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1章
5話:けっこう凄い子でした
しおりを挟む「す、すすすすすすすみませんでしたっ!!!」
話を聞けばここはアシュタロッテ王国と言う国の国境付近の森で『アシュタロスの森』と呼ばれ魔物や亜人の住むアシュタロッテ王国最大の森林だとか、、、
そして、1週間前にドラゴンの卵が巣から盗まれドラゴンが怒り狂って王宮に乗り込んで来て、各地の冒険者ギルドへ依頼を発注。それを引き受けたのがこのクリスさんとフェールズさんらしい。そして、クリスはと言うと、、、僕と子供の飛龍、、、じゃなくて子供のドラゴンがじゃれている所が襲ってるように見えて、子供とはいえ肉食で凶暴だからと心配して駆け寄ってくれたらしい。
「いや、こちらこそ紛らわしい言い方や外見をしていて済まなかった......特に君にクリスの外見は怖かっただろう?」
「は.....いえ、!.....大丈夫です!」
「ピィ?」
「.....ゴホン......とにかく.....誤解が解けたのならそろそろ頭をあげてくれないか?」
フェールズさんやクリスさんの話が続くにつれて僕はとんでもない勘違いをしてしまったと確信してからは土下座の体制から頭を上げる事が出来なかった。子供のドラゴンは何かあったの?と聞きたげな瞳で見てくるし
「あ、はい.....本当に......すみませんでした.....」
「あ、いやこちらこそ悪かった。それでだな、誤解が解けた事だしそろそろ『警の鳴』をその子ドラゴンに解くよう言ってくれないか?」
けいのめい??
僕が首を傾げると
「まさか......知らない、の......か?」
「『警の鳴』またの名をドラゴンの遠吠え、こちらを襲わずに周りから見ていることからそう、判断させて貰った。これはドラゴンが危険と見なした何かが現れた時本能で出す鳴き声と言われ意味は『危険、弱きものは近寄らず強き者は囲め』だ周りからそこそこの魔物の殺気が肌を刺して来るようでとても痛い.....」
フェールズさんの丁寧な説明の後に
「これはドラゴンの生存本能が働いた時と伴侶やパートナーなど、絶対に守りたい者がいる時に本能で使用するらしい。ドラゴンは魔物の上位種。絶対的な存在で周りの魔物は本能や忠誠心から服従すると言われている」
「へぇ.....君は凄い種だったんだね.....ありがとう、もう大丈夫だよ」
「ピィッ!」
子供ドラゴンの頭を撫でながら安心させるように抱き上げた。
子供ドラゴンは安心したのか、周りから草木が揺れる音がしたと思ったらフェールズさんとクリスさんの肩の力が抜けるのがわかった。
子供とはいえドラゴンの種と言うのはそれなりの脅威で見つけても不可侵と言うのが暗黙の了解らしい。
「それを、何処ぞの阿呆が卵を盗み出してしまって、たぶん少年が近くに寄った事で君の魔力を食べてその子が卵から孵ってしまったんだと思う」
「卵の状態で.....ですか?それに魔力.....とは?」
日本.....いや、下手すると地球すら怪しい......やっぱりここは死後の世界.....?
「君は.......貴族では無かったのか?」
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