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土の王国編

え、私会議に参加した?

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 私とアリスとヒューリはアレクサンダーや王達より先に食事を終えて席を立つことになった。

「父上、母上、アレクサンダー様。お先に失礼させていただきます。ごゆっくり食事をされてください」
「おや? 急ぎの用事でもあるのか? もう少し共に過ごしたいところだが……」

 王はヒューリの言葉にそう返す。

「仕事の話がありまして。今日中に済ませておきたいのです」

 ヒューリがそう言うとアレクサンダーがニヤニヤしながら口を挟んだ。

「トーリ王。ヒューリ王子は男手が足りずに仕事がまわらないフルハイムを手伝おうと言うのです。力無きものに手を差し伸べるなど素晴らしいことではありませんか。私は先に退出されても気にしませんので」

 私たちが無能だと直接言っているようなもの。しかしヒューリ以外は気にする様子もない。アリスは気付いていないみたいだし、王と王妃は興味がなさそうだ。

「彼女たちは力無きものではありませんよアレクサンダー様。むしろ彼女たちの仕事のおこぼれを貰う話です。近いうちにご理解いただけることと思います。それでは」

 ヒューリはアレクサンダーにそう言って踵を返すと私たちを先導した。チラリとアレクサンダーを見ると悔しそうな顔をしている。ざまぁという気分になる。

「良いのですか? あのような言い方をして」

 部屋から出たところで私はそう言う。

「怒鳴っても良かったくらいです。しかしそれではお二人の面子もありますからあの程度にしておいたのです。それに私は何も嘘は言っていませんしね」

 そう言うヒューリは楽しそうだ。それを見て私も楽しくなる。

「会議室が空いていますのでそちらで続きをお話しましょう。お二人は何時ごろまで大丈夫ですか?」
「私は朝まででも大丈夫です。アリスは10時頃には宿に向かう?」

 仕事なのだから私の都合で時間を決めるわけにはいかない。とはいえアリスは望んで仕事をしているわけではないので早めに帰してあげたい。

「では10時まででお二人には帰っていただけるようにしましょう。クリス! 話は聞いていただろう。ダグラスとレオンを呼べ」
「はい。すでに呼んでおります」
「ありがとう。では行きましょうか」

 ヒューリの側仕えは食事中の会話から必要な手配を済ませていたらしい。仕事ができる人間というのはこういうことなのか……
 会議室に着くと動きやすそうな部屋着を見にまとった髭面の男性と、筋骨隆々の軍服を着た男性がいた。机の上には地図のいくつもの資料が並べられている。

「それではレジーナ様がスカウトされたハンターたちによる猪討伐作戦についての会議を始めます」

 ヒューリは会議室にある壇上に立って早々に言うと黒板にチョークで猪討伐作戦と書きなぐった。
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