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ワーヒド国にて

初めての経験

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「とろけそうな顔をして。なんと愛い。私の指は、それほどいか? ……そろそろ、物足りなくなってきたのではないか? ん?」

耳元で、エロいことを囁かれるのも。
ぐちゅぐちゅと、わざとみたいにいやらしい音を立てて、指が出入りしているのも。

気持ち良くて。
何も考えられなくなってしまう。


いつの間にか服を全部脱いでいて、素っ裸になっていた王様は。
抱き締められた時に、そうだろうとは予想はしてたけど。とんでもなく良い身体をしていた。

浅黒い、張りのある肌。
顔も身体も彫刻みたいに綺麗で、実戦で鍛えられたのだろう、全身はしなやかな筋肉に覆われている。
腕が動く度浮き上がる、立派な筋肉に見惚れてしまいそうになる。

俺よりも、二回りほど大きい身体。
端から見れば大人と子供みたいに見えると思う。王様の腕の中に、すっぽりと収められてしまう。

筋肉の薄い、この生っ白い身体を見られるのは恥ずかしいけど。
体温の高い身体に、ぎゅっと抱き締められるのは、とても心地好いのだと知った。

俺のより太い指で、恥ずかしい場所を弄られるのも。


「ん、きもちい、」
もっとして欲しい、とねだるように。

はしたなく腰が揺れてしまっているのがわかっていても。
恥ずかしいのに、止められない。


「ふふ、素直なのも愛らしいぞ。……そろそろ、頃合いか……?」
熱い吐息が、耳に掛かった。

「ミズキがマラークとしての資格を失い 只人ただびとになろうとも。我が妃として、生涯大切にすることを約束しよう」


そう言って。
王様は、俺の身体をうつ伏せにさせて、俺の腰を掴んだ。

四つん這いになるように、腰を上げられる。


だから。
資格を失う・・・・・って。どういうことだよ?


†††


……熱い。
最初は、そんな感覚だった。でも。


「あ……っ、や、ああっ!?」

どこか快楽に呆けていたような頭が、一瞬で覚めてしまった。
熱くて固くて大きい、棍棒みたいなものが、俺のお尻を引き裂くみたいに入ってくる痛みで。


嘘だろ。
もはや凶器だよこれ。

恥ずかしくて、直視できなかったけど。
挿入される前にちらっと見えた、王様のアレ・・は、その立派な体格に見合う、とんでもないサイズだった。

赤黒くて、血管が浮いていて。えらが大きく張り出していて。太くて。
まさに凶器としか言いようのないモノだった。そりゃ俺のなんて子供も同然に見えるだろう。

あんなでかいの、ちょっと指で慣らしたくらいで入る訳がないじゃないか。
だって、俺の腕くらいあったよ? いくら何でも、無理だってば!


「や、やだ……、」

「逃がさぬ、」
王様は残酷に告げて。

思わず前に逃げようとする身体を、ぐいっ、と後ろに引き寄せられる。腰に食い込む指が痛いくらいに。
すると、より結合が深くなってしまう。

「あぐ、……い、痛い……! お願い、抜いて、」

「力を抜け。きつすぎる。裂けてしまうぞ?」
ぺろり、と首筋を舐められる。

裂けるとか、怖いことを言うなよ! あの大きさからして、シャレになんないし!

「……ここ・・を緩めろ。を喰いちぎるつもりか?」
王様の指が、繋がっている場所を辿っている。

いや、緩めろ、とか言われても。
俺、こういうことしたの、初めてだし。

力を抜けって?

でも。
どこをどうやって、力を抜いたらいいのかもわからない。


「無理、わかんない……! 無理だって。も、やだ。これ、抜いてってば、」

身を捩って逃げようとしても。
力強い腕の中にぎゅっと抱き込まれてしまっていて、動けない。


「くっ……、そうぎゅうぎゅうと、喰い締めるでない……っ、」
抜くどころか、更に腰を進められてしまう。

やたら大きくて、長い気がする。
中から胃を。内臓を押し上げられているような、物凄い圧迫感。


これ。
どこまで入ってくるんだろう?

このまま内臓を突き破られて、口から出てくるんじゃないかと思って、ぞっとした。
さすがに口は現実的じゃないにしろ、へそなら有り得るかも。


「やだぁ、こわい、お腹、破れちゃう……!」

「く、また、そのように いことを……!」
王様は容赦なく、灼熱の杭を打ち込むみたいに、腰を進ませてくる。


†††



「……そら。もう、これで しまいだ。奥に当たったぞ?」
安心するが良い、と告げられる。

「っ、嘘……、」
トン、と。お腹の奥を突かれた。……え? 奥って何だよ。

「きゅうきゅうと締め付けて……貪欲な孔だな?」
やたら良い声で、エロいことを言われる。

「ふ、入口も、健気に襞をいっぱいに伸ばして呑み込んでおるわ」
そんなことを囁かれながらお尻を撫でられて、ぞくぞくしてしまう。

「や、もう、」

お腹、いっぱいで。苦しいし。抜いて欲しい。
それなのに。


「……動くぞ」
宣言されて。

熱くて固いので、お腹の中をめちゃくちゃに掻き回された。


王様の性器を受け入れさせられて。
あんな大きいの、絶対無理だと思った。引き裂かれるかと思うほど痛かったし。

でも。
痛いのに。それだけじゃないような。

この感覚は何だろう。


「も、やだ、王様……、」

「アーディル、だ。ミズキ。我が名を呼べ」
王様は、俺の性器に手を回して。

痛みに萎えたのを、弄られる。


「ひぁ、」
王様の巧みな手技は、俺の快楽を容易く導いた。


痛いのは嫌だし。
与えられた快楽だけに集中して、後ろの痛みをやり過ごすことにした。


†††


王様の手技が巧みすぎるせいか。
しばらくすると、後ろの痛みよりも、前の快楽に集中することができるようになってきた。


「あっ、……もう、」
やっとイけそうだと思ったのに。

「……まだだ、まだ、達してはならぬ」
王様は、俺の性器の根元をぎゅっと握った。

「な、何で?」

この状態で寸止めとかひどい。
鬼か。
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