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水の王国編
え、私魔法をもらえる?
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封印の賢者の話を聞いて一瞬驚いた様子のアウラ王子だったが、その後すぐに落ち着いて歴史の教科書の説明をするかのように淡々と話し始めた。ベンネスを建国し子宝に恵まれて幸せに生きた水の王の話。レヴィアタン封印だけでなく水上交易の発展に貢献したことでも名が残っている話。
そして花の王については引き継ぐようにしてアリスが説明をした。各国を渡り歩き、6人の王を結びつけた伝説。二代目が王位を土の王に譲ってから世界に花を届ける貴族としてひっそりと過ごしていたこと。
2人とも話に伝え聞いていた物語を封印の賢者に話した。
「そう……。やっぱりお父様とお母様のことは歴史に残っていないのね」
封印の賢者は寂しそうに言う。
「今教えてくれた話は少し違うわ。多分語られている花の王はお母様の兄ね。そもそも花の国の国王は女王だし」
アリスとアウラ王子は突然明かされた真実に驚きを見せる。私もこの話を初めて聞いた時には驚いた。
「私のお母様は私と双子の姉、ミラを隠れて産んで育てる間ずっと水の王国にいたもの。婚姻も結ばず、他国の王との間に子供を作ったりしたら……隠すしかないものね」
10歳ほどにしか見えない少女が他人事のように語る姿はひどく歪んで見えた。諦めたような悟ったような、感情が込められていない語り口調。
「お父様とお母様とお姉さまが幸せに一緒にいられるように願っていたけど……叶わなかったのかな……」
初めて感情を見せた封印の賢者。涙こそ流していないけど悲しさが伝わってくる。健気な少女の本音……。私はこの少女、リラこそがこの世界で最も幸せになってほしいと思ったキャラクターだと思っていた。
封印の賢者の話を聞いてアウラ王子もアリスも口を閉ざしているだけ。
「まあ、もう過去の話ね。それであなたたちはレヴィアタン封印のために私に協力をしてほしいの?」
封印の賢者が話を変えたことでアウラ王子が返事をする。
「封印ではなく討伐を考えています」
アウラ王子は真剣な眼差しでリラを見る。リラは品定めをするかのようにアウラ王子を見ると冷めたような諦めたような目になって答えた。
「そう……。封印にしろ討伐にしろ、私にできる協力は2人の王が使っていた魔法を伝授することだけ」
「初代が使っていた魔法?」
「ええ。魂に刻む魔法だから1人につき1つまでだけどね。どんな魔法がお望みかしら?」
リラに言われてアウラ王子は考え込む。しかしあまり時間もかからずに答えを出した。
「レヴィアタンに強力な攻撃ができる魔法を。ダメージを与えられる魔法をお願いします」
「攻撃魔法ね。分かったわ」
リラはそう言うとアウラ王子の胸に手を当てた。すると帯状の光がリラからアウラ王子に流れ込む。
「使い方は、理解した?」
「はい。これは……確かに強力な魔法です」
「じゃあ次。あなたは?」
リラはそう言ってアリスに尋ねる。
「では……。300年前に花の王がレヴィアタンと戦う時に1番使った魔法を」
「……分かったわ」
リラは先ほどと同じようにアリスの胸に手を当てる。光の帯がアリスの中に入り込むと、アリスは小さくうめき声を上げた。
「花の王の血を引いているけど、魔法に慣れてないのね。でも問題なく使えるはずよ」
「ありがとう……ございます」
アリスは少し苦しそう。でもこれでゲーム同様レヴィアタンは討伐したようなものだ。あとは……
「あなたはどんな魔法が欲しいの?」
私が魔法をもらう番になった。
そして花の王については引き継ぐようにしてアリスが説明をした。各国を渡り歩き、6人の王を結びつけた伝説。二代目が王位を土の王に譲ってから世界に花を届ける貴族としてひっそりと過ごしていたこと。
2人とも話に伝え聞いていた物語を封印の賢者に話した。
「そう……。やっぱりお父様とお母様のことは歴史に残っていないのね」
封印の賢者は寂しそうに言う。
「今教えてくれた話は少し違うわ。多分語られている花の王はお母様の兄ね。そもそも花の国の国王は女王だし」
アリスとアウラ王子は突然明かされた真実に驚きを見せる。私もこの話を初めて聞いた時には驚いた。
「私のお母様は私と双子の姉、ミラを隠れて産んで育てる間ずっと水の王国にいたもの。婚姻も結ばず、他国の王との間に子供を作ったりしたら……隠すしかないものね」
10歳ほどにしか見えない少女が他人事のように語る姿はひどく歪んで見えた。諦めたような悟ったような、感情が込められていない語り口調。
「お父様とお母様とお姉さまが幸せに一緒にいられるように願っていたけど……叶わなかったのかな……」
初めて感情を見せた封印の賢者。涙こそ流していないけど悲しさが伝わってくる。健気な少女の本音……。私はこの少女、リラこそがこの世界で最も幸せになってほしいと思ったキャラクターだと思っていた。
封印の賢者の話を聞いてアウラ王子もアリスも口を閉ざしているだけ。
「まあ、もう過去の話ね。それであなたたちはレヴィアタン封印のために私に協力をしてほしいの?」
封印の賢者が話を変えたことでアウラ王子が返事をする。
「封印ではなく討伐を考えています」
アウラ王子は真剣な眼差しでリラを見る。リラは品定めをするかのようにアウラ王子を見ると冷めたような諦めたような目になって答えた。
「そう……。封印にしろ討伐にしろ、私にできる協力は2人の王が使っていた魔法を伝授することだけ」
「初代が使っていた魔法?」
「ええ。魂に刻む魔法だから1人につき1つまでだけどね。どんな魔法がお望みかしら?」
リラに言われてアウラ王子は考え込む。しかしあまり時間もかからずに答えを出した。
「レヴィアタンに強力な攻撃ができる魔法を。ダメージを与えられる魔法をお願いします」
「攻撃魔法ね。分かったわ」
リラはそう言うとアウラ王子の胸に手を当てた。すると帯状の光がリラからアウラ王子に流れ込む。
「使い方は、理解した?」
「はい。これは……確かに強力な魔法です」
「じゃあ次。あなたは?」
リラはそう言ってアリスに尋ねる。
「では……。300年前に花の王がレヴィアタンと戦う時に1番使った魔法を」
「……分かったわ」
リラは先ほどと同じようにアリスの胸に手を当てる。光の帯がアリスの中に入り込むと、アリスは小さくうめき声を上げた。
「花の王の血を引いているけど、魔法に慣れてないのね。でも問題なく使えるはずよ」
「ありがとう……ございます」
アリスは少し苦しそう。でもこれでゲーム同様レヴィアタンは討伐したようなものだ。あとは……
「あなたはどんな魔法が欲しいの?」
私が魔法をもらう番になった。
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