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魔王様のレベル上げ
吸血大公バルトⅢ
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「旦那様……、俺のここ、かわいがってください……」
足を、さらに開いてねだると。
金色の目が、鮮血のような赤に変わった。
「……あうっ、」
首に噛み付かれた。
頚動脈に、鋭い牙が刺さっているのがわかる。痛いはずだ。なのに。
頭がおかしくなるほど、気持ちいい。
吸血鬼に血を吸われるのは気持ちがいい、と最初に言い出したのは誰なんだろう。
まさか、事実だったとは。
「あ、あっ、あ、」
こくん、と喉を鳴らしながら、俺の血が吸い上げられている。
これが、甘美な痛みってやつか。
†††
『……いけない、危うく夢中になるところだった。何と無垢で美味なる血か……』
牙が抜かれてしまった。気持ちよかったのに。
「もっと、」
頬を、優しく撫でられる。
『これ以上は、いけないよ。かわいい坊やが、私の眷属になり夜を彷徨うものになる姿を見たくはないのでね……』
魔王というか、魔族でも、吸血鬼の眷属になれるもんなのか?
自動回復ついてるから、もし致死量の血を吸われても勝手に蘇生しちゃうんじゃないか?
いや、今、俺は人間の子設定だった。細かい設定のすり合わせは最初にしておくべきじゃね?
まあそういうプレイなんだし、適当でいいんだけど。臨機応変に行くか。
バルトの指が、尻の間へと這わされた。
……あ、そこは。
ダメだ、という前に。ぱん、と破裂音がして。
見ると、バルトの人差し指が吹っ飛んでいた。
ひええ、血が噴き出してる……! 6千もレベルが上の相手にも効くのかよ……。
スレイの呪い、恐るべし!
『指すらも駄目だとは。……これは手厳しい』
残念そうに言って。
消失した指先が、見る間に再生していく。飛び散った血や肉片が、映像を逆再生するみたいに、元に戻っていった。
これが吸血鬼の持つ能力、超再生か。バルトが吸血鬼で良かった。お陰で痛そうな傷が見えなくなった。リアルじゃグロとかゴア物は苦手なんだよ。紙の上なら何でも書けたが。
『挿入したら破裂するのでなかったら、この世の快楽のすべてをこの肉体に刻めたものを……』
バルトは目を細めて俺を見下ろしていた。
ゾクゾクする。
これ以上の快楽を。
知りたいような、知るのが怖いような。
『吸ってしまった分、返してあげないといけないね。……いや、それ以上に、ここに、』
白い指先が唇を割り、舌を撫でられる。
『私の蜜を、たくさん飲ませてあげようね、かわいい坊や』
†††
またひとつ、新しい扉が開いてしまった気がする……。
シチュエーションプレイか……。
ああいうのも、悪くないな。
バルトの精気は、チョコレートリキュール、かな。ホワイトチョコか、いや、ウイスキーボンボンか?
どことなく、苦味のある甘さというか……。
……よし。
「西の吸血大公、バルト。二次試験、合格とする」
と言って。
返事がないので見ると、スレイは号泣していた。涙が滝のようだ。
よくミイラにならないな。
『……イケオジなのですか!? 魔王様の好みは! 渋めのナイスなミドルなんですか!?』
ナニ言ってんだテメー。
相変わらず俺の側近は電波ゆんゆんである。
『同じ魔族とは二回目以降だと、あまり効果がないから。……もう、私には飽きてしまわれたのですね……!?』
マジか。
二回目以降はそんなレベル上がらねえのかよ。先に言えって。
キープしといて正解だったな。って、キープ言うな!
「……いいから伝言。行け」
顎で示して命令すると、スレイは号泣しながら駆けてった。
『魔族に捕まった人間プレイは、私としてくださる予定でしたのにー!! 魔王様のイケズ! ショタ坊やー!』
涙ながらに叫ばれた。
だからお前とそんな約束した覚えはねえっての。
って誰がショタ坊やだこの野郎!!
ステータス確認したら、レベル550になってた。
バルトすげえ。
さすが最年長だけある。経験値もすごかったな。
足を、さらに開いてねだると。
金色の目が、鮮血のような赤に変わった。
「……あうっ、」
首に噛み付かれた。
頚動脈に、鋭い牙が刺さっているのがわかる。痛いはずだ。なのに。
頭がおかしくなるほど、気持ちいい。
吸血鬼に血を吸われるのは気持ちがいい、と最初に言い出したのは誰なんだろう。
まさか、事実だったとは。
「あ、あっ、あ、」
こくん、と喉を鳴らしながら、俺の血が吸い上げられている。
これが、甘美な痛みってやつか。
†††
『……いけない、危うく夢中になるところだった。何と無垢で美味なる血か……』
牙が抜かれてしまった。気持ちよかったのに。
「もっと、」
頬を、優しく撫でられる。
『これ以上は、いけないよ。かわいい坊やが、私の眷属になり夜を彷徨うものになる姿を見たくはないのでね……』
魔王というか、魔族でも、吸血鬼の眷属になれるもんなのか?
自動回復ついてるから、もし致死量の血を吸われても勝手に蘇生しちゃうんじゃないか?
いや、今、俺は人間の子設定だった。細かい設定のすり合わせは最初にしておくべきじゃね?
まあそういうプレイなんだし、適当でいいんだけど。臨機応変に行くか。
バルトの指が、尻の間へと這わされた。
……あ、そこは。
ダメだ、という前に。ぱん、と破裂音がして。
見ると、バルトの人差し指が吹っ飛んでいた。
ひええ、血が噴き出してる……! 6千もレベルが上の相手にも効くのかよ……。
スレイの呪い、恐るべし!
『指すらも駄目だとは。……これは手厳しい』
残念そうに言って。
消失した指先が、見る間に再生していく。飛び散った血や肉片が、映像を逆再生するみたいに、元に戻っていった。
これが吸血鬼の持つ能力、超再生か。バルトが吸血鬼で良かった。お陰で痛そうな傷が見えなくなった。リアルじゃグロとかゴア物は苦手なんだよ。紙の上なら何でも書けたが。
『挿入したら破裂するのでなかったら、この世の快楽のすべてをこの肉体に刻めたものを……』
バルトは目を細めて俺を見下ろしていた。
ゾクゾクする。
これ以上の快楽を。
知りたいような、知るのが怖いような。
『吸ってしまった分、返してあげないといけないね。……いや、それ以上に、ここに、』
白い指先が唇を割り、舌を撫でられる。
『私の蜜を、たくさん飲ませてあげようね、かわいい坊や』
†††
またひとつ、新しい扉が開いてしまった気がする……。
シチュエーションプレイか……。
ああいうのも、悪くないな。
バルトの精気は、チョコレートリキュール、かな。ホワイトチョコか、いや、ウイスキーボンボンか?
どことなく、苦味のある甘さというか……。
……よし。
「西の吸血大公、バルト。二次試験、合格とする」
と言って。
返事がないので見ると、スレイは号泣していた。涙が滝のようだ。
よくミイラにならないな。
『……イケオジなのですか!? 魔王様の好みは! 渋めのナイスなミドルなんですか!?』
ナニ言ってんだテメー。
相変わらず俺の側近は電波ゆんゆんである。
『同じ魔族とは二回目以降だと、あまり効果がないから。……もう、私には飽きてしまわれたのですね……!?』
マジか。
二回目以降はそんなレベル上がらねえのかよ。先に言えって。
キープしといて正解だったな。って、キープ言うな!
「……いいから伝言。行け」
顎で示して命令すると、スレイは号泣しながら駆けてった。
『魔族に捕まった人間プレイは、私としてくださる予定でしたのにー!! 魔王様のイケズ! ショタ坊やー!』
涙ながらに叫ばれた。
だからお前とそんな約束した覚えはねえっての。
って誰がショタ坊やだこの野郎!!
ステータス確認したら、レベル550になってた。
バルトすげえ。
さすが最年長だけある。経験値もすごかったな。
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