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魔王様のレベル上げ

残虐大公リンゼⅢ

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ナニが破裂する呪いを受けてでも、精を提供したいなんて。勇気があるっつーか。

”魔王の伴侶”っていうのは、そんなに魅力的な肩書きなのか? 
結局、伴侶探しは、単なる勘違いだったわけだが。

リンゼはもう、そうじゃないことを知ってる。


魔王に恩を売るチャンスだからか?
それとも。


†††


「ん、」

首や胸元に這わされる厚みのある舌は、熱くもあり。舐められると、さわさわと擦れるヒゲがくすぐったい。

熱い肌。熱く大きな手のひらを、身体中に感じる。
触れられるだけで、こんなに気持ち良いなんて。強い魔力に酔わされてるのかもしれない。


全身に、赤い跡を刻まれた。

これは、自分のモノだという証。
そう言ったのは。


『ああ……魔王様。挿れません、挿れませんので……どうか、お赦しを』

「ひぁっ!?」
ぬるり、と太股の間から、熱くて赤黒いモノが飛び出した。

これ、リンゼの性器だ。
足の間から、亀頭が完全に顔を出してる。

改めて見ると、ほんとでかいな!


俺のと、リンゼのが擦れて。
「きもちい、……あ、んっ、」

厚い舌で、耳の穴を舐られて。それにも感じてしまう。

『くっ……、魔王様……、』
リンゼは俺の腰を掴みながら、同時に人差し指で乳首をくにくにと捏ね、自分の腰を打ちつけてきた。

パンパンと音をさせながら、尻の間を、太股を。熱くて太いのが行ったり来たり、激しく擦られている。
素股なんだが。俺のも、袋も、後ろから擦られて。気持ち良くなってしまった。

尻の間で擦ってるんだが。
これ、セーフなのか? 挿入の判定、わかんねーな……。

まあ、リンゼのお宝が破裂しなくて良かった。
そんなの、見ただけでこっちも痛くなりそうだもんな。


†††


『……赦されるなら。攫って、私だけのものにしてしまいたい』
血を吐くような願いに、胸が痛んだ。


それは。
その願いは、聞けない。


首を横に振る。
「俺は、……魔王だから」

それもまだ、未熟な魔王だ。俺がこうして精気を集めているのは、早くレベルを上げるためだ。
レベルを上げて。

そして。


何も言うなというように。ぎゅっと抱き締められる。

『どうか、今だけは。こうして、私の腕の中に……』
懇願されて。

つい、頷いてしまった。


……おいおい、どんなビッチだよ俺。
男心を弄ぶようなどっちつかずな態度じゃ、各方面に悪いだろ。生殺し状態で。

サイテーじゃねえか。


こんな簡単に気持ちが揺れ動くなんて。
浮気性かよ。

だが、まだ。……選べない。


†††


リンゼの精は、マンゴーを煮詰めて造った酒のような味だった。
どろっとして、濃厚で。くらくらしそうだ。

部屋から退出した後も、しばらく後味が残った。


日焼けの跡みたいに、時間が経てば消えるものならいいが。何度か肌を合わせたら、うっかりなことになりかねない予感がする。
ひと夏の恋のような、危険な相手だった。


しばらく悩んだ末。スレイに告げる。
「南の残虐大公リンゼ。二次試験、合格とする」

『はっ、南の残虐大公、キープですね。了解しました』
スレイはリンゼの書類を合格の箱に入れた。

「……身も蓋もねえ言い方すんな!!」
確かにそうだけどよ!


ステータスをチェックしたら、レベル200になっていた。

おお、さすがは大公爵の精気。すげえ経験値だ。ひと夏の恋のような経験をした気がしたし。強い魔力のせいか、魅力的過ぎるんだよな。


毛深いのも、なかなかいいかも。
……じゃねえよ!

終わったことは振り返らないで、サクサク先に進もう。


次!
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