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しおりを挟む帰ってきた玄関先で、勢いよく抱きつかれてキスされる。
飯食って帰るかと言おうと思ったが、屋上で変に奏志を煽ったせいで帰り道はもうずっとソワソワされた。
少し煽っただけでコイツは100倍にして返してくる。
「――っわ」
このままなし崩しにここでされんのかと思ったら、身体を抱きかかえられて自室へ連れていかれる。
いつも帰ってきて手を洗えだうがいをしろだとかオカンみたいな事言うくせに、自分の都合悪いときはお構いなしか。
ベッドに落とされて、そのまま奏志が俺の上に乗り上げてくる。
もうめちゃくちゃやる気マンマンじゃねーか。
「…そんながっつかなくたって後でちゃんと――」
「ごめんね、待てない」
ピシャリと言われて、ドキリと心臓が大きく跳ねる。
どうやら「ちょっとだけ」とか今は言うつもりもないらしい。
すぐにキスをされて、奪うように俺の舌を絡め取りながら荒々しくスーツを脱がされる。
「…っはぁ、奏志、ちょ…っ」
あっという間にシャツの前を広げられ、慌てて抵抗の言葉を口にしようとしたらそれごとキスで飲み込まれる。
急くような奏志の手が俺の身体を撫でて、熱い手のひらの感触にピクリと身体が跳ねる。
「――好き、好きなんだ…っ。大好き…っ」
切なげに訴えられる。
何度も頬や額、髪の毛に唇を落としながら、服の中に入り込んだ手が確かめるように俺の身体に触れる。
「愛してる…っ。すごく、すごく愛してて…っ」
もっと俺に愛情をぶつけたいのに、これ以上の言葉が見つからないといった感じだった。
もう完全に頭に血が上りきってて、自分でも感情を抑えきれてないんだろう。
ひたすらに大好きなんだと俺に訴える言葉を、オレンジ色に染まる奏志の顔を見上げながら聞いていた。
夕陽を含んだ髪はキラキラと光り輝くようで、ぼーっと回らない頭で綺麗だな、なんて魅入ってしまう。
頭の芯まで蕩けてしまいそうな愛情。
何度もキスの雨を降らせては、どうしようもないほど深い愛情で俺をグズグズにしていく。
「…っあ」
身体を撫でていた手がズボンに掛かり、少し緩ませたベルトごと降ろされる。
全部脱ぎきってないのに待てないとばかりに奏志の手が俺の半身に触れてきたが、少し触ってからすぐに頭を下げた。
「――ちょっ、こら…」
下着を緩く押し上げているそれに、鼻先を押し付けられた。
だから匂い嗅ぐなっつの。
奏志は恍惚とした表情をしながら、ちゅ、ちゅと何度もそこに唇を落とす。
緩い刺激に目を瞑って耐える。
こういう事しながらもしっかりと俺の顔をガン見してくるから、恥ずかしくてしょうがない。
「可愛い声だしてね。我慢しないでね」
「…っ無理」
視線を逸らして唇を噛みしめる。
女みたいに声なんてあげたくねーんだよ。
男の喘ぎ声とか、俺はAVでも萎えるタイプだ。
「――っあ」
そう思ってるのに下着をずり下げられて、直接自身を口に含まれるとどうしようもない快感が湧き上がる。
唇で扱かれて丁寧に裏筋を舐め上げられ、ビクビクと背筋が震える。
「…っく、…ん…あぅ…ッ」
時々抑えきれず漏れ出る声に、奏志が煽られたように俺のモノを扱く速度を上げる。
サラサラと揺れる髪を捕まえて動きを止めようとしたが、あっけなく快感が昇り詰めていく。
必死に唇を噛み締めていたが、もう出る――と昂ぶりきったところでピタリと動きを止められた。
「や……っはぁ、なんで…っ」
「はぁ…。梅乃くん、ダメだよ。唇が傷ついちゃう」
そう言って白くなっていたらしい俺の唇を指先がなぞる。
なんの心配してんだコイツは。
無意識寸止めすんじゃねえ。
限界まで来ていた快感を得られなかったことで、身体がどうしようもなくもどかしい熱を生んでしまう。
下半身はズキズキするほど血が溜まっていて、俺の理性が失われていく。
荒々しく息を吐き出すと、俺は奏志の身体をぐいと押し倒した。
「…梅乃くん?」
肩で息をしながら、少し驚いたように奏志が俺の顔を見つめる。
身体が熱い。
好きなやつにこんな状態にさせられて、正気でなんかいられるか。
がぶりと噛み付くように奏志の首筋に口付ける。
シャツのボタンを数個緩めてその肌に吸い付くと、ピクリと奏志が息を詰めた。
そんな仕草にも身体が煽られてしまう。
「…っど、どうしたの」
「うるせー。黙ってろ」
そう言って俺は奏志のベルトに手を掛ける。
さっき俺がされたようにズボンをずり下げると、痛そうなほど完全に勃ちきって下着を押し上げているそれに顔を落とした。
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