしくない。
貴族がホールに戻って帰り支度をする前に、エランが馬車まで連れ出してくれた。馬車で二人を待つそう。
騒がしいところは疲れるからありがたい。
夜十二時に王が王宮の奥の祭壇で祭祀をし、出てくるのを王族が待つ。
出てきた王と王族がバルコニーに出て、外で待っている民に手を振る。
貴族達もできるだけ、開けた窓の近くに立ったり外に出たりするそう。
今の王族は少ないので、バルコニーには公爵も立つそうだ。シルヴィオとソサイゾ公が出て、マクシミリアンさんは出ない。侯爵だから。
私はマクシミリアンさんの側にいろと。そんなに警戒しなくても、出口は塞がれているからどこにも行けないって。
しばらくはホールのざわめきだけが聞こえていたけれど、外から歓声が上がった。王族が姿を見せた。
貴族たちが窓際に集まるのを壁から見ていた。私も外で王族を見てみたかったな。さぞうつくしかっただろう。王も王妃も二人の息子も、とてもきれいな人たちだから。
賑やかな場面を後ろから見ていると、また私はなんでここにいるんだろうと感じた。
私がいなくても日常が続くのはどこの世界でも同じだけど、日本には私のうちがあり、自分が根を張った場所だと思えるところがある。
ここだと宙に浮かんでいるみたいだ。そう幽霊に近くない? そのうち消えてなくなってもおかしくない。
貴族がホールに戻って帰り支度をする前に、エランが馬車まで連れ出してくれた。馬車で二人を待つそう。
騒がしいところは疲れるからありがたい。
7
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】もうやめましょう。あなたが愛しているのはその人です
堀 和三盆
恋愛
「それじゃあ、ちょっと番に会いに行ってくるから。ええと帰りは……7日後、かな…」
申し訳なさそうに眉を下げながら。
でも、どこかいそいそと浮足立った様子でそう言ってくる夫に対し、
「行ってらっしゃい、気を付けて。番さんによろしくね!」
別にどうってことがないような顔をして。そんな夫を元気に送り出すアナリーズ。
獣人であるアナリーズの夫――ジョイが魂の伴侶とも言える番に出会ってしまった以上、この先もアナリーズと夫婦関係を続けるためには、彼がある程度の時間を番の女性と共に過ごす必要があるのだ。
『別に性的な接触は必要ないし、獣人としての本能を抑えるために、番と二人で一定時間楽しく過ごすだけ』
『だから浮気とは違うし、この先も夫婦としてやっていくためにはどうしても必要なこと』
――そんな説明を受けてからもうずいぶんと経つ。
だから夫のジョイは一カ月に一度、仕事ついでに番の女性と会うために出かけるのだ……妻であるアナリーズをこの家に残して。
夫であるジョイを愛しているから。
必ず自分の元へと帰ってきて欲しいから。
アナリーズはそれを受け入れて、今日も番の元へと向かう夫を送り出す。
顔には飛び切りの笑顔を張り付けて。
夫の背中を見送る度に、自分の内側がズタズタに引き裂かれていく痛みには気付かぬふりをして――――――。
もう彼女でいいじゃないですか
キムラましゅろう
恋愛
ある日わたしは婚約者に婚約解消を申し出た。
常にわたし以外の女を腕に絡ませている事に耐えられなくなったからだ。
幼い頃からわたしを溺愛する婚約者は婚約解消を絶対に認めないが、わたしの心は限界だった。
だからわたしは行動する。
わたしから婚約者を自由にするために。
わたしが自由を手にするために。
残酷な表現はありませんが、
性的なワードが幾つが出てきます。
苦手な方は回れ右をお願いします。
小説家になろうさんの方では
ifストーリーを投稿しております。
兄のお嫁さんに嫌がらせをされるので、全てを暴露しようと思います
きんもくせい
恋愛
リルベール侯爵家に嫁いできた子爵令嬢、ナタリーは、最初は純朴そうな少女だった。積極的に雑事をこなし、兄と仲睦まじく話す彼女は、徐々に家族に受け入れられ、気に入られていく。しかし、主人公のソフィアに対しては冷たく、嫌がらせばかりをしてくる。初めは些細なものだったが、それらのいじめは日々悪化していき、痺れを切らしたソフィアは、両家の食事会で……
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる