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魔王様のレベル上げ

冷血公ガルムⅡ

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『どうぞ。こちらが東方の名物料理となります』

満漢全席かってくらい、でかいテーブルいっぱいに、ずらっと料理が並んだ。
食べきれないほど出されてどうしようと焦ったが。残りは使用人がありがたく頂くので、と言われた。
そういうものなのか。

そういや、中国では出された料理に満足した、というあかしに一口分残すんだっけ?


出された料理を残すのは、料理人や招待してくれた相手に失礼だと思うのは、日本人的な考えなのか。
イエス、MOTTAINAI精神。


†††


「辛い、けど、美味い!」

料理人は嬉しそうな顔をし、喜びで泣き崩れながら下がっていった。
そ、そこまでか……?

いやでもマジで美味いし。どれもスパイシーだけど、あとをひく美味さだ。

これはカレー味のチキン? マジでうめえ……! タンドリーチキンっぽいのも美味いし。
本場っぽいさらっとしたカレーや、マトンカレーっぽいドロっとした黒いカレーもある。

丸いナンみたいなのをつけて食う。チャパティだっけ? これも美味い。
ラッシーっぽいドリンクも美味い!

ここ、米もあるんだ。嬉しいな。
魚介類と炊いたパエリアっぽいやつ、粉にして団子状にしたやつ。どれもこれも美味い。


『この魔界で、魔王様にそのような真似をすることはありえないと思いますが。このような香りや味の強いハーブでわからないようにして、毒などを混入されることも有り得ますので、ご注意くださいね』
おお、アサシンっぽいこと言ってる。

「うん」
頷いて、黙々と食う。


『はぁ……、魔王様、愛らしゅうございます……』
何うっとりしてんだいきなり。

『こちらもオススメです。……ああ、私がお取りわけしますので』
にこにこしながら、甲斐甲斐しく世話してくれた。

帰る時はお土産に、スパイスを分けてくれるという。
いいヤツだな、ガルム。マジで、何で冷血って言われてんのかわかんねえ。


使用人が、とんでもないものを目撃したような顔をして、ガルムの方を凝視してた。
……何だ?


†††


散々ご馳走になり、腹が満たされて。
魔王城へと帰還した。

食欲を満たした次は、もちろん。


『こちらは、官能を高める効果のあるオイルでございます』

ガルムにアロマオイルで全身マッサージをされている。体温の高い手のひらで、絶妙な感じで揉み解されて。
マッサージ、上手いなあ。

他人に触られるのには慣れてないんで、ちょっと緊張していたが。次第にリラックスしてくる。


「ん、」

……やべえ、気持ち良くて、そのまま寝ちまいそうだ。
って。

「ひゃっ、うわ、」
ぬるぬるした指で、袋をやさしく揉まれて。もう片方の指で、乳首を捏ねられる。

そうだった。精気を貰うんだから、純粋なマッサージである訳がなかった。
性感マッサージ!?


触られただけなのに。何故か触れられた場所が、ジンジンと熱くなって。

「……もっと、そこ、強く、」
思わず胸をガルムの手に押し付けるようにしてねだってしまった。

くい、と引っ張られて。痛いのに、気持ちいい。何だこれ。
どうして。


『魔王様は、痛いくらいなのがお好きなんですね?』

「ち、違ぁ、……いっ、」
膝で、勃ったのを刺激される。

ガルムは、かなり興奮しているようだ。額の目も、ギンギンに全開だった。


†††


ガルムは衣服を脱いだ。
細身に見えるくせに、しっかりと筋肉がついていた。

長年の運動不足で貧弱な俺と較べるのもおこがましい感じだ。元々は生きる世界が違うんだし。
なのに、そんなヒョロい俺の身体に、色々喰いまくってただろう経験豊富そうな公爵たちが、ここまで興奮してるのが不思議だ。

さすがは”えっちなからだ”。こうかばつぐんだな!


『オイルをお互いに刷り込みあうと、お互いに高まりますよ?』
背後から抱き締められて、胸板で背中を擦られた。

尻の間に、ガルムのが当たって。
ぬるぬるする。

「ん、だめ、そこ……、」
オイルで滑る腕は、俺を抱きしめながら、あちこちにイタズラしてくる。
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