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18 二人で温泉旅行
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「それってもしかして…ハクくんとロンくんのことだったりする…?」
予想外の出来事に俺は言葉を失った。
どうして…。顔に動揺が表れていたのかもしれない。
するとラピは納得したように頷く。
だめだ。なにか言い訳しないと。なんでバレたんだ。
「違うっ」
「ロンくん。実は僕試したいことがあるんだ」
「試したいこと…?」
「うん。協力してくれるかな?」
ラピはそう言って黒い笑みを浮かべた。
教室につくといつものように席を囲む。
「おっ!おかえりぃ~」
パンを抱えた俺たちをりょうちゃんが元気よく手をふって出迎えた。
「ただいまぁ。すごい混んでたよ。ね?ロンくん」
ラピは額の汗を拭うような仕草をしたあと、俺の肩を引き寄せるように抱いた。
「あぁ、うん…そうだね」
いつもよりも近い距離感に戸惑いつつも返事を返す。
「早く座れば?」
するとハクが着席を促した。
ラピが言っていた"試したいこと"って何なんだろ…。見たところいつもどおりだ。
それより、俺とハクの関係が彼にバレたことが気がかりで仕方ない。
「そういえば前から思ってたけどさ、ロンくんって髪質いいよね」
「え?そうかな」
「うん、つやつやしててちょっと硬めの髪質がさわり心地いいよ」
彼はそう言うと俺の髪を手で軽くすいた。
タワシなんて昔から呼ばれてるから髪の毛はコンプレックスだったのに…。そう言ってもらえてとても嬉しい。
ありがとうと俺は照れ笑いを浮かべた。
「でもハクくんの真っ白でサラサラの髪質も好きだよ」
ラピは次にハクの方に向き直り手を伸ばす。
「…」
パッ。
しかし彼はその手を振り払った。
眉間にシワを寄せ明らかに友好的でない様子にその場の温度が少し下がった気がした。
ハク…?
ハクはペットボトルの蓋を緩めると、水をぐびぐび飲み干した。
「…?」
また始まった。謎の不機嫌タイムだ。
気分屋の彼は何が地雷なのか全く見当もつかない。もう慣れたことだが、ウサミちゃんはそんな彼をヒヤヒヤしながら見守っていた。
「うわっやったぁぁ」
そんな中りょうちゃんが大声を上げた。
いきなりのことにその場のみんなが彼女に視線を向ける。
「ど、どうしたの…?」
「いやぁあのね!彼ピッピが日曜日デートしてくれるってぇ!まじ上がるわ~」
こんな空気でもマイペースなところが彼女らしい。
「えっ!りょうちゃん恋人いたの?」
ウサミちゃんは大きく身を乗り出した。確かにそれは初耳だ。でも容姿がいい彼女のことだから恋人の一人や二人いても全然おかしくはない。
いや、二人いたらだめか。
「ん~最近できたんだぁ。なんか街でチョータイプな人いたからナンパしたの」
そう言って元気よくピースサインする。ナンパ…すごい行動力だ。
「あれ?そういえば日曜日ってハーくんとウサミンもデートだったよね」
「え、そうなの…?」
その言葉にウサミ兄は怪訝そうな表情をした。やっぱり知らなかったんだ…。
するとウサミちゃんが、しーーっ!!と口に指を当てた。
「りょうちゃんそれ言っちゃだめ!!」
「え?なんで?」
「だってそれ知ったらお兄ちゃん絶対ついてくるもん」
「なにそれうけるんですけど」
確かにこのシスコンの兄ならやりかねない。そう思いちらりと横目で彼を見ると案の定頬を膨らませ拗ねていた。
「ねーねロンくんどう思う?みんなデートデートってさリア充ばかりだね」
俺は苦笑する。
「そうだ!」
するとお兄さんはなにかいいことを思いついたと言わんばかりに手を叩いた。
「なら日曜日僕たちも二人でお出かけしない?」
「ふたりで?」
「んー!そうだなぁ日帰りで温泉とかどうかな」
温泉…悪くない。最近暑くなってきたけど夏でも温泉は入りたい派だ。
「行きたいかも」
そういえば最近テレビで温泉特集を見たばかりだった。友達と旅行とか楽しくないわけがない。うきうきで返事をすると、
「裸の付き合いってやつだね」
そう言ってラピは俺の頬をつついた。
「え?なにbl?!」
りょうちゃんはきゃーっと黄色い声をあげた。
その時
バキバキっ。
何かが潰れる音がする。音の方に振り向くと、ハクが飲み終わったペットボトルを握りつぶしただけだった。
「温泉なんてやめとけよこんな暑いのに。タワシは砂風呂にでもはいっとけ」
「なっ…暑くても温泉きもちいいし」
またハリネズミであることをいじってくる。
「そうだね夜は気温下がるからね。泊まりでもいいね」
「いや、翌日学校だからそれはさすがに」
「チッ」
あれ?今誰か舌打ちした…?
予想外の出来事に俺は言葉を失った。
どうして…。顔に動揺が表れていたのかもしれない。
するとラピは納得したように頷く。
だめだ。なにか言い訳しないと。なんでバレたんだ。
「違うっ」
「ロンくん。実は僕試したいことがあるんだ」
「試したいこと…?」
「うん。協力してくれるかな?」
ラピはそう言って黒い笑みを浮かべた。
教室につくといつものように席を囲む。
「おっ!おかえりぃ~」
パンを抱えた俺たちをりょうちゃんが元気よく手をふって出迎えた。
「ただいまぁ。すごい混んでたよ。ね?ロンくん」
ラピは額の汗を拭うような仕草をしたあと、俺の肩を引き寄せるように抱いた。
「あぁ、うん…そうだね」
いつもよりも近い距離感に戸惑いつつも返事を返す。
「早く座れば?」
するとハクが着席を促した。
ラピが言っていた"試したいこと"って何なんだろ…。見たところいつもどおりだ。
それより、俺とハクの関係が彼にバレたことが気がかりで仕方ない。
「そういえば前から思ってたけどさ、ロンくんって髪質いいよね」
「え?そうかな」
「うん、つやつやしててちょっと硬めの髪質がさわり心地いいよ」
彼はそう言うと俺の髪を手で軽くすいた。
タワシなんて昔から呼ばれてるから髪の毛はコンプレックスだったのに…。そう言ってもらえてとても嬉しい。
ありがとうと俺は照れ笑いを浮かべた。
「でもハクくんの真っ白でサラサラの髪質も好きだよ」
ラピは次にハクの方に向き直り手を伸ばす。
「…」
パッ。
しかし彼はその手を振り払った。
眉間にシワを寄せ明らかに友好的でない様子にその場の温度が少し下がった気がした。
ハク…?
ハクはペットボトルの蓋を緩めると、水をぐびぐび飲み干した。
「…?」
また始まった。謎の不機嫌タイムだ。
気分屋の彼は何が地雷なのか全く見当もつかない。もう慣れたことだが、ウサミちゃんはそんな彼をヒヤヒヤしながら見守っていた。
「うわっやったぁぁ」
そんな中りょうちゃんが大声を上げた。
いきなりのことにその場のみんなが彼女に視線を向ける。
「ど、どうしたの…?」
「いやぁあのね!彼ピッピが日曜日デートしてくれるってぇ!まじ上がるわ~」
こんな空気でもマイペースなところが彼女らしい。
「えっ!りょうちゃん恋人いたの?」
ウサミちゃんは大きく身を乗り出した。確かにそれは初耳だ。でも容姿がいい彼女のことだから恋人の一人や二人いても全然おかしくはない。
いや、二人いたらだめか。
「ん~最近できたんだぁ。なんか街でチョータイプな人いたからナンパしたの」
そう言って元気よくピースサインする。ナンパ…すごい行動力だ。
「あれ?そういえば日曜日ってハーくんとウサミンもデートだったよね」
「え、そうなの…?」
その言葉にウサミ兄は怪訝そうな表情をした。やっぱり知らなかったんだ…。
するとウサミちゃんが、しーーっ!!と口に指を当てた。
「りょうちゃんそれ言っちゃだめ!!」
「え?なんで?」
「だってそれ知ったらお兄ちゃん絶対ついてくるもん」
「なにそれうけるんですけど」
確かにこのシスコンの兄ならやりかねない。そう思いちらりと横目で彼を見ると案の定頬を膨らませ拗ねていた。
「ねーねロンくんどう思う?みんなデートデートってさリア充ばかりだね」
俺は苦笑する。
「そうだ!」
するとお兄さんはなにかいいことを思いついたと言わんばかりに手を叩いた。
「なら日曜日僕たちも二人でお出かけしない?」
「ふたりで?」
「んー!そうだなぁ日帰りで温泉とかどうかな」
温泉…悪くない。最近暑くなってきたけど夏でも温泉は入りたい派だ。
「行きたいかも」
そういえば最近テレビで温泉特集を見たばかりだった。友達と旅行とか楽しくないわけがない。うきうきで返事をすると、
「裸の付き合いってやつだね」
そう言ってラピは俺の頬をつついた。
「え?なにbl?!」
りょうちゃんはきゃーっと黄色い声をあげた。
その時
バキバキっ。
何かが潰れる音がする。音の方に振り向くと、ハクが飲み終わったペットボトルを握りつぶしただけだった。
「温泉なんてやめとけよこんな暑いのに。タワシは砂風呂にでもはいっとけ」
「なっ…暑くても温泉きもちいいし」
またハリネズミであることをいじってくる。
「そうだね夜は気温下がるからね。泊まりでもいいね」
「いや、翌日学校だからそれはさすがに」
「チッ」
あれ?今誰か舌打ちした…?
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