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プロローグ
しおりを挟む「じぃーちゃん! じぃーちゃん!!」
頭の上から私の可愛い子供達が私を呼ぶ声がする。
あぁ.......時間か....
「.......なんですか.....うるさくて.......よく、眠れ、ま....せんね.......」
と言いつつ私は98年という長い人生に幕を下ろしたのだった。
幕を下ろしたはずだった。
意識がある。
まずは状況の確認をすべく辺りを見渡すが、一面真っ黒な世界。
.......地獄?
「地獄ではない!すまんが少し待っとれ!!直ぐ肉体を用意するでの!」
地獄では無い....のですか.....
うん?肉体??用意??
「ほれ!目を開けれるはずじゃ!」
そう言われ目を開けるとそこには金髪美少女天使が!!!
いなかった。普通に私と同じ様な長い白髪の生えた爺さんだった。
「これまた珍しいタイプの爺さんが来たのぉ....この時期に老衰死された爺さんは皆この姿で納得するんじゃが.....」
「これは....これは......失礼しました.....その口振り、これ迄の状況.....神様とお見受け致します」
「なんじゃ....絡みづらい爺さんじゃのぉ.......」
と言いながら神様と思わしき御仁は手に持っていた資料らしきものに目を落とす。
「フムフム.......なるほど...なんとなんと.......アレの世界に行っていたのか」
「状況の説明をお願い致しても?」
「せっかちな爺さんじゃな.....良かろう!その順応力の高さ!老衰死と言う条件をクリアして居る見たいだしな.....と、偉そうな事を言って申し訳無い清次郎殿にはある神の尻拭いをして欲しいのじゃ」
「尻拭い.......とな?」
「そうじゃな『ボッチに幸せを』と言う遊戯を知ってるであろう?」
「ふむ....あれは実に素晴らしいゲームでしたなオンライン対応のファンタジーVRゲームと思いきや女の子を攻略してオフラインパーティを充実させるもの。特に静音は私の先立った嫁さんに良く似ていて.......」
真っ先に攻略したな.......。
「実はじゃな.....ある神がその遊戯が面白そうとか言って実現させた迄は良かったんじゃが誤ってこちらの世界と繋げてしもうてな.......魂が入れ替わったり数を超えた魂がこちらに定着したり...と言ってもあと1人だけじゃがな.......」
なるほど、なるほど.......
「輪廻の数は決まっております故ですね」
「そうじゃ。いやぁ話が早くて助かったわい.......老衰死と言うのは、誰でも出来る訳では無いんじゃ前世の徳と運が必要でのぉ.....転生した魂に刻まれただけの徳は消えること無く運に変わる.....運が悪ければどれだけ今世で徳を積もうが病にはかかるし事故にも会う.......」
「ほぉ....では、前世のいや.......魂に刻まれた過去の私に感謝せねばなりませんね.......」
「ふむ。そういう事じゃ.....新たに作ったばかりの世界はとても不安定でな....また、誤って定着してもうたこちらの魂がどんな影響を及ぼすか解らぬ....故に清次郎殿を転生、もしくは転移して行く末を見守って貰いたいのじゃ.......」
「行く末を見守る.......とは?」
「そう、構えんでいい....ただ、定着した魂はこちらで溜め込んだ強い力を持っておる。それが魔のものになればそのまま神界にまで影響する.....なんて事も良くある.......それをあちらで食い止めて貰いたい。まぁあちらの魂が魔のものになろうとも関係は無いがな....ほっほっほ!」
「あくまでこちらの魂の持ち主のものと.......良いでしょう。私としてもまた、妻の面影を持ちしものに会えるのであれば願ったり叶ったりです」
「おぉ!そう言ってくれると思っとったぞ!それで?転移と転生はいかがされますかのぉ?」
「うぅ....む.......楽あれば苦あり.....転生でお願いします致します」
「ほっほっほ!これまた珍しい方を選ばれたのぉ......今までの若造共は喚くだけ喚いて転移を選んだと言うのに.......」
おっと.......ブラック入りました。
「ふむ。あの若造共と同じに扱っては失礼と言うもの.....特別さぁびすじゃ」
「いえ、一緒で構いませ「さぁ、行って来るのじゃ!そして導き手として恥じぬ新たな人生を!」ーーーはい」
新たな人生も次の私に繋げる為、徳を積もう.......
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